yamaの読書日記

 活字中毒のyamaが日々手にしている本のお話を綴っています。
 読んだ本についていろいろお話しませんか?

大いなる看取り

2010-03-30 23:05:07 | その他
中村智志さんの「大いなる看取り」を読み終えました。

実はこの本を手にしたのはいつお読んでいるフィクションの本だと思ってだったのですが、読み始めてから「ノンフィクションだわ」と気付いたわけです。

副題に「山谷のホスピスで生きる人びと」とあるように、あまり良く言われていない山谷にあるホスピス「きぼうのいえ」で人生の最後を迎えてる方たちを中村さんが取材したものを本にしたものです。

この「きぼうのいえ」にたどり着くまでの其々の人生も様々な方たちが、ここでスタッフの真心に支えられ優しい表情で死を迎えていく・・・

「生きること」「死を迎えること」「看取ること」などをしっかり考えさせられた一冊です。
人生の最終幕をいかに演じて幕を引くのか・・・

これからしっかり考えていかなくてはいけない命題を突きつけられた気がします。
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吉原裏同心(十二) 再建

2010-03-25 10:27:30 | 時代小説
佐伯泰英さんの「吉原裏同心」シリーズの第12弾、「再建」を読了。

今回は題名が意味するように、吉原が仮宅から焼け出された跡地に新たな吉原が再建され戻ってくるまでを悲喜こもごもに描いてあります。

ひょっとしたらこの回登場した「おみよ」が常連になるのかも・・・

このシリーズは女の人のレギュラー陣が少ないので・・・汀女、薄墨くらい・・・吉原の話にしては彩りが少ないですもの。
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まんまこと

2010-03-20 23:54:46 | 時代小説
たった今、畠中恵さんの「まんまこと」を読み終えました。

良かったよ~~

江戸は神田、玄関で町内の揉め事の裁定をする町名主の跡取りの麻之助が持ち込まれた難問に立ち向かい解決していく・・・コレが心温まる解決策を見つけるんですよ。

麻之助の幼馴染の隣町の町名主の跡取り息子の八木清十郎と同心の家の養子になり今では見習い同心の吉五郎はなにかと麻之助の力になってくれる。

麻之助は真面目で勤勉な若者で周りからの期待を一身に受けていたけれど、16歳になったのを境にその「真面目と勤勉さ」をどこかに落としてなくしてしまい、「お気楽な若者」になってしまい・・・みなをがっかりさせてしまっている。

そんな麻之助は「お気楽な若者」だから出来る心の通った優しいお裁きを見せてくれる。

次第に麻之助の変心のわけも明らかにされるのだけれども、それを知って一層「麻之助ってやはり今でも真面目で勤勉な若者だわ」と思います。

「しっとりと切なく、そしてどこか甘やかで危うい余韻を残すものとなっている。そこが何とも味わい深い」(巻末の解説より)
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爽太捕物帖 消えた人達

2010-03-19 23:07:46 | 時代小説
北原亞以子さんの「爽太シリーズ」の第2弾「消えた人達」読み終えました。

ちょっと感想は複雑で・・・  

文化三年の大火事で焼け出された爽太は今では鰻屋「十三川」の入り婿で十手持ちである。
焼け出されて一緒に悪さをしていた仲間、徳松、竹次郎、は爽太の探索の手伝いをしている。

焼け出された仲間の一人でざる屋になっている弥惣吉が女房のおせんが置手紙を遺して家を出たという。
爽太たちはおせんを探して回るのだが・・・・

北原さんが描かれるお話は単に捕り物の面白さだけでなく、そこに登場する人々の心の奥底にうごめく暗く哀しい想いまで繊細に書き上げてしまう。

読んでいる私にまで、女としての性を否応無く考えさせてしまう怖さがあります。

それでも爽太が本当に心優しく・・・仲間だけでなく弥惣吉や彼を裏切ったおせんにさえ・・・救われる気がしました。

「面白かった」だけではない、なにか心に引っかかってしまう一冊です。
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口入屋用心棒 腕試しの辻

2010-03-16 21:52:27 | 時代小説
鈴木英治さんの「口入屋用心棒」シリーズの第15弾、「腕試しの辻」読了です。

今回は佐之助が行方不明になり、千勢に請われて捜し始める。

結局、直之進は千勢に「去り状」を渡すことに。

私はどうも千勢の気持ちが計り知れない。好きな人の仇をそうあっさりと好きになれるものか・・・
もっとも直之進にしてもおきくを好きになるのも??なんだけど。

そう言いながら15冊も読んでる私にも「?」を付けなくっちゃぁ。
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警視庁失踪課・高城賢吾 漂泊

2010-03-13 22:37:32 | ミステリー
堂場瞬一さんの「失踪課」シリーズ第4弾「漂泊」読了。

ビル火災のバックドラフトに巻き込まれて明神が怪我。
鎮火後の現場から身元不明の2遺体が・・・

1人は捜索願が出ていた作家ではないかと高城達は捜査を始めるが・・・意外な展開に。

今回は森田かお嬢様の活躍が見られるかと楽しみにして読み進んだのですが、残念ながら今回もハズレ。

しかし回を重ねる毎に失踪課のチームワークがバッチリになっていくのが読んでいてもわかって楽しいです。
あの高城がきつ~~い明神を大事に思い始めたのですから・・・相棒として。
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新宿鮫 Ⅸ 狼花

2010-03-11 22:50:44 | ミステリー
大沢在昌さんの「新宿鮫」シリーズの第9弾「狼花」を読了。

今回もカッコいい鮫島です。

「悪」に対しての向き合い方が違う鮫島と同期の香田の対立。
そして深見と毛利の悪のタイプの違い。そこに明子という中国人女性を配して物語を構築していく。

私の好みとして「晶」の出番が少なくて・・・良かった。
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ユートピア老人病棟

2010-03-08 22:54:16 | その他
江川晴さんの「ユートピア老人病棟」を2日前に読了。

元眼科医の湯浅マキは79歳。物忘れが激しくなってきたけど元気なおばあちゃんです。
が、同居してる息子夫婦に『ドライブ』と言って連れて行かれた先は高齢者を受け入れてる病院だった。

軽いタッチでアルツハイマーや認知症を抱えるお年寄りを題材に現在の高齢者が抱える問題を問い掛けているのですが・・・ちょっとコミカル過ぎない?って気もしますが。
ただこの病院に勤める看護婦さんがマキに何故この病院に勤務したかを告白する場面は、私の心をも突き刺すような話で、読んでいて苦しかったです。

出来たらもっと掘り下げた話が読みたかったです。
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走れ!T校バスケット部

2010-03-04 22:32:41 | その他
松崎洋さんの「走れ!T校バスケット部」を読了

中学時代の実績でバスケット強豪高校に特待生で入学した陽一は部内で陰湿ないじめに遭い、自主退学した。
都立T校に編入した陽一はやらないと決めていたバスケットを始めることに。
それは個性的なクラスメートと出会い、友情を育てられそうだと感じたから(多分)

一度も試合に勝った事の無い弱小チームだったが「和」を大切にする部員たちの心に触れ「先輩に一度でも勝利を味あわせたい」との思いでチームを強くすることに腐心する。

メンバーは
陽一・・・・バスケセンス抜群の頼れるキャプテン
チビ・・・・身長153センチ。寿司屋の息子で別名は「文句マン」
メガネ・・・走り出したら誰も追いつけない俊足の持ち主
俊介・・・・交通事故に遭ったことで、名スリーポイントシューターに変身
のぞき魔・・ボールより女の子を追いかけるセンタープレーヤー
コロ・・・・弱小バスケ部に自ら入部した小太りの1年生
健太・・・・身長2メートル、体重100キロ超の大食漢

このメンバー、皆ユニークで読んでいても楽しいです。

そして、スポーツって「勝つことが全て」というのではなく特に学校の部活って「協調」「友情」「チームワーク」「思いやり」などなどを学んだり競ったりする場所なんだと思いました。

メンバー外で最高なのは「小山先生」です!
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冬こそ獣は走る

2010-03-04 22:30:07 | ミステリー
北方謙三さんの「冬こそ獣は走る」読了

登山で瀕死の友人を背負い下山の途中で自分の肩の上で死なせて仕舞った過去を持つ村田は、自分の中の何かを失くし「いつ死んでもいい」という思いで日々投げやりに暮らしていた。

そんな村田が勤め先の社長の目に留まり・・・社長の持ち物のビル建設を任される事に。

建設を阻もうと次々に起こるトラブル。下請けの山下組、八木組と一つになって対決していく。

所謂、カッコいい命知らずの男のハードボイルドの話です。山下組の石川っていうおじ様が粋でカッコいいのよね。
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