極東アジアの真実 Truth in Far East Asia

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治安・民度等と自動販売機

2021-03-10 18:21:52 | 日本社会

以下文は主にバラエティに富んだ、美味しい飲み物を手軽に手にすることが出来る自動販売機設置等を自分なりに治安、民度等の象徴として捉えたものです。ウィキペディア、Record China、  一般社団法人・日本自動販売システム機械工業会(JVMA)、日本自動販売機工業会・流通業界等々の資料を参考(一部コピー等)にしています。

 

日本自動販売機工業会・流通業界等によると、2020年末基準で日本の自動販売機数は494万1400台、飲料・食品、アイスクリーム、たばこ、生活用品等の自動販売機数が364万8600台です。

2018年と少し古い資料ですが、隣国の韓国の場合、韓国・食品医薬品安全処(食薬処)が集計した韓国の自販機数は3万4556台・・・日本の約100分の1の水準です。韓国では自販機は毎年、衛生問題等々(等々とは?)を引き起こす悩みの種の一つになっており、この台数の差にはそうした背景も影響しているようです。2015年に食薬処が集計した食品販売店の自販機監視違反件数は413件、衛生に関する施設基準を満たしていないケースが287件です。2018年にソウル市が自販機2000台を調査、このうち約15%(364台)が衛生不良として摘発されています。設置台数が少ない大きな理由の一つとして、Record Chinaの記事では韓国の一市民の方が民度等も要因の一つとも述べ、自動販売機の韓国内での増加は厳しいようです。

 

日本の飲料自動販売機

日本の全国津々浦々、自動販売機を見かけない場所は無いようで、人家から数百メートル離れている山里の場所でも金銭強奪、自販機破壊が無く、常に完璧に機能、何時でもバラエティに富んだ種類の飲み物等を購入出来ます。私達から見たら普通の光景かも知れませんが、世界から見たら凄いことで、間違いなく日本が世界に誇れるものの一つだと思います。

飲料自動販売機の場合、米国(290万台)は自動販売機の数は日本(240万台)より多いですが、日本の自動販売機は常に完璧な状態です。これほど完璧な状態で飲料自動販売機が普及しているのは世界広しと言えど、日本位のようで、特に治安の良さ、民度等を象徴していると思います。

米国の場合は日本と違い、特に治安等々の問題が大きく、設置場所によっては金銭強奪、自販機破壊を防ぐため、頑丈な格子内、大きな頑丈な鎖で縛られており強奪(金、物)、破壊、トラック等で持ち去られないようにしています。日本人が見たらびっくりすると思いますし、如何に日本が治安、秩序等が良いかを再認識すると思います。

米国の自動販売機の特徴は日本と違って缶コーヒーはありません。主にコーラ、スポーツドリンク、A/W、ドクター・ペッパー等の清涼飲料水です。

一般社団法人、日本自動販売システム機械工業会(JVMA)が公表している2018年12月末現在データでは缶、ペットボトルの清涼飲料水、及びパック・カップタイプ自販機の設置台数は約240万台、海外での普及台数は米国が290万台、欧州全体で約300万台、人口1人の普及率では日本は世界一の自販機大国、年間の売上高2兆円を超える大きな市場と言われています。

何故、日本で自販機が普及したか・・・最初のきっかけは1964年の東京オリンピック開催時に国鉄が券売機を導入で100円硬貨が大量流通したことです。1970年代から世界に先駆け、クール&ホット自販機が登場で空前の大ヒット、特に海外比較で治安、秩序等が良い日本では商品、金銭強奪、自販機破壊をする心配が少ないことも普及に拍車がかかり、今日まで技術の先進性でも世界トップクラスの水準を誇ると言われています。

一部のメーカーは海外に販路を求め、ダイドードリンコは2013年からロシアへの進出、現在500台以上の自販機を運用、2018年3月同社発表の決算報告では純利益25億円(前期比23%減)と苦戦しているようです。極寒地であるロシアでは自販機を路上に設置しづらく、屋内の設置がメインになるため想定通りの売り上げを見込めない、年中温める必要があるため電気代・維持費の問題があるようです。

欧米各国へ進出は、特に治安等々の問題上、困難と言われ実用性・利便性よりもコカ・コーラやペプシなどの広告塔としての役割が強いため、最低限の品数しか販売していない米国自販機市場においては数十品目を揃える日本の自販機は無用の長物のようです。ヨーロッパ市場ではそれに加え、歴史的建造物や景勝地が多く景観を損なう場所への自販機設置が認められないようで、更に缶、ペットボトルのポイ捨てに対する規制・罰則も厳しく、米国以上に設置企業・事業主を確保が難しいようです。

自販機業界・メーカーは熾烈を極める国内市場ではオペレーション・コスト削減、収益率の維持に尽力してますが、新規自販機の設置と売上高が頭打ちのようです。

一般社団法人日本自動販売機工業会の調査によると、2018年末の清涼飲料自販機の普及台数は、缶・ペットボトルなどの清涼飲料自販機が212万台、牛乳など紙パック自販機が12万6900台、コーヒー・ココアなどカップ式自販機が15万4000台で計で240万900台です。

 

売れ筋のコーヒー、スポーツ飲料、茶・・・

私達に身近だったコーヒー飲料は、1920年に神奈川県の守山乳業(株)が作ったミルクコーヒーが始まりと言われています。牛乳にコーヒーの味をつけ、菊型のびんに入れて製造販売したもので、翌年には横浜駅構内で販売が開始、これを機に各地の中小企業によるミルクコーヒーの製造販売がスタートしています。1935年頃、ボイラーの一般化で殺菌効果が上がり、製造業者が急増、レトルト瓶が開発、中小清涼飲料業者でレトルト殺菌によるびん詰コーヒー飲料の生産が増加しています。
昨今の缶入りコーヒー飲料として市場に広まったのは、1969、UCC上島珈琲(株)が発売、翌年の大阪万国博覧会で大人気を得たのがきっかけと言われています。

 

スポーツ飲料は米国フロリダ州において、アメリカンフットボール選手の飲料として開発されたのが始まりと言われています。

スポーツドリンクは、スポーツをしたときに汗として失われた水分とナトリウムイオンやカリウムイオンなどの電解質をスムーズに補給するために、こうしたミネラル類を加えた体液の浸透圧と等しい(アイソトニック)状態に調節した飲料水で、1968年、米国においてスポーツ選手を対象とした飲料水が作られ、販売を開始して普及しています。

日本では1976頃に、米国から粉末タイプのゲータレードが輸入販売、1980には液体タイプの飲料として大塚製薬(株)からポカリスエットが発売されたのが始まりのようです。

 

緑茶がドリンク飲料の形態に加工されて販売されるようになったのは1983年、(株)ポッカコーポレーション(現・ポッカサッポロフード&ビバレッジ(株))と宇治の露製茶(株)がほうじ茶を発売したことがきっかけと言われています。1985年には(株)伊藤園が缶入り緑茶を発売しています。

 

自販機を維持管理するには大変な労力を必要とするようです。

自販機のオペレーターの仕事は商品運搬用の中・大型車両を長時間運転し、釣銭と商品を補充するために担当エリア内の自販機を漏れなくチェック、併設しているゴミ箱の容器を回収、肉体的、精神的にも大変な仕事のようです。

1人のオペレーターが1日30台の自販機を回り、それぞれ100本の350mlの缶ジュースを補充、実に3000本もの商品を手作業で取り扱うことになります。総重量は1トン超、過酷な重労働ですが、搬入トラックの駐車場が遠い場合、台車に何十キロもの商品を乗せなくてはなりませんし、商業施設内に設置されている場合は、ケースを抱えて階段を駆け上がるそうです。

清涼飲料水が良く売れる夏場はとくに体力の消耗が激しく、休憩もなかなか取れず運転中パンやおにぎりでお昼を済ませるといった、タイトなスケジュールになってしまうようです。

自販機設置台数、売上高が頭打ちだと言えど無人、年中無休で商品を販売してくれる自販機は自販機業界のトップに君臨している大手飲料メーカーにとって手放すことのできない稼ぎ頭と言われています。スーパー、コンビニ等は商品陳列、商品管理が必要なうえ人件費もかさみ仕入れ時に買い叩かれ収益が目減り、自販機は売り上げの約4割が半自動的に利益となるようです。

場所確保の営業活動、工事・撤去、そしてオペレーションはすべて下請け・下部組織の自販機業者に依頼、平均月に2000~3000円の電気代はリース側の負担、売り上げに関係なく加速度的に自販機は増えていきましたが、過剰設置が発生、営業所から遠く離れた自販機へ定期的に向かう手間や、季節の変化や新商品が登場するたびにラインナップやレイアウトを変更する必要もあるため、オペレーターの業務が非効率的になっているとも言われています。

 

私達に身近な自動販売機、もう空気のような存在であってあたり前のようなものですが、自販機設置台数の差が治安等ばかりでなく、民度を表しているように思います。この自動販売機が日本から消える、減少することは日本の治安、民度等が変化したことを意味するかも知れません。

未来の日本の自動販売機への要望は、特に観光地等々では自動販売機の塗装、デザイン等を更に考慮する必要はあると思います。

ネット等の記事では、自動販売機を自国内に設置したいけど治安、民度、衛生等の問題で設置出来ない国が大多数のようです。世界に誇る、先進・日本の自動販売機が治安、民度等の象徴として、これからも消える、少なくなることが無いような社会あってほしいものです。

新型コロナ・ウイルス下の社会ですが、何気なく自動販売機を見た場合、私達は世界から見たら凄い国に住んでいることが判ると思いますし、自動販売機達は四六時中、日本を応援しているように思える昨今です。

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