「パンデミックを怖れる」

2013-04-03 21:23:40 | 「パラダイムシフト」



     「パンデミックを怖れる」


 中国鳥インフル、強毒型に変異か 人から人に感染の恐れも
               - 共同通信(2013年4月3日06時38分)

【上海共同】中国国内で人への感染が確認された鳥インフルエンザ
ウイルス(H7N9型)について、遺伝子解析などの結果、本来の
弱毒性ではなく発症すると重い症状が出やすい強毒性で、人から人
への感染の恐れがあるタイプに変異している可能性が高いと専門家
が分析していることが3日、分かった。関係筋が明らかにした。


        *       *      *


 もうずいぶん前のことになってしまったが、H5N1型の鳥イン

フルエンザが世界中で猛威を振るっている頃に焼き鳥屋で働いてい

た。その頃、云われていたことは、鳥インフルエンザは人には感染

しないから熱を通せば食べても安全だということだった。とは言っ

ても、国内の養鶏場ではウィルスに感染した鶏が見つかれば全羽殺

処分を強いられるために、事実を隠蔽した経営者が感染が疑われる

鶏肉や鶏卵を流通に流して、それがマスコミを通して社会に知られ

ることになって、責任を問われた経営者は自殺するまでに至ったこ

とを覚えておられるだろうか。養鶏業者にとって全羽殺処分は死活

問題なので経営者が事実の隠蔽を図ろうとする気持ちが分らないわ

けではないが、パンデミックを阻止するには感染源の隔離が求めら

れるため事実の公表が何よりも優先される。また、人から感染する

新型インフルエンザが世界中で流行して飛行場での機内検疫が連日

マスコミに取り上げられたことも記憶に新しい。ところで、新たに

強毒化した鳥インフルエンザ(H7N9型)が確認された中国であ

るが、過去には当局がSARS(重症急性呼吸器症候群)の情報を隠

蔽してパンデミックを引き起こした経緯があったことを思えば、上

記のニュースさえもどこまで真実を伝えているのか疑わしさが残る。

経済最優先の中国では汚染水の垂れ流しや土壌汚染、さらには微小

粒子物質「PM2.5」による大気汚染といった深刻な環境破壊に、

さらに食品への不信とウィルス感染の不安も加わって、ところが、

国民が情報を得ようとしても公開せず、それどころか隠蔽しようと

する当局の姿勢には恐怖すら感じる。いまのところ感染が確認され

た施設内の鶏の全羽殺処分を行ったという詳しいニュースなどは一

切伝わってこない。既に中国全土にまで拡がってしまっているなど

ということはないと信じたいが、もしも、当局が隠蔽体質から適切

な対策を怠たってウィルスが世界中で流行することにでもなれば、

世界中で「チャイナフリー」が起こり、間違いなく中国経済は大き

な痛手を受けるだろう。AFPが伝えるところによると、先頃、ケ

ンタッキーフライドチキン (KFC) は中国の一部の養鶏農家から

の仕入れ契約を打ち切ったとニュースされたが、それによると『中

国での汚染チキン問題は、2012年12月に上海と北部の陜西省の当局

がKFCのチキンから高レベルの抗生物質が検出されたとして調査

を進めていたことが判明し注目を浴びた。』その背景には、私の想

像ではあるが、このウィルス感染がもたらした信じがたい事実が隠

されているからかもしれない。それにしても、KFC側は『25日

夜、声明を発表し、潜在的に危険性のある養鶏場のチキンの使用を

中止し、供給業者の検査過程を改善するとともに、安全性への不安

を払しょくするために自社検査を強化すると述べた。』とあるが、

では、KFCはこれまでチキンと検査していなかったのだろうか?

問題を公にしたくない当局と安全よりも売上げを優先する業者の思

惑が一致した時、安全神話は都合よく歪められ消費者である国民が

そのツケを払わされるのは原子力村の構図と同じだ。




 かつて、鶏インフルエンザが流行していた頃、日本国内の養鶏業

者は感染を防ぐために媒介する野鳥などを鶏舎に近付けないように

防疫のための隔離と消毒を徹底したが、食品安全への配慮から鶏体

への直接的なワクチンや抗生物質などの投与は避けてきた。ただ、

世界で唯一ワクチン投与を行なってきたブラジル産のチキンだけが

感染から逃れて数を増やし、今では日本のスーパーの店頭で驚くほ

ど安い価格で並べられている。あの頃は、何があってもブラジル産

や況して中国産は絶対に口にしないぞと言い聞かせていたが、今で

はコンビニのレジ横にある産地表示義務のない、従って国産ではな

い、何故なら国産であるなら堂々とそのように表示するだろうし、そ

もそもそんな値段で売れるはずがない、安い唐揚げを何の疑いもせ

ずに口にしている始末である。つまり、安く売れるには訳があるのだ。

商売人というのは胸の痛みよりもまず懐の傷みを気にするのだ。

みなさん、どうかご安全に。

                                  (おわり)


「あほリズム」 (298)

2013-04-01 05:47:12 | アフォリズム(箴言)ではありません



            「あほリズム」


              (298)


  家畜どもの言い分けはいつもこうだ、

  「めんどくさい!」


               (299)


 ところで、私が何故ここに存在するのかといえば、一般的には、

ビッグバーンが起こって非対称性から物質が取り残されて宇宙が生

まれ、高温高圧に曝された物質は様々な反応を繰り返して膨張する

宇宙の中に星雲ができ、それらが影響し合って無数の銀河となり、

その一つである「Galaxy」に我々の地球が公転する太陽系が作

られ、更に、その地球は凡そ不毛の惑星であったが太陽エネルギー

との関係から生まれる微妙な作用によって奇跡的に生命体が萌え

出でて、しかし、それらは不安と絶望の中を気の遠くなるような進化

を繋いで、今の私が在る。とすれば、我々の存在自体が信じられな

いほど「めんどくさい」経緯によってもたらされたのではなかったか。