テレビ修理-頑固親父の修理日記

古いテレビ、ラジオ、カーラジオ、アンプ、プレーヤ、電話機の修理のご案内です。古い物でしたら何処の国の物でも略OKです

SONY, 5-303 マイクロ・テレビ (1962/5)

2018-01-18 22:15:06 | Weblog

 

  明日は久しぶりに SONY の マイクロ・テレビ の第一世代 5-303 が届くが、ご依頼主のお話では
ホンダの小型発電機 E 40 を米国から入手したのでこの発電機で 5-303 を実際に使ってみたいとの
ことだった。  以前、初期のスバル360 に乗っている知人からマイクロ・テレビ用の小型発電機を
ホンダが作ったと云う話は聞いていたがそれが身近なものとなった。  ところで実際にはマイクロ
テレビ用の小型発電機は日の目を見なかった様だが、当初計画された14.8cc より二回り程大きい
17.2ccの E 40 は1967年4月に発売され多くは海外に販売された様だが知人の話では国内でも販売
され、日本語の取説も目にしたとのことだった。サテ、お話では全く動作しないとのことだった
がどの様な物が届くかいまから楽しみだ。 この種のテレビの修理、改造等に付きましてはこちら
の ホームページ http://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わせ下さい。

残念ながら前面に本来在る金色の SONY エンブレムが無くなっていた。

希少な Car Battery Cord, DCC-2A が非常に良い状態で付属したいた(本体よりズット希少)。

下は知人が送ってくれた SONY のマイクロ・テレビ用小型発電機のプロト・タイプの画像。

余談だがE 40の仕様を見て気になることが幾つか有った。 この発電機では6極の永久磁石が使
われており、それを4,000rpmで回しているそうだが、これらの条件からの単純計算では発生する
周波数は400Hzとなるが、仕様では190Hz、100V-40Wとなっている。 無論回転数は調整出来る
のだろうが半分程とした場合、効率は可成り落ちるのではないだろうか? 因みに米国輸出用で
は117V、13- 20W となっている様だった。

電源トランスは幸い初期の100V-117Vタップ付きの物だった。

当初全くと云って良いほど動作せず、高圧も出なかったがアレコレいじった結果水平出力が出
る様になり高圧も(ラスターも)出始めた。

画像もボンヤリだが出始めた。 ただ垂直振幅が可成り小さかった。

 

垂直回路を調整した結果垂直振幅は大きくなった。 ただ急に画像が出なくなって仕舞った。

この機種の場合 IF 増幅に使われている松下製トランジスタに問題が起こることが多いので
信号基板内のトランジスタを初段から調べて行ったが問題の場所はハッキリしなかった。

映像増幅のトランジスタの動きが可笑しかったので外し単体で確認してみたが問題は無かった。
どうも時間が掛かりそうだったので以前修理しておいた手持ちの予備基板に交換してみた。

調べを進めた結果ヤット原因が見付かった。 上の画像に見られるD14 (1S205) がショートし
ていた為、映像出力段に電圧が加わって無かった。 ダイオード交換後再度動作し始めた。

画像は可成りラフだが暫く連続運転させていたところ偏向基板の中程から煙が出始め一度電
源を切ったが場所を特定する必要があるので再度通電したが高圧が出無くなって仕舞った。
調べたところ水平の発振が完全に停止していた。 可成り難航しそうな気配が漂い始めた!

1月20日 昨日煙が出た場所を先ず探してみた。 D5 (1S125) が可也発熱した様だが短絡はして
いなかった。 そこに繋がったR810、1KΩは焼損していた。 何故これらに問題が生じたのか、原因
としてはC809 (0.05μF) の絶縁不良しか考えられなかったので念の為交換した。

次いで水平発振が停止した原因を探したところX19 (2SC140) のE-B-Cが全てオープンとなってい
た。 このトランジスタの予備は無く別の物で置き換えたが発振周波数が可也低くなってしまった。

H.Freq.(水平周波数)で調整してみたが足りず、H.SC(水平コイル)も使い好結果を得た。

若干水平振幅が不足していたので少し広げた。 (センタリングも少し調整した) 二次側の消費電
流も1A程に減少し、水平出力の発熱量も少なくなり連続運転を開始した。(既に1時間近くとなる)

実際の画像はもう少しまともで十分実用となるレベルだった。

1回目は1時間半程連続運転を続けた、その後アンテナ・ケーブル用の部品を購入しアンテナ回路
が改善され画質も向上した。

1月22日 出荷に先立ちAC117VとDC12Vでの動作を確認した。 これまでは100V或いは12Vで
テストしたが、117Vで良好に動作する様調整した後12Vで動作させると上手く機能しなかった。 
そうこうする内に映像が出なくなって仕舞い、意気消沈 して仕舞った。  後年電源回路には定電圧
回路が使われるのが当たり前となったが、今回の機種が世の中に出た頃は定電圧回路は使われ
ておらず、電源電圧の変動がもろに加わることになるので安定な動作は中々望めない。 ガッカリ
して仕舞い少し頭を冷やす時間を頂こう。 疲れた!

 

1月23日 気を取り直し突然画像が出なくなって仕舞った原因を探した。

原因は先日交換した信号基板に在った。 交換した結果画像は出たが垂直の直線性が悪かった。

垂直の直線性を調整し、水平の周波数も再調整した。

実際の信号では垂直に折り返しが診られ、また水平振幅が不足していた。 道のりは可也通そう。

1月25日 これまで取り組んでいた偏向基板では同期の安定度が低く、電源電圧の変動分の吸収
は無理でまた高圧も高く水平振幅が不足していた。 今日は考えを変え別の基板を組み込んだ。

同期は可也安定していたが唯一焦点が甘かった。 この為焦点調整用リュームを交換した。

ご依頼主からはアスペクト比16:9のご希望が有ったので(垂直同期は甘くなるが)これで進めた。

ここまでは電源電圧 DC 12-12.5Vで動作を確認したが、この後は AC 117Vに切換た。

先程来1時間程連続運転を続けているが非常に良好に機能している。

 

1月26日 昨夜電源を切り、その状態のまま今朝通電した。 同期が乱れることも無く良好に機能し
てくれた(窓際で外来光の為コントラストが低く見えるが実際は問題無し)。


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