yamaの読書日記

 活字中毒のyamaが日々手にしている本のお話を綴っています。
 読んだ本についていろいろお話しませんか?

半夏生

2009-03-28 22:51:00 | ミステリー
今野敏さんの・・・何シリーズって言ったらいいんでしょう?
「東京湾臨海署」シリーズ?  「安積班」シリーズ?  「ベイエリア」シリーズ?  サブタイトルが長~~い「東京湾臨海署安曇班」なのでやはりこの名前のシリーズでしょうかしら。

もう、何冊目になるんでしょうか?

今回はお台場でアラブ系の外国人男性が倒れているのが発見され、まもなく死亡した事からバイオテロが疑われ、地域・道路の封鎖が指示され一気に緊張が高まっていく。

このシリーズは臨海署刑事課強行犯係のメンバーのキャラクターがしっかりと確立されていて・・・・これには安積係長の心の呟きがかなり貢献していますが・・・それぞれがすごく身近に感じられます。

安積係長、村雨、須田、黒木、桜井、そして安積を慕ってる交機隊の速水。
みんながかなり特徴があって、それに安積の自問自答が彼らに血を通わせている。

読みながら「安積さん、そんなに気を遣うとはげちゃうよ」と突っ込みながら楽しく読んでいます。
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ひょうたん

2009-03-26 22:13:34 | 時代小説
宇江佐真理さんの「ひょうたん」読了しました。

本所五間掘りにある古道具屋・鳳来堂の夫婦、音松とお鈴を取り巻く人たちと、出来事を温かく優しい視線で綴ってあります。

毎日晩飯時になると、鳳来堂には音吉の幼馴染・・・勘助、房吉、徳次がやって来てお鈴の手料理に舌鼓を打ちながら酒を飲むのが習いになっている。
で、お鈴は毎日店番をしながら七輪でお菜の下ごしらえを・・・店先でいい匂いがしてるみたいです。

1人息子の長五郎は音吉の兄のやってる質屋へ奉公に出ている。いずれは跡を継いで欲しいと思ってる様子。
そんな長五郎が暇を出された。その時の父親音松も良かったけど、長五郎があまりにもしっかりしていて、この当時のの13歳ってすごいなぁと感嘆してしまいました。

こんな一家にいろんな出来事が起こるのだが、その時の音松とお鈴の優しいこと。
昔はこんなに気持ちにゆとりと優しさが有ったんだなぁとの思いを感じながら読みました。
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吉原裏同心(十一) 異館

2009-03-25 22:28:33 | 時代小説
佐伯泰英さんの「吉原裏同心」シリーズの第11作目です。

吉原の店を乗っ取ろうとした敵を追っていた神守幹次郎は江戸へ帰ってきてもゆっくりする暇もなく、新たに吉原を我が手に掴もうとする者たちと死闘を繰り広げる。

毎度おなじみの展開ですが、かい間に見せる当時の風俗や出来事、そして吉原のしきたりなど結構面白く読めます。

このシリーズの一冊目になかなか手が出なかったのは、吉原を題材にした話はどうも好きじゃないなぁとしり込みしてたのですが、意外にさらっと読めます。
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The MANZAI

2009-03-21 15:46:52 | その他
あさのあつこさんの「The MANZAI」シリーズの第5作です。

中学三年の冬休み、除夜の鐘を聞きながら、歩くんの心のつぶやきに耳を傾けるところから話が始まります。

この本の楽しさは、最愛の家族を失って傷心を抱えて母と二人で叔父の元へ身を寄せた瀬田歩が同級生たちとの友情で今まで殻に閉じこもっていた自分を少しずつ解放していく様を共有できることです。
そしてあさのさんの書かれるものにしては珍しく、ボケと突っ込みがいたるところにちりばめられていて、ついついムフフと含み笑いをしてしまうのも一興です。

また、ロミジュリを支える仲間が生き生きと描かれています。
歩を漫才に引きずりこんでいる秋本くん。
その秋本くんの幼馴染で歩の想い人の恵菜。
元文芸部長で妄想好きな森口さん。その森口さんを好きな秀才の高原くん。
ふくよかで心優しい篠原さん。そしてサッカー少年の蓮田くん。

今回は年末年始の騒動がにぎやかに繰り広げられていますが、深刻な話題もあったり、秋本君が漫才に歩を引っ張り込んだ経緯とかも書かれています。
どうも歩くんは高校でもMANZAIをやめられそうにもありませんよ。
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見届け人秋月伊織事件帖 霧の路

2009-03-19 22:45:02 | 時代小説
藤原緋沙子さんの見届け人シリーズ、第四弾「霧の路」読了です。

江戸の御成道に古本写本の店を開く「だるま屋」の吉蔵は店の前で筵を敷き、そのうえに素麺箱を机代わりにして酒をちびちび飲みながら世上の風説や遠国の出来事をかき集めている。
その集めた情報の見届けの仕事をしている秋月隼人が出会った事件を書き綴られている。

表題になっている「霧の路」はさる北国の藩の因縁の出来事にまつわる話ですが、読みながら・・・『あれ?どこかで似たような話を読んだような』・・・そう、「無茶の勘兵衛」で最近読んだ話と同じみたいです。
まぁ、歴史は変えられないので、少しずつアレンジしてお話が広がって行ってるのですね。

今回は隼人が子宝に恵まれない兄夫婦の養子と・・・・といったお話も挿入されていて次作品への楽しみも。
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スクープ

2009-03-15 20:43:42 | ミステリー
今野敏さんの「スクープ」読了です。

TBNテレビの報道局社会部の布施は、看板番組「ニュース・イレブン」所属の遊軍記者である。
番組の打ち合わせにはいつも遅刻、その上態度にも大いに問題あり。
しかしながら、独自の取材で数々のスクープをものにして番組に貢献していてスタッフからも一目置かれる存在である。
そんな布施と警視庁捜査一課の黒田刑事との暗黙のコンビネーションは突っ込みどころ満載。

まぁ、ありえねー設定でしょうが気持ちよく読めます。
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立場茶屋おりき 月影の舞

2009-03-14 22:16:39 | 時代小説
今井絵美子さんの「立場茶屋おりき」シリーズの4作目です。

如月鬼一郎がおりきの前から姿を消し、その上、隣家の火事の類焼で茶屋を失い、そんな失意の中で茶屋の再建に奔走し、立場茶屋の女将として生きる決意をするおりきを描いています。

5編の連作ですがどれもおりきの周りの人たちを優しい眼差しで見守るおりきが素敵に書かれています。

最後に鬼一郎のその後が書かれているのですが、今後・・・再登場??するのか?しないのか?思わせぶり・・・
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ジウ Ⅲ

2009-03-07 21:49:21 | ミステリー
誉田哲也さんの「ジウ Ⅲ」を読み終えました。

「ジウ Ⅰ」「ジウ Ⅱ」は全てここまでの伏線だったのかと納得することが多勝ったですが、話がここまででかくなるのかと、唖然。
総理大臣を拉致、次期総理大臣と思われる大臣を射殺、、、その上歌舞伎町封鎖ですもん、ビックリよ。

そして基子はジウ、というよりミヤジの周到な策略で逃げ道のない袋小路に追い込まれ囚われていく。
そんな基子を美咲は助けたいと一途に思い、基子の上司と二人で救出に向かう。

読み終えて思ったのは、突き詰めれば全ての元は『愛』と言いたかったのかな。
対照的な二人の女性警察官、基子と美咲を対角線において話を展開していく。
心優しく感情移入してすぐ泣いてしまうので犯人の説得が特技?の美咲。
そんな美咲に反感というより嫌悪感を抱く基子は柔道とレスリングに長けた格闘技オタクでSATで活躍。
そんな二人の恋模様を織り交ぜて話は進行。

最後にジウが何故色んな事件を起こしたのかとの謎解きも・・・『愛』かなと思わせる落ちが用意されている。

派手な「警察小説」ですね。
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ビフォア・ラン

2009-03-02 22:12:19 | その他
重松清さんのデビュー長編小説「ビフォア・ラン」読み終わりました。

陸上部で長距離を走っている優は高校3年生。
揺れ動く受験生の一年間をその友人たちとの交流で描いている。

読んでいて自分の高校3年生の頃を思い出してしまった。
逃げ道がないと感じたあの頃。 教室の閉塞感に囚われそうになったあの頃。

優の幼馴染の紀子・・・よく出来たいい子だった自分から逃げ出した紀子・・・
ひょっとしたら私だったのかもしれない。いつも「いい子」でいることに倦んでいた私。

優が400mのトラックを何度も何度も同じ風景を見ながらひたすら走り続けるその時の心のありようを語っているのが、長距離をひたすら泳いでる時の私の心境と似ていて面白いです。
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