昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(196)和魂洋才

2014-02-21 10:05:24 | エッセイ
 昨日は月例のFサロンだった。
 <和魂洋才型近代化>と題してF名誉教授よりお話をいただいた。
 日本が300年以上という長きに亘って無事平穏に生活していた江戸という封建社会が、既に文明を近代化させていた西欧列強からむりやりこじ開けられながらも、他のアジア諸国に先駆けて近代化できたのは何故か?

 福澤諭吉流に分析すれば、文明の外形は<制度>や<技術>である。
 文明の精神、<文化>や<ものの考え方>はなかなか代え難いのでそのままにして、日本はいち早く文明の外形のみを取り入れた。
 <魂>については当方が上だという誇りを堅持しつつ、彼らの<才>については優位を認めて、こだわりなく取り入れたところにある。
 いわゆる<和魂洋才>の活用である。

 封建体制から近代政権へと、交代をスムースに執り行うにあたって、<魂>を残しつつ、<才>をたくみなソフトウエアで結びつけた。
 いわゆる<天皇制>、つまり<王政復古>の採用だった。
 同じ西洋化でも、トルコなどはケマルパシャという独裁者の下、<魂>も<才>も西洋流に変えてしまった国もある。
 脱イスラム化と大胆な文字革命まで断行してしまったのだ。

 (ここからは小生の感想になるので悪しからず)
 かくして、日本は<和魂洋才>により、後進国ながら大国の仲間入りを果たすことになるのだが、調子に乗りすぎて破綻を来すことになる。そして、再度象徴天皇を奉じ、<和魂洋才>により戦後の復興を果たした。
 そして今回の場合も世界が目を見張るほどの世界第二位という経済大国になった。
 しかし、やはり調子に乗りすぎたのだろうかバブルが弾けて、長期の経済低迷時代に陥る。
 
 そして威勢のいい安倍政権が誕生、<アベノミクス>という手法で再度日本が立ち上がりを計って始動しだした。
 
 しかし、<才>のみならず、首相の靖国神社参拝を契機に<魂>が表に出て来たのでは? と世界の懸念を呼んでいるようで、今いろいろと問題が噴出している。
 中韓の反発は予想できたところだが、欧米、特に同盟国のアメリカまでが「失望した」なんて言っている。
 つまり安倍政権は、戦後の戦勝国管理体制を解消しようという意図があるのでは?と懸念されているんですな。

 さて、ここからが日本の踏ん張りどころです。
 現状をみると、世界は西欧型文明では律し難い文明の岐路に立っている。宗教対立しかり、核兵器問題でも、環境問題でも、金融問題でも、先の見えない現状がある。
 これはすべて、<洋才>優先、言い換えれば<力の論理>で世界を律しようとしている西欧型文明に起因していることを人類は、今こそ自覚しなければならない!
 アメリカのオバマ大統領が<力>から<調和>の政治へと<チェンジ!>すべきと登場して期待したのだが、現状挫折している。
 この<魂>こそ、日本の<和の精神>なのだ。
 問題はこれをいかなる手段で日本が発信していくかが、今問われている。

 壊れてしまうのではと心配していた浅田真央ちゃんが最後の最後で踏ん張った。
 この頑張りが日本人にとって何よりの金メダルだ!