今日お預かりしたのは久し振りの神戸工業 SS-280 で可成り問題を抱えている様だった。この種の
カーラジオの修理のご依頼はこちらの HP http://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ にお願い致します。
早速通電し動作を診てみたが低感度ながら何とか NHK 第一は受信したが他は受信出来なかった。
他に電解コンデンサの劣化と想える低周波の発振も診られた。 可成り難航しそうだった。
ご依頼主から伺ったメールアドレスに今日の結果をメールしたがエラーとなって仕舞った。
3月26日 局部発振の動作を診てみた。 上は525KHz受信時約 0.8Vp-p、下は1,639KHz受信時約
0.3Vp-p 予想通りレベルの差が可成り有った。
高周波増幅用のトランジスタを交換してみたが殆ど変化は無かったので元に戻したが高周波増幅
(出力側)に使われているトリマー(赤い印しを付けた)を回しても全く変化が無く可笑しい。
低周波部は2層構造の下に在ったがこれを表に出せば電解コンデンサの交換は出来るがリスクが伴
う為止めた。 この上の基板内の電解コンデンサを交換すれば低周波の発振は止まるのだが。
各部の再調整を行った結果感度は可成り上がり殆どの放送局は受信出来る様にはなった。 しかし
高周波増幅の出力側のトリマーで全く感度が変わらないと云うのはこの共振回路に何か問題が有る
のは間違いなくこの辺りをもう少し診てみよう。 昨日今日で3時間半程を要した。 ご依頼主には仕
方無く手紙を送ったが打ち合わせに時間が掛かって仕方ない。 ご予算が有れば IC アンプを組み込
めば低周波の問題は無くなるのだが。 それと電話はこちらが仕事場に居る10-17時にお願いしたい。
3月27日 姉妹機種の回路を頼りに高周波出力のトリマーが何故機能しないか想像した。
高周波用コイルの抵抗は約 13.4Ωで可笑しく無い値だった。
高周波用コイルのコールドエンドをグランドに落としている 0.001μFを外付けしてみた。
トリマーにパラに繋がれている 100pF を交換してみたが何れも変化無し。 何とも解せないが残念な
がらここまでとさせて頂こう。
3月28日 メールが送れ無い為仕方なく結果を郵送しているが、こちらのブログを見ておいて呉れる
様お伝えし分かったとのことだったが、こちらが仕事場を離れた後に電話を頂いている様だった。
3月29日 最後の手としてアナログ、デジタル両回路に精通したクラブメンバーの一人 M さんに相
談してみた。 結果共振周波数を診てみるのが良いのでは無いかと云うことで早速取り掛かった。
想像を遥かに超えた共振周波数は約 32.1MHzで上はトリマー最小容量、下は最大容量。
因みに選局ツマミで周波数を変えてみても共振周波数に変化は無かった。 コイルの直流抵抗は
約 13Ωだったが今日の結果からはコイルがレアショートしている様な感じだった。
M さんからレアーショートだとするとインダクタを使った非同調回路の方が良いのでは無いかとの
アドバイスを頂いたので早速試みた。同時に一か所良く分からない回路が有ったので切り離した。
330μH のマイクロ・インダクタと 1KΩをコレクタ負荷に使い0.001μF で周波数変換段に繋いだ結
果感度は可成り上がった。 低周波回路を ICアンプに代えれば実用レベルとなりそうだがご予算が?
と記したところでご依頼主から電話を頂き1通目が届いたとのことだった。 お話の結果 IC アンプ
を裏面に添えることになった。
高周波用のコイルの配線に気になる部分が在った。 上の小さな基板の左がその抵抗 680Ωでこれ
では高周波コイルが可成り Qダンプされて仕舞う。 外した結果一応共振する様になった。
使う予定の IC アンプで動作させてみた。 音量も十分だった。
4月4日 IC アンプを背面に取り付けた。
4月5日 IC アンプの組み込みを終え動作を確認し好結果を得た。 最後にカバーを被せ終わりとした。
もしかしてと金額や振込先を記したメールを送ってみたが矢張りエラーとなった(この連絡が来るの
に何故可成りの時間を要するのか?)。
4月11日 ヤット振り込みが為されたので発送した。