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クルスクと「孫氏の兵法」、常にロシアはウクライナ(NATO)のロシア侵攻を細かく監視していた。

2024-08-17 07:44:24 | ウクライナ

クルスクと「孫氏の兵法」・・・

 常にロシアはウクライナ(NATO)のロシア侵攻を細かく監視していた。残されたウクライナ軍(NATO)が全てロシア領に侵入したほうが好都合、制空権、補給等々も厳しく、一網打尽にウクライナ軍を壊滅可能、対応はのらりくらりの戦術→本命の戦略に重きを置いているように見えます。ロシアは孫氏の兵法通りに対応しているように思います。

 

ウクライナがロシアへの核挑発を準備!

 

 

 

(883) ニキータ伝〜ロシアの手ほどき - YouTubeさんの動画紹介

 

(883) SaneVox Japanese - YouTubeさんの動画紹介

世界の見方は、爆破は米国政権であり、ウクライナ崩壊のための米国のウクライナへの責任転換策

 

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田中宇の国際ニュース解説 (tanakanews.com)さんの記事紹介

ウクライナ戦争で米・非米分裂を長引かせる

2024年8月14日   田中 宇


8月6日、ウクライナ軍がロシアのクルスク州に越境侵攻した。ウクライナ軍は8月13日の時点で、40キロの幅で国境を侵犯し、国境から12キロの地点までの地域を、6千-1万人規模の兵力で占領している。この侵攻で、ロシアの18万人が避難民になっている。
クルスク県は、ウクライナ戦争の主な戦場となっているドンバス地方から100キロほど北に離れている。国境は警備隊が守っていたが人数は少なく、侵攻してきたウクライナ軍に投降せざるを得なかった。露側は、不意を突かれて侵略されたことになっている。
Kursk attack: This is why Zelensky felt emboldened

だが、考えてみるとこれはおかしい。ロシアは、上空からウクライナ側を常に細かく監視しており、国境に近づくウクライナ軍を越境前に捉え、ミサイルなどで破壊できたはずだ。露軍の初動が遅れたとしても、越境直後に退治できた。
露軍は反攻に入っている。だが、すでに侵攻から7日目だ。現場の詳細がわからないので断定できないが、露側は侵攻されてから数日間、ウクライナ軍を壊滅させず、意図的にある程度野放しにしていた疑いがある。
Ukraine's cross-border attack into Russia enters fifth day

「露側がそんな自滅的なことをするはずがない」と反論されそうだが、大きな戦略として、これは自滅でなく逆にロシアの長期的な発展になる策略だ。
これまで何度も書いているが、ウクライナ戦争が続く限り、欧米日(米国側)はロシアを強く経済制裁し、対露制裁に参加しないBRICSや途上諸国(非米側)は、米国側から断絶したかたちで世界的に結束を強める。
非米側は、ドルや米金融システムや米欧日の消費に依存しない、非米側独自の世界体制を構築しており、ウクライナ戦争が長引くほど、非米側はしっかりした世界体制を作る。
最近、非米側の世界システム構築についての情報が出てこないが、これは非米側が構築の動きを非公開にする傾向を強めたからだ。人々が知らない間に、世界は多極型に転換していく。
多極化を急ぐ
新しい世界体制の立ち上がり

米国側は無根拠な地球温暖化人為説に基づく不合理な石油ガス利権の放棄も続けているので、世界のエネルギー利権は非米側に移っている。非米側は中露に誘導され、資源類の全般について、これまで欧米が持っていた資源利権を自分たちのものにしている。
欧米日は、すでに経済発展の頂点を過ぎ、衰退に入っている。米国中心の金融バブルがあるので発展しているように見えるが、いずれ巨大なバブル崩壊が起きる。米国側は、すごくショボい存在になる。
ウクライナ戦争(もしくは他の対立要素)による米・非米分裂が続いている間に米国側がバブル崩壊すると、世界の中心は決定的に非米側に移る。百年続いた米英覇権が終わり、世界は多極型になる。「多極型は不安定だ」という米国側のプロパガンダ・妄想と裏腹に、多極型世界は意外な安定を実現する。
米覇権ゾンビの裏で非米側が新世界を構築

冷戦開始から現在まで70年以上、米国側から敵視・愚弄されてきたロシアは、米覇権の終焉と多極型世界の出現によって大きな利得を得る。ウクライナ開戦後、露経済は米国側から徹底的に制裁されているのに好調が続いている。
欧米は、途上諸国(今の非米側)の資源類を安く買い叩いてピンハネすることを、ずっと前から続けてきた。欧米の没落は、ロシアだけでなく非米側の全体を発展させる。
中露と米国の対立を長期化する

このような構図なので、プーチンのロシアは開戦直後から、ウクライナ戦争を少ない被害でできるだけ長引かせる策略をこっそり採ってきた。ウクライナ当局と米国側のマスコミが「露軍の大敗・戦略ミス・虐殺行為」などのウソ(戦争プロパガンダ)を喧伝しても、露政府はほとんど反論せず、米国側の人々のロシア敵視を放置した。
実際は、ロシアが快勝を避けつつ、じわじわと勝っている。ロシアの犠牲が少ない半面、ウクライナは犠牲が多く、徴兵忌避者を捕まえて無理矢理前線に送り込む人権侵害をやっても無意味な戦死が増えるばかりで兵力不足が悪化した。
Ukraine Losing Battle to Recruit New ‘Cannon Fodder' For NATO Proxy War

欧米が送り込んだ兵器も、前線に送り出す前に貯蔵場所の情報が露軍に漏れて空爆されて破壊された(米諜報界の隠れ多極派が情報漏洩構造を作ったと疑われる)。西欧はウクライナに兵器を送りすぎて自国防衛用が足りなくなった。
ウクライナはロシアに完敗しているが、ロシアは戦線をドンバスなどに限定して拡大しないことでウクライナの3分割を先送りして国体を維持させ、欧米がロシアを敵視して米側衰退につながる米vs非米の世界対立を持続するように仕向けている。
Russian human rights official urges UN to condemn Kiev’s ‘barbaric’ incursion
まだまだ続くウクライナ戦争

ウクライナのゼレンスキーは以前、ロシアを打ち負かすまで戦うと言っていた。だが昨年以降、もうロシアに勝てない敗北状態になったので、ウクライナの国体護持や自分の政治生命維持のために、ロシアと交渉して停戦和解したいと今春から考えている。5月に彼の大統領任期も切れた。
7月初めには、ゼレンスキーに頼まれたとおぼしきハンガリーのオルバン首相が、露中米を回ってウクライナ和平について提案した。ゼレンスキーの交渉への転向は、米上層部やプーチンにとって迷惑だ。
Zelensky clinging on to ‘peace formula’
対露和解を望み始めたゼレンスキー

習近平はウクライナ和平をやりたい姿勢を採っている。プーチンも表向きは和平をやりたい(ウクライナが攻撃してくるからやれない)という姿勢だ。裏側の本音として、中露首脳間の関係がどうなのか、不透明だ。
習近平がウクライナの停戦を仲裁しそう

米欧の政府やエスタブたちは、いまだにロシアを負かすまでウクライナに戦争させると言っている。この戦略の元締めは米上層部の諜報界で、そこは非米側を経済発展させたい資本家の代理である隠れ多極派に牛耳られている。
米上層部とプーチンのロシアは、ウクライナ戦争構造と米・非米分裂の長期化を画策する点で、隠れた「同志」である。
Ukraine Forces Reach 10km Into Russia's Kursk Region As Raid Enters 3rd Day

そもそもウクライナ開戦時も、ゼレンスキーにウクライナ国内の露系住民への弾圧を強めさせ、ロシアが邦人保護のためウクライナに侵攻せざるを得なくしたのは米上層部だ。
ロシアがウクライナに侵攻したら、欧米が徹底的な対露制裁をやって世界的な米・非米分裂を引き起こし、ロシアを含む非米側を有利にしていくことを予測しつつ、米上層部はウクライナ戦争を誘発した。
プーチンもそれを知っていたから、誘発に乗って開戦し、濡れ衣の極悪レッテルを貼られるままにした。こんな裏の構図があるとも知らず、欧州や日本のエスタブや市民たちは、プロパガンダを軽信してロシアを敵視し、ウクライナを応援する自滅の道を突き進んできた。
プーチンの偽悪戦略に乗せられた人類

今回のウクライナ軍のクルスク侵攻も、この構図の中で起きている。対露和平交渉を始めたいゼレンスキーは、クルスク侵攻を企画していない。侵攻を企画したのは、ウクライナ軍の作戦立案を握る米上層部で、ゼレンスキーは知らされなかったか、拒否できなかったのでないか。
ゼレンスキー政権は事後的に「ロシア領内を占領し、それを返還する見返りにロシアを譲歩させる交渉術に使う」などと釈明しているが、釈明には無理がある。
侵攻は、プーチンが交渉を否定して戦争構造を続ける口実を与えてしまった。プーチンは「一般市民を殺すウクライナと和平交渉などできない」と表明している。ゼレンスキーの和平策は行き詰まっている。
Putin Says There Will Be No Peace Talks With Ukraine As 180,000 Citizens Evacuated Amid Invasion

プーチンは、ウクライナ軍の侵攻を察知しながら放置し、入ってきたウクライナ軍ができるだけ市民を殺さないよう前進を阻みつつ占領を許し、数日経ってから反撃を強める策をとったように見える。
この間、露軍は捕まえたウクライナ兵に「市民を狙い撃ちしろと上官から言われている」と自白させて人道犯罪を立証できるようにした。ウクライナ軍は化学兵器も使ったと指摘されている。ウクライナ軍は8月11日、対露国境近くにある露軍占拠中のザポロジェ原発の冷却塔を無人機で攻撃することもやっており、国連が調査に乗り出した。
Ukrainians ordered to shoot civilians during Kursk attack - soldier
UN seeking access to Russia’s Kursk Region

侵攻したウクライナ軍の戦車は米欧製だし、米議会やEU上層部はウクライナのクルスク侵攻を全面支持している。米欧NATOは、ウクライナ軍にロシア本土を侵攻させた時点で、露軍が報復として欧米諸国の首都に弾道ミサイルを撃ち込む正当性を与えてしまった。ロシアの目的は欧米との対立の長期化なので、実際の撃ち込みはしないだろうが。
EU backs Ukraine’s invasion of Russia - Borell
Pentagon Refuses To Rule Out Strikes On Moscow In Shocking Exchange On Ukraine's Incursion Into Kursk

米上層部は、和平したがるゼレンスキーを失脚させて、もっと言いなりになる別の指導者と交代させたがっているとも指摘され、元内相(Arsen Avakov)の名前が挙がっている。欧米では交代説が「ゼレンスキーが戦争を続けたがるので、和平をやれる指導者と交代させる」と説明されているインチキぶりだ。
失脚させるなら、もっと早く動きがあっても不思議でないので、ゼレンスキーは意外なしぶとさを持っているのかもしれない。
US sees ex-Ukrainian interior minister as replacement for Zelensky

ゼレンスキーが好戦派から和平派に転換したのは、米大統領にトランプが返り咲いたらウクライナを見捨てるからだとも考えられる。たしかにトランプ陣営は、バンス副大統領候補がゼレンスキーからかかってきた電話を拒否するなど、ウクライナ戦争を嫌う感じを醸し出している。
だが、よく見るとトランプは、ウクライナ戦争を続ける体制を共和党内に残している。
Vance refused to speak to Ukrainians - WaPo

米議会上院の共和党の最有力議員である好戦派のリンゼー・グラムは8月12日、民主党の露敵視議員(Richard Blumenthal)も連れてウクライナを訪問してゼレンスキーと会い、クルスク侵攻は素晴らしいと絶賛し、できる限りの軍事支援を約束した。グラムはゼレンスキーに「和平交渉なんかするな。永久に戦え」と加圧したわけだ。
Senator Graham Hails Ukraine's Incursion Into Russia as 'Bold', 'Beautiful'

米共和党では、ウクライナ嫌悪のトランプ陣営を無視するかたちで、好戦派の議員団が今後もウクライナ戦争の恒久化を画策し続ける。トランプは不本意な感じを醸成しつつ、議員団に引きずられるかたちでウクライナ戦争を続けるのでないか。
私は最近まで、トランプがウクライナ和平を進めると考えてきたが、その予測は揺らいでいる。
トランプと今後の世界

トランプは、米国側(同盟諸国)に対し、中国との経済断絶を強要しようとしており、世界を非米化しようとする隠れ多極派である。
だから彼は、プーチンと対話したいと表明しつつ、実際に大統領に返り咲いたら、議会に引きずられて対露制裁を続け、米・非米分裂を長引かせ、米覇権の低下と多極化の流れを継承するのでないか、そんな風にも予測される。
プーチンも、トランプは予測困難な存在であると前から指摘している。
トランプがウクライナ戦争を終わらせる?

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