哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

古今集第八百番今とて(書)

2016-09-15 06:23:32 | 
今はとて君が離ればわが宿の
花をばひとり見てや偲ばむ        詠み人知らず

 これが最後だと言って、あなたが行ってしまわれときには私は思い出多い庭の花を一人眺めて、あなたを想い出すことにしましょう。

奈良興福寺南円堂(写真)

2016-09-14 06:28:53 | 写真
西国の一つとあればいつ来ても
人の賑はふ南円堂は       樋田哲仙

 奈良市へ行くときは近鉄を利用するので、奈良駅に降り立ち南円堂は訪ねやすい。西国三十三ヶ寺の第9番とあっていつ訪ねても人でにぎわう。シンボルの五重塔と向かい合っていることも人を引き付けるゆえんである。さほど大きくはないが、北円堂の建物とは比較にならない。

滝には惹かれる(水墨画)

2016-09-13 06:36:38 | 水墨画
水量と落差のあるほど迫力の
響きに飛沫凄き直瀑        樋田哲仙

 滝は直瀑と段瀑の二つに分けられる。上から直接滝壺に落ちるのを直瀑といい、途中ででっぱりの岩に当たって落ちるのを段瀑と呼ぶ。直瀑の方が数は少ない。那智や華厳の滝は直瀑になる。段に落ちるのは迫力が損なわれてしまい魅力が半減する。落差が大きくなるほど直瀑は少なくなってしまう。雨天後の水量の多い時や落差の大きいほど迫力を増して魅力が増す。  

奈良公園にシンプルな北円堂(写真)

2016-09-11 06:46:46 | 写真
公開の期間はことににぎわへど
北円堂の今静かなり      樋田哲仙

 2,3年前のこと奈良興福寺の一画にある北円堂が一般公開されたことがある。あの時は入場するのに行列ができるほどであった。今回訪ねてみると、囲いは閉められ人影もなく静かすぎる。建物自体南円堂とは比較にならないほど質素である。

九重高原の木道(水墨画)

2016-09-10 06:37:33 | 水墨画
以前にも描きたることの記憶あり
資料の端に九重高原         樋田哲仙

 最近、焼き直しともいうべき作業に取り組んでいる。以前一度描いたことのある絵を今一度描きなおすことである。20年間の資料は捨てたことがないので膨大な量となっている。その作業の中で10年前の資料が目に留まった。片隅に九重高原と記してあり、大分の写真であろう。 

整然と並ぶ小粒な五輪塔(写真)

2016-09-08 06:50:37 | 写真
元興寺に小粒ながらも数多く
整然とする五輪の塔は       樋田哲仙

 元興寺に入山する際に、ガイドからの説明では創建当時の伽藍は現在の伽藍とは比べ物にならないほど大きかったらしい。    極楽堂と仏像展示室の間に小型の五輪塔数十基整然と並ぶ。粒ぞおいである。以前に五輪塔は僧籍にあるものの供養塔と聞いたことがあるがこれらの塔は誰の五輪塔であろうか。

敦賀。気比の松原(水墨画)

2016-09-07 06:11:40 | 水墨画
この浜を初めてみればその数に
驚くばかり気比の松原       樋田哲仙

 敦賀の気比(けひ)の松原は静岡の美保の松原、佐賀の虹ノ松原と並んで三大松原の一つである。若狭湾のおくまった白砂青松の地で、長さ5㌔、17000本が生育していて壮観である。松原として珍しいことに赤松が大半を占めていることだ。林の中には遊歩道が多数あり散策もできる。三保の松原や天橋立のように老松の銘木は見当たらない。   

元興寺本堂脇のハギ(写真)

2016-09-05 06:15:15 | 写真
秋なれば見事に咲けど元興寺を
萩の寺とは言ふ人もなし       樋田哲仙

 秋になると奈良市では萩の咲く寺が2ヶ寺ある。百毫寺と元興寺である。前者は坂の参道の両側に道を覆いかぶさるように茂っていて際立ち、萩の寺と言えば百毫寺を指す。後者にはそれがない。元興寺は南都七大寺の一つで広大な境内には萩は目立たないからだろうか。ハギで名を売ろうとは考えていないようだ。

谷川の水量が教えるもの(水墨画)

2016-09-04 06:42:34 | 水墨画
これほどの水量あれば頂は
まだ先のこと気を引き締める            樋田哲仙

 山を登る際に渓流の水量によって頂上までの距離が推測できる。多いときは麓の方で登につれて次第に細くなるものだ。そしてやがて枯れれてしまう。山の大小によっても保水力に差が生じてくるので観察しながら登るは面白い。よく登る400㍍の山では渓流とまでいかない。雨のよく降った時だけ渓流はできるがすぐに枯れる。  

興福寺三重塔(写真)

2016-09-02 06:26:46 | 写真
興福寺の三重塔の名は薄し
五重塔の影に潜みて       樋田哲仙

 幸福寺はこれまでなんども訪ねているが、この有名な寺に日常僧侶が修行する仏殿が見当たらい。僧も見かけない。本堂がないのだろうか。今回の三重塔は南円堂の西側の裏側に建つっている。国宝ながら塔高19㍍と低く存在すら気づかない。際立つ五重塔の影に押されてしまっている。