県内の4大学の学生と教員による「いいものねっこプロジェクト」が
掛川市横須賀地区の在来サツマイモ「ニンジンイモ」の干し芋を
オリジナルパッケージで販売するという新聞記事を読み、
どうしても「ニンジンイモ」についてお聞きしたいと思い、
販売会場であるとうもんの里に向かいました。
こちらが、学生さんたちがパッケージデザインも手掛けた
在来サツマイモの干し芋です。
学生さんたちと富田先生が会場にいらっしゃいました。
「ニンジンイモ」は掛川だけでなく、県内、いや全国各地で作られています。
品種名と言うよりは、カロテンを多く含み、肉色がにんじんのような色をした
サツマイモの総称と考えられています。
そんな数多い「ニンジンイモ」の中で、
この横須賀地区の「ニンジンイモ」を在来種とした理由を
富田先生にお尋ねしました。
その理由は、静岡在来作物研究会の定義に当てはまったからです。
1 ある地域で栽培されている作物で、世代間で継承されている。
2 栽培者自らの手でたねとり(種子の採取や栄養繁殖)が行われている。
3 特定の料理や用途に用いられている。
このニンジンイモを横須賀地区で半世紀以上に渡って作り続けているのは
94歳の鈴木絹さんだけです。
静岡在来作物研究会が定義の中で、最も重視していることは
現在も特定の料理や用途に用いられているということ。
使い続けていくことに意味があります。
いいものねっこプロジェクトの学生さんたちも、
このニンジンイモを使って色々なお料理を試されたようですが、
やはり「干し芋」が一番おいしかったとのこと。
静岡大学の富田先生によると、サツマイモはイネ科の植物とは違って、
その生態で解明されていない部分が多いのだそうです。
そして、ひとつのサツマイモの中に多くの性質を抱えているのですが、
表に現れる性質が環境によって異なってくるのだそうです。
ということは、この横須賀地区のニンジンイモも、
静岡県内のニンジンイモも、全国各地にあるニンジンイモも、ルーツは同じで、
それが栽培される地域によって少しずつ違った特徴を表しているのかもしれません。
横須賀地区のニンジンイモも、作る人がいなくなってしまっては、
在来作物ではいられなくなってしまいます。
今、この貴重なニンジンイモを栽培してくださる協力者を募集しています。
興味のある方は、下記までお問合せください。
静岡県立大学国際関係学部 松浦直穀先生
〒422-8526 静岡市駿河区谷田52-1
TEL&FAX 054-264-5381
Mail:n-matsuura@u-shizuoka-ken.ac.jp
学生の皆さま、富田先生、色々と教えていただき、ありがとうございました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます