”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

はかなくて芳醇な高尾

2015-09-02 12:35:15 | 果物

東京生まれのぶどう、高尾を送っていただきました。

  

   

高尾は、1956年に東京都農業試験場

(立川市 現農林総合研究センター)で生まれました。

しかし、現在では東北などの一部の地域を除いては、

日野市や稲城市でしか作られていないという

大変貴重な品種なのです。

  

  

巨峰を改良したものだけあって、

その性質をみごとに受け継いでいます。

  

形は、巨峰よりやや小さめの長楕円形。

 

  

味は、驚くほど甘いのです。

でも、ただ甘いだけではなく、香りが高く、

そして皮までおいしい!!

  

 

では、なぜこんなにおいしいぶどうが

もっと広い地域で作られないのかというと・・・

 ●非常に手間がかかる。

 ●病気に弱く、管理が大変

 ●栽培には高い技術が必要

という理由から、

継続して作ることができる人が限られてしまうからなのです。

  

 

しかし、生まれ故郷の東京では、

このぶどうに惚れ込んだ稲城市や日野市の生産者によって

1970年頃から栽培が始められ、

研究会も発足しました。

 

そして、試行錯誤を繰り返しながら、

現在は、直売用として栽培されています。

  

 

「高尾山」にちなんで命名されたというこのぶどう。

袋から出す時も、洗っている時も

房から粒がぽろぽろと落ちて行きます。

 

送ってくださった方も、それを気遣って、

ぶどうと大きさの変わらない発泡スチロールの箱に入れて、

脱粒を防ぐ工夫をしてくださいました。

 

  

そんなはかなげで、芳醇な高尾を

ずっと栽培し続けてほしいと願うのは、

「最後に食べるだけ」の生活者のわがままでしょうか?

 


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