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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

EDGAR FROESE/Aqua

2010年09月13日 23時54分08秒 | ★ Progressive Rock

 1974年リリースのヴァージンでの第一作。フローゼがオール時代のソロを残していたのかどうか、実ははっきりしないのだが、おそらくソロ作品としてはこれが第一作となるだろう。時期的には73年の「フェードラ」と74年の「ルビコン」の間くらいに制作されたようで、実際聴こえて来る音楽も、調度両作品の狭間のようなものになっている。

 具体的にいえば、オール時代のシリアスで重厚な音響に、徐々に抒情的あるいはロマンティックな情緒が浸食し始めたタンジェリン・ドリーム本体の音楽に、ほぼ歩調を合わせた趣きといってもいいと思う。まぁ、フローゼはタンジェリン・ドリームのリーダーだったから、こうなるのも当然といえば当然だろうが、ソロ・アルバムにありがちな趣味的な部分を展開したようなところが全くないのは逆におもしろい。

 

EDGAR FROESE/Aqua

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森園勝敏/クロス・トーク

2010年09月03日 23時53分16秒 | ★ Progressive Rock
 「ジャスト・ナウ&ゼン」から6年後の作品だが(両者の間には「4:17pm」という作品もあるのだが手に入れられなかった)、時流に合わせたのか、1曲目の「スピリチュアル・レッド・ブギー」からいきなり「打ち込みファンク・リズム+シンセ・ブラス+デジリバの遠近感」つまり、スクリッティ・ポリッティ的サウンドなのは驚く。彼のソロ作といえば、第4作「スピリッツ」の冒頭に収録された「恋にお手上げ」のアレッシーも真っ青なポップさにも驚いたが、こちらも中々の日和見振りではある。
 2曲目「ノー・エグジット・ラブ」や3曲目「アイヴ・ガッド・ユア・ナンバー」では、テキサスみたいなハードなエッジのギター・ポップ的サウンドにのって、「ふたりは恋のヘアピンカーブ」とも「恋のテレフォン・ナンバー」みたいな歌詞を歌ってしまっているし(笑)、本作には、当時売れ筋だったであろう音楽記号が満遍なく散りばめられている感じである。まぁ、商売上こういう曲は、お仕事としてやらなければいけなかったのだろうが、さすがに、ちと迎合しすぎという気がしないでもない。

森園勝敏/クロス・トーク(全文)
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四人囃子/ダンス

2010年08月25日 23時56分00秒 | ★ Progressive Rock

 Neo-Nから10年後の89年に、佐久間、岡井、坂下の3人で再結成された作品。どうやらベースの佐久間が全面的に主導権を握った形で再編成のようであり、従来の感覚でいえばキーボード・トリオと形容するところだが、気張って彼がギターまで担当しているのが注目される。つまり佐久間は四人囃子の第3のギタリストになった訳だ。
 音楽的には前作「Neo-N」で展開されたテクノ/ニューウェイブ的コンセプトをそのまま10年後のトレンドで推し進めたところだろうが、前述の通り、既に佐藤ミツルもいなくなっているので、従来の四人囃子にあったオーソドックス的なロック・センス、プログレ的なドラマ性は大幅に後退している内容だ。

四人囃子/ダンス(全文)

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四人囃子/Neo-N

2010年08月19日 23時10分18秒 | ★ Progressive Rock

 キーボードの坂下秀実が脱退し、サポートとして茂木由多加が参加した1979年の第5作。内容的には前々作のプログレ・ハード、前作の「ホワイトアルバム」的なポップなヴァリエーションに変わって、大胆にニュー・ウェイブ&テクノ・ポップ的な音楽にシフトしているの。1977年の森園勝敏脱退後、3作目にして「これがあの四人囃子か」と思わせる仕上がりである。
 音楽的にはジョン・フォックス時代のウルトラヴォックス、マガジン、そしてクラフトワークあたりの影響が大なのは一聴して明確であり、そこにここ2作で明らかになってきた、ジェネシス的なシンフォニックさやブランドXのテクニカルさを散りばめたといった感じだろうか。ともあれ、1979年頃といえば、日本でもロックは大激動期だった訳で、こうした影響が四人囃子のようなバンドにまで波及しているあたりに当時の激震振りが感じられようものだ。

四人囃子/Neo-N

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森園勝敏/エスケープ

2010年08月13日 23時33分54秒 | ★ Progressive Rock

 1980年録音のソロ第3作。本作から自らをリーダーとするバンド、Bird's Eye View(BEV)を立ち上げたようで、これはその第1作ということにもなる。本作では前2作では、かなりフィーチャーされていたブラス隊がひっこみ、よりバンド・サウンドに近い音になっていて、これまでになくジャジーでアダルト・オリエンテッドな音楽になっている。とはいえ、編曲の中心となるのは、第1作「バッドアニマ」からの付き合いになる中村哲(kbd,Sax)が中核となってるため、音楽的ムードはある程度一貫してはいる(少なくとも、次に「スピリッツ」のようなイメチォン感は薄い)。今回は収録曲をちくいちメモしてみたい。

 

 森園勝敏/エスケープ(全文)

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森園勝敏/スピリッツ

2010年08月11日 23時46分39秒 | ★ Progressive Rock

 クール・アレイから一作飛び越えて、81年のソロ第4作。自らのバンドBEVを率いてのアルバムで1,2作目で展開していたレイドバックしたフュージョンではなく(三作目もその路線だった)、ウェストコーストAOR的な爽やかさ、ポップさ、そしてシャープなリズム感覚を全面出した仕上がり。ボーカルもけっこう沢山とっており、その佇まいはこれまでの作品より、あからさまに当時の「売れ筋」に焦点を定めているようにも思える。また、当時の日本製の音楽としては、精一杯がんばったウェスト・コーストっぽいAORサウンドでもあったろう。

 

 森園勝敏/スピリッツ(全文)

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吉松隆/タルカス~クラシック meets ロック

2010年08月02日 23時28分37秒 | ★ Progressive Rock

 この3月14日に東京で行われた「新音楽の未来遺産~ROCK&BUGAKU」という演奏会でのライブ・レコーディング。この演奏会はプログレとは何かと縁の深い吉松隆が、ELP初期に作られたあの組曲「タルカス」を三管のオーケストラに編曲して全曲演奏するという、アナクロだか、現代的なんだかよくわからない試みが話題になり、確かNHKFMでも放送されたりしている。 ともあれ、ダイジェストなどではなく、あの一大組曲をまるまる全曲管弦楽化しているのには驚く(演奏会が企画され、編曲を進めたもの、エマーソン自身が許可がとれたのは、演奏会直前の一週間くらい前だったというのは笑えたが…)。演奏は東京フィルハーモニー管弦楽団、指揮は藤岡幸夫、ピアノ中野翔太という布陣だ。

 吉松隆/タルカス~クラシック meets ロック(全曲)

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森園勝敏のソロ二作

2010年07月28日 23時10分27秒 | ★ Progressive Rock
・バッド・アニマ
 プリズム脱退後の1978年に制作されたソロ第一作。プリズムのようなスポーティーなフュージョンではなく、ブラス・セクションをフィーチャーし、ブルース色やファンキーっぽさを表に出したけっこう渋い仕上がりである。実はこの作品も初めて聴くのだが、一聴した印象としては、ちと趣味性に走りすぎて地味になってしまったような感もないではない。聴く前の予想としては、もう少し「レディ・バイオレッタ」のような、快適フュージョンのような曲があるのかとも思ったが。どうもコンセプト自体そういう方向は眼中になったようだ。

・クール・アレイ
 「バッド・マニア」に続くソロ第2作(78年)、前作はそれなりにヒットしたらしく、それを受けて本作では当時流行ったLA録音が敢行された。参加したメンツは知らない人ばかりだが、ジム・ケルトナーが参加しているのは豪華ではある。音楽的にはブログレ的な1曲目だけはちょっとギョっとするものの、残りの曲はほぼ前作ラインのレイドバックしつつ、ちょっとアーシーな色づけをフュージョンといったところ(前作同様アレンジが中村哲のせいもあるだろう)。もちろんブラス隊も参加している。
森園勝敏のソロ二作(全文)
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プリズム/プリズム

2010年07月23日 23時00分55秒 | ★ Progressive Rock

 四人囃子以降の森園の活動に興味が沸いたのでSACDを購入してみた。私はプリズム自体をほとんど聴き込んでいないクチで、このデビュー作も多分初めて聴いたものだが、一聴して70年代後半のRTF、そしてアル・ディメオラあたりの影響をモロに受けたテクニカル・フュージョン+英国のブランドXやアラン・ホールズワース周辺のプログレ風味といった感じの音楽になっている。デビュー作ということで配慮したのか、旧A面には割とポップでキャッチーなナンバーが4曲ほど並んでいるが、旧B面になると一気にごりごりとしたテクニカルさが全開になるという構成になっている。メンバーは和田アキラ(gt)、渡辺建(b)、伊藤幸毅(k)、久米大作(k)、鈴木リカ(ds)に森園が加わった形だ(つまり、ダブル・ギター&ダブル・キーボードだったということか、考えてみれば凄いことである)

プリズム/プリズム(全文)
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四人囃子/包(Pao)

2010年07月17日 16時05分15秒 | ★ Progressive Rock

 前作「PRINTED JELLY」と同じ佐藤、岡井、坂下、佐久間というメンツで制作された1978年の第4作。76年の「ゴールデン・ピクニックス」、77年の「PRINTED JELLY」、そして78年の本作と、毎年アルバムをリリースできたというのは、途中、支柱だった森園の脱退の憂き目に遭いながらも、四人囃子自体の活動はかなり順調だったということなのだろう。

  収録曲は全10曲。基本的には前作ラインのプログレ・ハード的なサウンドをベースに、更にポップなセンスを加味した音楽という感じか。また、いちばん長い曲でも5分半だから、時流に乗ったサウンドのコンパクト化、曲のポップ化が進行していたことは明らかだが、同時にそのスピード感、ソリッドな趣きは更に倍加し、特にドラムとベースがフュージョン的なテクニカルさ、アグレッシブさ表に出ていることも注目される。

四人囃子/包(Pao)

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四人囃子/From The Valuts 2 「`73 四人囃子」

2010年07月10日 23時56分13秒 | ★ Progressive Rock

 ディスク3は「`73 四人囃子」という78年に発表されたライブ・アルバムの全長版という体裁になっている。このアルバムはソニーから四人囃子が再デビューしたのをきっかけに、その前に所属していた東宝レコード(「一触即発」と「20歳の原点」をリリース)から、メンバーの承認も得ないで発表されたといういわく付きの作品だった。このボックス・セットが発売されるまでは、最初期の四人囃子を伝えるほとんど唯一のライブ・パフォーマンスでもあった。

  データ的なことを書いておくと、1973年8月俳優座でのハフォーマンスを収録したもので、これはほぼ「20歳の原点」と同時期、「一触即発」に先だった収録だったことになる(「一触即発」は74年の2~4月に収録)。本来FMのオンエアもしくは制作資料として収録されたものらしく、どうやらメンバーはこの演奏を自分たちのベスト・パフォーマンスだとは考えていなかったようで、それを5年も経ってから唐突にリリースされたことに不満を感じていたようだ。

 

四人囃子/From The Valuts 2(dics3)

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四人囃子/From The Valuts 2「20歳の原点」

2010年07月07日 23時55分53秒 | ★ Progressive Rock

 このところ四人囃子やフライドエッグなど70年代前半の和製ロック?が妙に懐かしくなってしまい、外でも自宅でも愛聴しているところなのだが、その勢いにのってこのボックス・セットも購入してみた。四人囃子の蔵出し音源を集めた5枚組だが、「2」とあるだけにその前があって、そちらは四人囃子の全活動期間からまんべんなく音源が集められていたようだが(私は所有していない)、この「2」は森園在籍時の音源を集めている。

 今日はその中からディスク2を聴いてみた。主に「20歳の原点」からの曲を収録している。かの作品は映画のサントラ的な位置づけで発売されたせいか、高野悦子を演じた角ゆり子のナレーションなどが入っていたが、ここではそれらの一切カットし、フェイドアウトされていた部分は復元するなど、いわばカンパケ一歩手前のヴァージョンが収録されている格好になっている。要するに四人囃子の音楽だけに焦点を当てた編集となっている訳だ。

 

四人囃子/From The Valuts 2(dics2)

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四人囃子/PRINTED JELLY

2010年07月01日 23時57分12秒 | ★ Progressive Rock

 四人囃子については、ほぼリアルタイムで「ゴールデン・ピクニックス」までは聴いたが、リーダーの森園勝敏の脱退に伴い興味半減、それ以降の彼らについては全くといっていいほど聴いていなかった。なので、実は「ゴールデン・ピクニックス」の翌年に早々と発表された本作も、今回初めて聴いたことになる。一応、クレジット関係をさらっておくと、脱退した森園に替わってギターとボーカルに佐藤ミツルが参加し、残り3人はキーボードが坂下秀実、ベースが佐久間正英、ドラムスは不動の岡井大二という布陣で1977年に制作された作品ということになる。

四人囃子/PRINTED JELLY

 

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MARILLION / Somewhere Else (2)

2010年06月24日 23時55分10秒 | ★ Progressive Rock

06 A Voice From the Past  前半のハイライトだったタイトル・トラックを受けて(この継続感はアナログのA面とB面の配列という呼吸を感じさせる)、やはり暗い抒情とある種の追憶を感じさせる情感がただよい、またそこはかとない哀感を感じさせる曲である。全体に起伏かなだらかで、音数も少ないあたり、これまた前作「Marbles」の余波のような雰囲気を感じさせるが、次第に分厚いサウンドへと発展していくあたりの段取り感は、旧来のマリリオンらしさがにじみでているともいえるだろう。ハイライトでここ一発という感じ登場するギターなどもいい感じである。

 MARILLION / Somewhere Else (2)

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MARILLION / Somewhere Else (1)

2010年06月23日 23時50分18秒 | ★ Progressive Rock

 2007年に発表されたマリリオンの第14作。前作が久々のコンセプト・アルバムで2枚組という重量級な作品であったの反動か、本作は比較的コンパクトでリラックスされた作品を中心を構成された「軽い作品」になっている(収録時間も60分もない)。また、一聴した印象では、これまでのバンド指向のようなものは一歩後退させ、おそらくスティーブ・ホーガスの音楽的な趣味で全面に押し出したような仕上がり…といえなくもない。したがって、本作では従来のプログレ的なところは影を潜め、ビートルズをメインとした60年代回帰、今時なギターロック風サウンド、これまでになく表に出た音楽となっている。それでは収録された全10曲を軽くメモしておきたい。

 MARILLION / Somewhere Else

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