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北朝鮮、韓国国境地帯でのGPS妨害・・・根底にあるものは?

2016-04-08 11:15:11 | 戦後

北朝鮮は何故、国境地帯でGPSに対する妨害を行ったか、やはり根底には核開発、保有に対する制裁に尽きると思います。

米国・ワシントンでは3月31日〜4月1日に開かれた核安全保障サミットに合わせた日米韓、米韓、中韓など一連の首脳会談で、対北朝鮮制裁決議の着実な履行などが話し合われたようです。
北朝鮮の朝鮮中央通信は3月28日、米国はサミットを対北朝鮮制裁強化のための圧力手段に悪用していると批判しています、GPSに対する妨害電波の発信、ミサイル発射訓練は国際社会の動きに対する反発を示していると思います。

北朝鮮の根底には何故、米国、中国、ロシア、英国、フランスだけは核、ミサイル等保有が認められ、以外の北朝鮮は何故核保有を認められないか・・・何処にも明確な核保有根拠が見当たらないようです。

制裁措置前提は、核拡散防止条約(NPT)批准国であることが重要と言われていますが、核保有のリアリズムはNPT体制との兼ね合いで思慮、まあ制裁措置は国際社会のその時の大国の気分次第、見方次第と言えるかも知れません。

核武装は国際法上は、国家の自衛権として何ら否定されないようですし、世界の国家は核武装権を保有、国際司法の見解と言われています。
核拡散禁止条約(NPT)は、非核保有国が新たに核兵器を持つことを禁じていますが、それは国々の自衛権を制限してることのになります。当然北朝鮮は理解しているでしょう。

核拡散禁止条約(NPT)未批准状態の核保有国を全面的に批判することは無理があるでしょう、じゃ北朝鮮は・・・
イラン批判は政治的な問題と思われ、NPT批准国でなければ国際法を盾に批判できない面があるように思います。
NPTで核保有を認められているのは米国、ロシア、英国、仏国、中国の5か国のみ!
NTP加盟国数は190カ国、NPTには加盟しないでいて核保有しているのはインド、パキスタン、北朝鮮の3か国、核保有が疑われているのはイスラエル(保有)です。核開発が疑われているのはイラン、シリア等々です。

何故5か国だけ核保有して良いのかという疑問、テロ支援国家が核を持つのは困る、核全廃の世界的世論、微妙なバランスで成り立っているこれらの条約
包括的核実験禁止条約(CTBT)では一切の核実験を禁止、182か国が署名、北朝鮮、インド、パキスタンが署名していません。
国際原子力機関(IAEA)は原子力の平和利用を促進し、軍事転用されない努力をしています。加盟国は144か国、査察が拒否されたりして完全には機能していません。
今問題になっている国はイラン、シリア、北朝鮮、広い意味でのテロ支援国家と言われていますが・・・
イラン、シリアはNPT条約に加盟、IAEAの完全な査察を受け入れておらず核開発が疑われています。事実ならNPT条約違反となります。北朝鮮はNTP脱退、米国、韓国と休戦状態・・・
北朝鮮の核、ミサイル等保有は独立国としての国家主権のシンボルとしてるでしょう。


以下のGPSに対する北朝鮮の妨害は、北朝鮮の核開発、保有等に対する制裁に対しての反発でしょう。最下部に英文を載せています。

韓国国防省は4月1日、北朝鮮からGPSへの妨害電波が3月31日夜から継続して発信されているとして、挑発行為であり、即刻中断を求めるとの声明を出しています。

韓国国防省によると妨害電波は北朝鮮南部の黄海南道(ファンヘナムド)海州(ヘジュ)や延安(ヨンアン)などから発信されているようです。3月31日午後7時半ごろに始まり、4月1日現在も続いている。韓国側は韓国軍の軍事作戦が妨害される可能性があるほか、一般国民の交通の安全にも脅威となりかねないと反発、韓国政府は同日、国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開いて対応策を協議したようです。

米軍は民間開放GPSについては、今回の北朝鮮の韓国内GPSへの妨害電波で一部影響が出たのは想定内と言われています。GPSへの妨害は北朝鮮だけでなく、数カ国(R、C)が過去同様の妨害を軍、民用に行ってるとも言われています、勿論米軍も行っています。軍事用GPSは強力な妨害電波等除去システムが機能すると言われています。
私達が使用している米軍のGPSはそもそも軍事用であり、GPSの一部を民間用に開放、この米軍民間開放GPSシステムを使用する世界の国々は、結果的に米国の支配を受けているような感じになります。

米軍のGPSは、米国国防総省が運営するアメリカ軍の衛星航法システムで、他にロシアのGLONASS(旧ソ連が開発したGPSで現在は主にロシア宇宙軍が使用していますが民生にも開放しています、世界中で使用可能です。)、EUのGalileo(非軍事用、軍事用のように停止、精度操作を避けるためのGPSとも言われています。)、中国の北斗(現在はアジア地域のみと言われていますが、公表では2020年位に世界中で使用出来るようです。)、インドは地域航法衛星システム(IRNSS)を運用しています、インド宇宙研究機関が開発した自動の衛星測位システムで7機で構成、国民が利用可能なスタンダード・ポジショニング・サービスと軍事用の暗号化された制限サービスの2つのサービスを提供しています。

やはり世界のGPSはEUを除き軍事用です。私達が利用しているカーナビ等GPS・・・当然有事、緊急時は米軍はGPSを停止するでしょうし、精度の変更も自由自在です。(過去自衛隊のペルシャ湾機雷掃海任務時、掃海艇の位置の精度を上げるため、米軍に短時間だけ精度を上げてもらっています。)結果は世界は大混乱になるでしょう。
日本もGPS、天頂衛星システム(QZSS)、主に日本地域向けに利用可能とする地域航法衛星システムを整備しています。


38度線付近における、北朝鮮のGPSに対する電波妨害
韓国政府・2016年4月1日

韓国政府は、北朝鮮が38度線付近でGPSに対する妨害電波を発していると発表、これらのGPSに対する妨害により、110機の航空機、船、携帯電話に影響を与えたと発表しています。
韓国統一省のジェオン氏はAFPに対し、これらの行為は北朝鮮の核実験後増えており、北朝鮮の4回目の核実験以来、南北の緊張が高まっていました。GPSに対する電波妨害は、1ヵ月前南北境界に沿った場所から始まりました。北朝鮮は最も強いGPS妨害を木曜日に行っています。
AFPによれば、韓国沿岸警備隊員はGPSナビゲーション異状により約70隻の漁船が港に戻ることを強いられたと伝えています。 伝えられた内容には航空機の飛行に関してはありませんでした。

韓国の通信社によれば、2010年以降北朝鮮が少なくとも、それぞれ3回運用していたようで、それら器材はロシアから輸入されたもののようです。
これらの報道に対し北朝鮮は、これらの報道等々内容を全くの作り事と一蹴しています。

スティーヴン・エヴァンズ(評論家)による記事
(BBCニュース、ソウル発の内容です。)
2カ国間の緊張が高まる前に、北朝鮮は韓国に対しGPSの妨害を始めています。
4年前、300以上の民間航空便に対するシステムの干渉を見つけましたが、パイロットによればシステムのバックアップがありシステムの異状は回避しています。

今回は、重いGPS障害はありませんでしたが、韓国政府は58機の飛行機と52隻の船が影響を受けたと言っています。GPSが北朝鮮から妨害されるかもしれないという知識は無かったようです。韓国人の一人は、GPS妨害で彼の電話の地図が実際の位置から遠くに位置を表示していたとBBCに話しました。それが北朝鮮の妨害行動のためであるか疑問に思っていました。

1月の北朝鮮核実験と長射程ミサイルの訓練発射以来、韓国は国境等警備強化のため境界近くの米国の戦闘機のパトロール飛行を許可し、保安対策を進めてきました。
これら対応に対し北朝鮮側は米国、韓国に対し、無差別核攻撃をも辞さないと報道しています。

North Korea 'jamming GPS signals' near South border
North Korea is using radio waves to jam GPS navigation systems near the border regions, South Korean officials said.
The broadcasts have reportedly affected 110 planes and ships, and can cause mobile phones to malfunction.
The South's unification ministry spokesman Jeong Joon-hee was quoted by AFP news agency as saying it was an "act of provocation".
Tensions have been high between the two Koreas since the North's fourth nuclear test in January.
The broadcasts appeared to have started a month ago from various locations along the border, but on Thursday the North discharged its largest amount of GPS-jamming signals, according to Yonhap, citing a senior government official.
The South Korean coastguard reported about 70 fishing vessels had been forced to return to port after GPS navigation issues, AFP said. There has been no reported disruption to flights.
The South Korean news agency said that since 2010 the North has been accused of jamming signals at least three other times. It is believed to be using equipment imported from Russia.
Pyongyang has called the allegations "sheer fabrication".

Analysis: Stephen Evans, BBC News, Seoul
North Korea has jammed global positioning systems in South Korea before when tension between the two countries was high.
Four years ago, pilots on more than 300 commercial flights detected interference with their systems. Planes have back-ups, though, so no disaster happened.
This time, the South Korean government says 58 planes and 52 ships have been affected, again without serious damage so far.
But just the knowledge that GPS may be being interfered with from Pyongyang is still disorientating for ordinary people.
One South Korean told the BBC that the map on his phone suddenly put him far away from his actual position and he wondered if that was because of North Korea's actions.
Since the North's nuclear test in January and subsequent launch of a long-range rocket, the South has stepped up security measures including border patrols and allowing the US to fly fighter jets near the border.
The North in return has threatened "indiscriminate" nuclear strikes on the US and the South.


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