極東アジアの真実 Truth in Far East Asia

I am grateful that I can freely write my daily thoughts

驚異の自然の摂理・植物達の免疫

2022-02-06 14:32:07 | 日記

以下文は、Yamada K, Saijo Y, Nakagami H, Takano Y. Regulation of sugar transporter activity for antibacterial defense in Arabidopsis. Science 354(6318): 1427-1430. (2016)

Yamada K, Kanai M, Osakabe Y, Ohiraki H, Shinozaki K, Yamaguchi-Shinozaki K. Monosaccharide absorption activity of Arabidopsis roots depends on expression profiles of transporter genes under high salinity conditions. J. Biol. Chem. 286(50):43577-43586. (2011)を参考にしています。一部コピー等の内容があります。

 

昨今、何かと話題となる免疫・・・この免疫は人間、動物達ばかりでなく植物達にもあり驚きであり、驚異・感動であり、正に創造主に感服(深く感心して尊敬や尊重の気持ちを抱くこと等)です!

植物は抗体を作ることはできないようですが、どのような免疫システムを持っているかと言うと、細胞表面に病原菌(病気の原因となる細菌)を感知するセンサーがあると言われ、このセンサーが病原菌を認識すると免疫応答がでるようです。この免疫システムは哺乳類、他の生物にも幅広く保存され自然免疫と呼ばれているものです。

病原菌は宿主に感染して増殖すると言われています。細菌、カビは細胞膜や細胞壁を有しています。

病原菌は宿主から糖を摂取します。植物は光合成により空気中の二酸化炭素から糖を合成することが可能です。炭素は生命活動を営むうえで重要な元素ですが、植物以外の生き物は他の生き物を食べることでしか炭素を得ることは出来ません。

植物に感染する病原菌も、炭素を得るために植物から糖を摂取していますが、摂取方法は巧妙に行われているようです。

一例として、病原細菌のイネ白葉枯病菌はイネの細胞を操作、細胞内に蓄えられている糖を強制的に細胞外へ排出させることで糖を摂取していると言う研究結果があります。

病原菌が植物から糖を盗んでいる?

植物はその盗みを見ているだけ?

植物も何かしら対抗策を持っているか?

病原細菌の多くは葉の表面に空気の出し入れを行うために空いている穴である気孔から葉の内部に侵入、植物細胞の隙間で増殖しています。

植物は糖を細胞内へ回収し、病原菌に糖を見つかりにくくしているようです。

植物病原細菌の多くは気孔から葉に侵入して植物細胞の隙間で増殖します。細胞は膜に囲まれており、そのままでは糖は細胞内には入りません。糖を細胞内へ運ぶには、膜に埋め込まれている糖輸送体と呼ばれるタンパク質が働く必要があります。

植物細胞の糖の取り込みには、STP1とSTP13という2つの糖輸送体が主に関与しているようです。

先ず、はじめにSTP1とSTP13の遺伝子を破壊した植物に細菌を感染させて観察すると、STP1とSTP13のない植物では、ある植物に比べて細菌の感染がより広がることがわかります。STP1とSTP13遺伝子を破壊した植物では病原細菌の感染が促進しています。

このことは、細胞外部の糖を取り込む糖輸送体の働きが、病原細菌の増殖を抑えることに大事であることを示しています。

 

植物の免疫応答と糖輸送体の関係性について・・・

植物の免疫応答を活性化させ、糖の取り込み活性の測定を行った結果、免疫応答が活性化すると、糖の取り込み活性が増加することがわかりました。

植物は病原菌が来た際に、細胞外部の糖を積極的に回収していることを意味します。

その糖の取り込み活性の増加は、糖輸送体STP13の働きによるものです。

STP13は植物細胞表面に設置されている病原菌センサーと結合、リン酸化という修飾を受けることを見出しています。そのリン酸化によって、STP13の糖の取り込み活性が増加するという結果になります。

病原菌が侵入してきた際にはセンサーが活性化、リン酸化によりSTP13の糖の取り込み活性を増加させることで細胞外の糖を回収して細胞の中へ隠していることがわかります。

病原菌が侵入してきた際には病原菌認識センサーが活性化、リン酸化により糖輸送体STP13の糖の取り込み活性を増加させることで細胞外の糖を回収して細胞の中へ隠しています。

糖は病原菌の栄養となるため、糖がない状況では、病原菌は増殖しにくくなります。しかし糖の役割は栄養としてのみではなく、細胞のスイッチとしての働きもあることが知られています。

病原菌は、宿主の免疫応答を抑える病原性因子を分泌しています。病原性因子は通常は分泌せず、宿主に感染した際にのみ分泌します。

植物に感染する細菌の場合は、糖がスイッチとなり病原性因子を分泌するということが知られています。

植物細胞が細胞外の糖を回収することは、細菌の病原性因子の分泌の抑制に繋がっているのではないかと考えられます。糖輸送体STP13がリン酸化されて糖の取り込み活性が上昇することで細菌の病原性因子の分泌が抑えられるということがわかります。

植物は細胞外の糖を隠して病原菌が糖を摂取しにくい状況を作ることで、病原菌に栄養を与えないようにして、さらには病原性因子の分泌を抑えることで、病原菌の感染力を弱めているということがわかります。植物が病原菌に糖を渡さないようにしていることがわかりましたが、共生菌には植物は糖を渡していることが知られています。

植物はどのように病原菌と共生菌を区別して、糖を渡したり渡さなかったりの制御をしているのでしょうか?今後の研究で明らかにされていくでしょう。

自然の中で生きている植物、人間をはじめ多くの生物達も自然の平衡状態(この平衡状態は進化論を否定するとも言われ、如何に進化論が可笑しいかが分ります。)を保つために病原菌、ウイルスと戦い、共生していると言われています。

昨今、私達は自然の摂理(人に代わって事を治め処理すること等)に反する行為を行っていないか・・・動植物達ばかりでなく、人間も自然に生き、生かされていると思います。人間をはじめ、動植物の免疫システムは自然の驚異であり、これらに何ら手を加える必要は無く、昨今のウイルスも同様だと思います。この驚異の免疫システムを作り上げた創造主に感謝しか無いと想う昨今です。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« オミクロン・・・気になる動画 | トップ | 気になる昨今・私達は羊か・... »
最新の画像もっと見る

日記」カテゴリの最新記事