テレビ修理-頑固親父の修理日記

古いテレビ、ラジオ、カーラジオ、アンプ、プレーヤ、電話機の修理のご案内です。古い物でしたら何処の国の物でも略OKです

EMPIRE (勝山) M-500 電池管4球ポータブルラジオ

2016-04-19 12:36:34 | Weblog

今日お預かりしたのは先日も同型機を手掛けた勝山の M-500 で6Vの電池だけで電源を賄える様
改造されたモデルとのお話だった。   当初一応動作したが高域の感度が低く、やがて全く動作し
なくなって仕舞ったとのお話だった。   この種のポータブル・ラジオの修理、改造に付きまして
はこちらの ホームページ https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わせ下さい。

伺った通り全く動作せず(低周波は機能していた) A/B両電源の電圧を診てみたが可成り低かった。

電池を単二から単一に換え若干電圧は上がった様でノイズが聴こえる様になった。

直接受信出来ないことには関係無いがフェライト・バーアンテナの固定に金属(錫メッキ)線を
使うのはロス(ワン・ターンのコイルを短絡させることになる)の原因となるので外した。

しかし相変わらず受信は出来ず細かく回路を診て行った。

結果周波数変換 1R5-SF の Sg に電圧が加わって無いことが判明した。

回路図はこの機種のものでは無く、細部に違いは有るが参考にした。

外すのに難航したが局発用のコイルを外して細かくみたところ片側のコイルが断線していた。

同じ物が在れば簡単なのだが切れていた(絹巻リッツ線?)を何とか苦心の末繋いだ。 結果動作
し出したがノイズも多く、伺った様高域での感度が低かった。バー・アンテナ部分でのトラッキ
ングは取ったが、バリコンのトリマーを回したいのだがその前に在る電池ホルダーの固定ビスが
丁寧と云えばその通りだが、ネジ・ロックでシッカリ固定されており外すのに時間を要した。
  ネジの緩みを防ぐ為にネジ・ロックを使うのは分からない訳では無いが必要以上の強度の物の
使用は避けて欲しかった。 調整後高域の感度も上がったが電源に使われているDC-DCの発振
周波数の高調波がアチコチで診られ余り芳しい物では無かった。 本来の電池を使えば可成り雑
音の少ないS/Nの良いラジオなので残念な結果だがこの方式を採る以上仕方無い。

4月20日 今回B電源用に使われていたDC-DCコンバーターの仕様を見てみた。 出力電圧は最
大35Vとなっていたが実際はもう少し高くなっている様だが今回の機種のB電圧は最小でも45Vは
欲しいので先ず電圧の点で問題が在る。 次に今回のDC-DCの方式はインダクタンスに蓄えられ
たエネルギーをスイッチングに依ってキャパシタに蓄えるものでこのスイッチングに依ってノイズが
発生するだけで無く、スイッチング周波数の高調波成分が放射されるので使用するに当っては厳
重な静電シールドが必要となる。 今回の様にプラスチック・フィルムで覆っただけではわざわざノ
イズ源をラジオ内部に仕舞う形となりやってはならないことと云える。 

コメント
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