タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

みつごは品胎、ふたごは双胎

2012-03-28 20:42:35 | 産科
ふたご、って嬉しいですか?それともたいへんそうですか?

タマル産で赤ちゃんを産んで、その後不妊治療をするも2度流産され、
やっとできた子が双胎(そうたい、ふたごのこと)でした。
ほら、子宮の中に袋が2つ見えるでしょう。

ふたごというのは、100人に1組しか自然にはなりません。
ところが飲み薬の排卵誘発剤を使うと、5%くらいで双胎になります。
開業当初は双胎でもタマル産でみていたのですが、
今では未熟児センターが併設されている病院に転院していただいています。
だから今日はしばしのお別れ。少し名残惜しくお別れしました。
また双子が生まれたら、連れて来てくださいね、とお願いして。

でも双子って、たいへんなんですよ。
途中で切迫早産になることがありますから、長く入院することもあります。
写真のように二卵性の双子ならまだいいのですが、
一卵性の双子なら、双子の間で栄養を取り合ってしまう、
双胎間輸血症候群、という病気になることもあります。
血が多くなる大きい方の子が危険になる、という病気なんです。

もちろん産む時もたいへん。
施設によっては時代の流れで帝王切開にする病院もあれば、
あえて、下から産ませてもらえる病院もあります。
私の働いていた京大病院も天理よろづも産める方。
兵庫県立塚口病院は帝王切開の方でした。
さてどちらを選ばれるかな?
というか選べないのかもしれませんが。

京大病院では三つ子の経膣分娩の主治医もしました。
それはもう、妊娠中も寝たきりでそれこそたいへん。
その方は京都の大丸勤務、今でもよく覚えていますよ。20年以上も前のことです。

いいことばかりではありません。
途中で双子の1人が妊娠中に子宮の中で亡くなる、ということもありました。
この方は最後までなかなか納得していただけませんでした。
それは双子に限らず、普通の妊娠でもときどき起こることなんですけれど。

1人、めずらしいことを見ると、続けて今まであった、いろんなことが頭に浮かんできます。
こういうのを走馬灯のように、と言うのでしょうが。
でもこのへんで区切りましょう。
結局、産婦人科医はお手伝いするだけ、その中にはいろんな人間模様が隠されているのです。

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