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The GREAT JAZZ TRIO Plays Standard

2010年05月18日 21時49分35秒 | JAZZ-Piano Trio
 1先の16日にハンク・ジョーンズが亡くなった。つい先頃も来日して元気にピアノを弾いていたらしいが、ジャズ史の生き証人みたいな彼ももう91歳だったというから、かなりの高齢だった訳だ。ハンク・ジョーンズといえば、日本ではなんといっても1977年にロン・カーターとトニー・ウィリアムスを従えて結成されたグレイト・ジャズ・トリオ(GJT)でもって一躍有名になった人である。もちろん大歌手の歌伴やチャーリー・パーカーやJATP、マイルス、ついでにエド・サリバン・ショーのハウス・ピアニストだったりしているから、それなりの知名度は当然あっと思うが、やはりこのトリオが出るまでは、同系統のトミー・フラナガンより地味な存在だったとはずだ。なんだかんだといいつつも、日本でハンク・ジョーンズといえば、やはりGJTなのである。

 このグレイト・ジャズ・トリオだが、ハンク・ジョーンズ以外のふたりは手を替え品を替えといった感じで本当にいろいろと変わった。またそれに伴って出されたアルバムもかなりの数に登るはずだが、個人的に一番好きなアルバムは、77年に出た「再訪~ライヴ・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード Vol.1&2」の2枚である。前述の通りGJTはロン・カーターとトニー・ウィリアムスを従えて結成された訳だけれど、このふたりはほどなくこのトリオからは離脱、その後任に収まったエディ・ゴメスとアル・フォスターとで、再びヴィレッジ・ヴァンガードでのライブ録音を敢行し(だから「再訪」という邦題がついた)、それで出来上がったアルバムがこれという訳だ。ちなみに私は今聴いているのは、この2枚から7曲が選ばれた編集盤であるが…(オリジナルは10年以上も前に一度CD化されたまま、廃盤が続いている)。

 さて、この「再訪」だが、Vol.1は「恋に落ちたとき」から始まる。しっとりしたバラードとして演奏されることが多い同曲を、軽快にスウィングするナンバーとしてアレンジしているのがユニークだし、ジョーンズの都会的で端正なピアノと実にマッチしていると思う。ベース・ソロの後のスウィング感一杯のソロも快調だ。「ワルツ・フォー・デイビー」では、エヴァンス的な耽美さより、都会的な洗練を感じさせる優美なアレンジでこれまたジョーンズらしい演奏になっている。耳タコな名曲「枯葉」では、玉を転がすようなフレーズで少し遊んだ後、何気なくあのテーマを出すあたりの余裕ある呼吸感が、いかにも大ベテランだ。テーマはさりげなく流し、すぐさまインプロに突入していくのが、テーマからつかず離れずのプレイには風格すら感じさせる。

 Vol.2は「バイ・バイ・ブラックバード」を先の「恋に落ちたとき」同様ミディアム・テンポの軽快にスウィングするナンバーとして演奏。そういえば、アル・フォスターの4ビート・ドラムといえば、やはりこのアルバムあたりが「走り」となるのではないだろうか。まだまだマイルスのバンドでやっていた時期ではあるが、8ビート系ドラミングとはうってかわってエレンガントなシンバルやブラッシュ・ワークは既にこの時期に出来上がっている。モンクの「ルビー・マイ・ディア」はムーディーでアレンジ、まあ、モンクにしてはちと洗練され過ぎな感もあるが…。ラストの「グッバイ」はラストに飾るに相応しいバラード・プレイでジョーンズにして、切々したピアノ・プレイでこれも聴きどころだ。

 そんな訳で、初代GJTのライブの影に隠れて、全く顧みられないアルバムであるが、もう少し評価されてもいいのではないだろうか。その後のGJTはややスタンダード路線に埋没してしまったところはあるものの、このアルバムの頃はまだまだ新鮮だったし、音楽的な充実度も高かったように思う。また、これ以降、その後ケニー・ドリューとかがこういうアルバムを沢山だし、「日本発のお洒落なピアノ・トリオ」はある種ブームになるが、これなどその先鞭をつけたアルバムという側面もあると思う。
 かくゆう私がこの種のカクテル風なジャズの楽しさを知ったのも、実はこのアルバムだった(と思う)。なので、ハンク・ジョーンズといえば、私はまずこれを思い出すのだ。ともあれ、彼の冥福を祈りたい。
コメント
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⇒ Tweets of 2010.05.17

2010年05月18日 01時43分56秒 | ★ from Twitter
00:02 from TweetDeck
♪:マーラー:交響曲第10番/メータ&LAPO メータが一番華やかだった頃の録音。かなり早いテンポで颯爽として、「こんなの当たり前のオケピースだろ」ってな風情で演奏。今なら当たり前でも、この気負いのなさは70年代はなかなかカッコ良かったハズ。 #imakiiteiru
00:02 from TweetDeck
【日本映画専門Ch】 「如何なる星の下に」 これも東宝-東京映画の作品で、出演は山本富士子、池内淳子、大空真弓が三姉妹役、他に池部良、森繁久彌、植木等等による昭和37年の作品。森繁や植木が出ているが、喜劇的なところはほとんどなく、けっこうシリアスな文芸ドラマって感じ。
00:11 from TweetDeck
【日本映画専門Ch】 「如何なる星の下に」 姉妹に両親、元夫と思いを寄せる男と、主役に降りかかる「運の悪さ」はかなり悲惨、トドメを刺すようなラストも救いがない感じ。まぁ、文芸映画らしいというべきか。昔はこうして「考えさせる」というのも映画の重要な要素だった。
00:13 from TweetDeck
【日本映画専門Ch】 「如何なる星の下に」 舞台となるのは築地の近くの佃島というところ。有名な聖路加病院が見える位置だが、さすがに昭和37年ともなると、高度成長期に入って「川が汚い」という台詞が出てくるし、そもそもカラー映画のせいもあって、ぐっと時代が下った印象。
00:14 from TweetDeck
【日本映画専門Ch】 「如何なる星の下に」 主役の山本は凜とした演技でなんとか賞受賞物の大熱演、池内と大空はちょい役程度、植木と森繁は例の調子だが思い切り悪い男を演じている。池辺の優柔不断男と加藤の父親はある意味もっと悪いかも。最後で見せる三益の酒乱ぶりも凄い迫力だ。
00:26 from TweetDeck
ギルモアに見いだされてデビューした時は、なんてーか「これからのイギリスは彼女が背負って立つ!」みたいな、凄いオーラが漂ってましたよね。当然、私も大ファンですた。 RT @ai_tatuya: 今から思うとケイトブッシュにはカナリ入れ込みましたねえ。 @cazming
00:36 from TweetDeck
私がブロデューサーなら打ち込みとかさせずに、昔のエルトン・ジョンみたいに、ピアノ+ベース+ドラムだけで、ライブ・アルバム一枚つくらせるなぁ。本当の彼女の凄さが出ると思う。 RT @cazming: 私はドリーミングで一旦離脱 @ai_tatuya @quarante_ans
00:38 from TweetDeck
まさに「大英帝国から大輪の花が登場したぁ」って感じだったなぁ。しかもギルモアのお墨付きというブランドまでひっさげてw。 RT @cazming: 嵐が丘全英1位はかなりセンセーショナルでしたね。 RT @ai_tatuya: ケイトブッシュにはカナリ入れ込み
00:43 from TweetDeck
あのEP盤は日本では12インチででましたよね。「どうしてフルアルバムで出さなかったのか?」今となっては、彼女ために惜しむものであります。 RT @quarante_ans: ミニアルバムの on stage をずっときいて @ai_tatuya: @cazming
00:46 from TweetDeck
うほほ、いいですね。それにしても、彼女ったらありがちな「懐メロ大会ツアー」を、今でもやらないのはご立派という他はありません。 RT @quarante_ans: おお、邦題は『ケイトの魂』か。 @cazming: @ai_tatuya
00:49 from TweetDeck
彼女はEMIだから、きっと膨大なライブ・テープやお蔵入りトラックもしっかり残っていると思うんですがねぃ。おそらく発掘されないでしょうね。さてさて、そろそろ寝ます。乱入失礼しました。RT @ai_tatuya:物足りなかったですねえ  @quarante_ans @cazming
12:28 from TweetDeck
いたずらに不安を煽るな…という声も聞こえてきそうだがw、仮に文面通りだとすると、日本政府もずいぶんなめられたもんだよな…って感じがするね。【msn】日中外相会談 日米冷却化、支持率低迷…中国、圧力外交に転換 http://bit.ly/c8KP8w
17:58 from TweetDeck
私はこの党の主義主張に組みしないが、こういう局面での共産党ったら、もう腹立たしいほどに無敵ですねwww。【msn】志位委員長、小沢氏の証人喚問を要求 http://bit.ly/cJz88l
20:29 from TweetDeck
【日本映画専門Ch】 「胸より胸に」 今夜はのちほどこれを見よう。有馬稲子主演による昭和30年の松竹映画で、『明るくたくましく生きるストリッパーが真の幸せを模索するヒロイン映画』とのこと。若い頃の有馬稲子がどんなだったか、そして今から半世紀以上前の浅草がどんなだったか、興味津々。
22:12 from TweetDeck
【日本映画専門Ch】 「胸より胸に」 げっ、有馬稲子、超絶きれい。さすが「タカラヅカで一番美人」といわれただけのことはあるな。明眸皓歯って形容詞はこういう人のためにあるんだろう。清純派なんだけど、チャキチャキして、しかも利発そうという役柄にぴったり。全く時代的誤差がない美貌だ。
22:18 from TweetDeck
【日本映画専門Ch】 「胸より胸に」 それにしても、有馬稲子がストリッパーというより、山の手のお嬢様みたいなのに加えて、久我美子まで出てくると、ほとんど下町風な感じがしないのが玉に瑕だが、目下のところ、ストリッパーの見習いの主人公が大学の先生と結ばれそうになるあたり。
23:05 from TweetDeck
【日本映画専門Ch】 「胸より胸に」 おぉ、小田急の北鎌倉駅が出てきたなぁ。これまた懐かしい風景。大学の先生のブルジョア家庭、当時のボンボンたちのたわいもないお遊び、家庭でのお決まりダメ男パターンなどで、主人公に違和感が…ってな展開で、ふたりの間に暗雲が。
23:30 from TweetDeck
【日本映画専門Ch】 「胸より胸に」 幼なじみの所帯を持つが、こいつがまたダメ男で、主人公は転落パターン。それにしても、このところ観る映画は観る映画、出てくる男はダメ男だなぁ、それともこういうのを甲斐性とでもいうのかな。あぁ、これも今の感覚だろうか。
23:38 from TweetDeck
【日本映画専門Ch】 「胸より胸に」 それにしても、有馬稲子が素敵過ぎる。しかもダンスはうまい、スタイルはいいしで、清楚だし、ヴァンプはできるしで、ほとんど万能感がある。映画そのものはチンタラしてるけれど、まさに「有馬稲子を見せる映画」になっている…だからヒロイン映画なのか。
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