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みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

なぜ、山に登るのか?

2007年08月20日 | ピアノ的雑感
ランチ時に、たまにコミックを読むのだけど、8/20のビッグコミック・オリジナルの「」で、印象的な台詞があった。
「岳」は山岳救助に携わる主人公「島崎三歩」を中心とした人間ドラマ。一歩間違うと死が待っている厳しい山の世界で、ひたむきに救助にあたる主人公の姿が胸を打つ。お気に入りの漫画。

いいなと思った場面はこんなふう。台詞は定かではないのだけど…。
富士山の九合目まで登ったけれど、ばててしまった、ある登山者が弱音を吐く。
「もう登るのはあきらめようかな・・・。富士山は下から眺めるだけで、十分美しいから。」
それに対して、主人公の三歩が
「それなら、登ったほうがいい。頂上まで登った山の景色はもっと美しくなるから。」

うん。そうだよなと深く頷く。自分の経験からいって、本当にそうなのだ。
自分の足跡がついた山は、不思議と遠くからでも見分けがつくし、山を見ていると、しんどかった体験やら、山頂からの素晴らしい眺めの記憶やら、いろんな思い出がないまぜになって、なんともいえない、感動が湧き上がってくるんだなぁ。

古典的な命題「なぜ、山に登るのか?」の問いに対して、単純に「景色が美しくなるから」というのは、背伸びでもなくて、哲学的でもなくて、とても本質的で的を得た回答だ。人生、美しいものが多いほうが楽しい。

それで、このブログの読者の方には御察しのとおり、同じことがピアノにも当てはまる。自分はピアノを弾く割には、耳が悪くて、弾いたことのな曲だと、ピアニストの違いは、ほとんど分からない。でも、自分が練習した曲だと、ピアニストによる表現の違いがよくわかって、聴くのが、とても興味深くて面白い。感動も深くなる。

趣味でピアノを練習する目的の何分の一かは、違いが分かる耳が欲しくて、多くの感動が欲しいからなんだろうなと思う。


ジャンダルムのてっぺんにおじさんがいます!ここから落ちたら、命はありませんね。
先頭の写真、富士山、分かりますか?

そうだ。岳、単行本で揃えようっと。

岳 4 (4) (ビッグコミックス)
石塚 真一
小学館

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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感動を求めて・・ (daisy)
2007-08-21 15:32:43
同感です~!
新しいピアニストに出会うと胸がわくわくします。
ショパンが好きな解釈なんじゃないかとか、色々想像するのもいいし、作曲家が生きていたという証を別の角度から捉えられるのは、とても勉強になります。

家族からは”なんで同じ曲ばかり持っとるとね?”と聞かれますが、何もいわず微笑んでしまうのですよ。

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同じく (そらみみ)
2007-08-22 07:27:15
daisyさん、ありがとう。
daisyさんは、勉強熱心で素晴らしいなぁ。

自分も、取り組む曲は、いろんなピアニストの演奏を聴くようにしてるけど(大半が図書館から入手かな。いい時代!)、一つ言えるのは、皆さん、けっこう自由に弾いているんだなぁということ。

クラシックだから、こう弾かなければならない!と堅苦しく、考える必要はぜんぜんないんだなぁと。

いろんな解釈、いろんな演奏、いろんな感じ方、いろんな感動があって、人類の文化って豊かになっていくんだなぁ。

一流の音楽って、そういう多種多様さを受け入れる懐の深いところがあるんだろうな。
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