タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

お産での安全性を追求すると

2023-12-15 18:02:37 | 産科
金曜日のシェフによるお昼ご飯は、こんな感じでした。
とってもおいしいのですが、味が伝わらないのが残念ですよ。
とくにデザートの黒豆ゼリーは、胡麻豆腐のような感じなのに甘味なのでした。
・つくねハンバーグ
・しらすと白菜のペペロンチーノ風
・蕪と海老の胡麻酢ゼリー
・みぞれ汁
・黒豆ゼリー

12月は毎年、冬季の院内勉強会を実施しています。
お母さんの安全講習と、新生児の安全講習を別々に行いました。
それと消防訓練です。

それで今年の1年を振り返って、タマル産の状況を調査してみたのですが、
今年は私が救急車に乗って、患者さんを搬送したのは、4回だけでしたよ。
うち2回はお母さんがらみで、2回は新生児の搬送です。
おもしろいことに、昨年も同様に4回だったのです。
1年に160〜170人程度のお産が有りますから、おおよそ100回の分娩に対して、
お母さんを1回、赤ちゃんを1回、搬送していることになります。
大きな病院で診てもらわないといけないのは、わずか1%だと言えるわけです。
言い換えれば、99%のお産は、クリニックでも問題なく診れるということですね。

ついでに言うと、この1年間の帝王切開なのですが、わずか1人だけでした。
それも感染症のために済生会病院に搬送して帝王切開をしてもらったので、院内での帝王切開はゼロだったのです。
昨年も1人だけでした。
おそらく世界一、帝王切開が少ない分娩施設になるのではないでしょうか。
こんな田舎に世界一の施設が有るなんてね。
この症例が先ほどの2人のうちの1人の搬送したお母さんになります。
普通はこれだけお産が有ると、他院なら50人は帝王切開になっていたことでしょう。
帝王切開の報告は、まだ年末が到来していないので、年明けにまたきちんと報告することにしますよ。

お産で生命を落とす確率は、日本では2万5千人に1人くらいと少なくなりました。
なにしろ日本は世界一ですからね。
タマル産では100年ちょっとで1人という確率でしょうか。
確かに私も産婦人科医になって36年、1人のお母さんを自殺で亡くしています。
これ以上亡くすわけにはいきませんよ。

お産で亡くなるのは、分娩中の出血が一番多かったのですが、
ここ3年間ほどは自殺がトップに立ちました。新型コロナも影響しているのでしょう。
その次が脳卒中です。高齢出産が増えましたからね。
お産は3人目、4人目ともなると安産だと思われるでしょうけれど、実は死亡率が上がるのですよ。

もう1つ興味深いのは、亡くなる状況ですが、帝王切開中が4%、中絶手術が1%も有ることです。
だから帝王切開は必ずしも安全とはいえないのですね。
またタマル産では中絶はしませんが、流産も基本的に薬での対応にしています。
その方が安全性が高いからです。

お産は安全だからと大病院で産まれる傾向に変わってきていますが、
実際はタマル産のようなクリニックでも、高い安全性を保っているということですよ。
やはり帝王切開はリスクが高いのです。
3人に1人も帝王切開をするような施設が、本当に安全な出産場所だと言えるのでしょうか?








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