旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

ドタバタ喜劇を貫く真実の愛 … オペラは理解されるか?

2013-07-10 20:18:41 | 文化(音楽、絵画、映画)

 

 オペラには『リゴレット』や『マクベス』などのように、耐えられないような悲劇もあるが、大方は色恋沙汰をテーマにしたドタバタ喜劇が多い。しかしその中で、たえず追求されているのは真実の愛だ。

 『愛の妙薬』では、惚れ薬と称するニセモノのワインを売りつけるドタバタ騒ぎの中で、その薬を手に入れるために軍隊にまで身売りするネモリーノの純朴さに心打たれて、アディーナはついにその愛を受け入れる。
 『秘密の結婚』では、結婚相手を探しに来た伯爵ロビンソンは容姿に惹かれてカロリーナに手をだすが、最後はつつましく清純なエリゼッタとの愛を成就させる。
 今回の『セヴィリアの理髪師』では、ロジーナの愛を求めるアルマヴィーヴァ伯爵は、自分が伯爵であることを隠し、貧しい学生に身をやつし彼女の前に現れる。「伯爵としてではなく、一人の人間として愛してくれたロジーナの愛」に真実を見出し彼女と結ばれる。
 欲得がらみのいろんなチョッカイが交錯するが真実の愛を妨げることはできない。「お金や身分でなく、一介の人間として愛してくれたことがうれしい」とフィナーレで歌い上げる。
 この愛の尊さを、初めてオペラを見る人や特に子供たちが、どこまで理解してくれるだろうか? それこそ演出と演技者たちの腕の見せどころというのだろう。


日本語セリフでつなぐ原語公演オペラ … 『セヴィリアの理髪師』

2013-07-07 13:37:52 | 文化(音楽、絵画、映画)

 

 「ミャゴラトーリ」のオペラ公演『セヴィリアの理髪師』が6日後に迫った。13(土)、14(日)15時から、高円寺の「座・高円寺」で演奏される。
 「なんとかオペラを広めたい」、「初めての人でも、子供でも理解できるように演奏したい」という娘の、「執念の第3弾」である。アリアや重唱などは、美しい原語の響きを外せないが、それを繋ぐ部分は日本語セリフや芝居でつなぎ、原語で歌う部分の理解を助けようというのだ。
 そうすれば、なじまない日本語に吹きかえることも、字幕スーパーで舞台への集中力を失うこともないのではないか…、というのが狙いだ。これで、一昨年は『愛の妙薬』を、昨年は『秘密の結婚』を公演してそれなりの評価をいただいたと思っている。

 今回の第3弾も是非とも成功させてやりたい。歌手たちは毎日夜中まで練習をやり、その合間にわが家の音楽室で大道具や小道具を造っている。その涙ぐましい努力を見るだけでも、成功させてやりたいと思う。
 幸い今回は杉並区のご後援をいただいて、親子50組のご招待は定員をオーバーしてお断りが出る始末だ。ただ一般客はまだまだで、特に14
日(日)はなかなか空席が埋まらない。
 ご興味のある方、お待ちしています。

     


ベルギービールを愉しむ

2013-07-05 14:56:56 | 

 

 「山びこの会」有志による酒の会(会の名前はまだない)も、これで3回目となった。1月に大塚の『串駒』で“いしり鍋”を囲み様々な日本酒を飲み、2回目は桜の季節に新宿御苑前の『うま久』で“にごり酒”を中心に飲んだ。
 昨夜は夏にふさわしく、南新宿の『カフェ・ヒューガルデン』(住所は代々木)でベルギービールを愉しんだ。

 先ず店の定番「ヒューガルデン・ブロンシュ」で乾杯、次はトラピストビールを中心に6人それぞれ違う銘柄をとり、気になる銘柄は、他の人のものを一口ずつ味見をさせてもらいながら各種を楽しんだ。ベルギービールはそんな飲み方をしたくなるような多彩な種類があるのだ。
 最初のブロンシュというのは「白」という意味で、文字通り白濁した感じの小麦のビール。つぎの6種は「オルバル」、「シメイ」、「ウエストマルのダブル」というトラピストビール(修道院でつくるビール)と、「フローレフ」、「レフのブラウン」、「デュバル」という人気銘柄。
 料理はこれまた定番の「ムール貝のワイン蒸し」、「牛肉のビール煮」それに「チーズの盛り合わせ」…。ムール貝のスープにパンを浸して食べ、それでも残ったスープをリゾットにしてもらった。
 続いてベルギービールでは欠かせない「セゾンビール」を一杯づつ飲み、最後は私が最も高評価する「ロシュフォール10」と「ウエストマルのトリプル」で〆た。ベルギービールとしては最高級のものを紹介したつもりであるが、料理の方はいずれも量が少なく欲求不満であったかもしれない。どうも私が注文すると酒中心となり、料理の量が少なくていけない。

 よく飲みました    

  
最後を〆た名品「ロシュフォール10」と「ウエストマルのトリペル」(いずれもMさん撮影)


梅雨のみどり … 緑が美しい最後の時節

2013-07-03 14:58:19 | 時局雑感

 

 緑の美しさが、もっともしっとりと来る時節だ。芽吹きにはじまり、新緑、梅雨の緑と移り変わる。そしてこの梅雨の緑が、緑の美しい最後の時節だ。それを過ぎると樹葉は黒味を帯びて、みどりの美しさを失う。

 緑は、もっとも心を和ませてくれる色ではないか? 私の大好きな色だ。ヨーロッパに行くと、家々の茶色い屋根と、白や黄土色の壁がマッチして美しい。心を和ませてくれるが、日本にはない色だなあ、といつも思う。日本の風土に一番なじむのは緑ではないか?

 緑児(嬰児、ミドリゴ)といえば、新芽のように若々しい児のことで、三歳ぐらいまでの幼児をいう。緑の黒髪といえば、その思いは遠く初恋時代の少女につながる。
 みどりのおばさんは学童擁護員の総称で、やさしい包容力に包まれており、緑の窓口という言葉も旅ごころを誘う。
 1980年代にドイツに「緑の党」という政党が登場し、反核・環境保護・女性解放を叫んだのは印象深いが、その後どうなっているのだろうか?
 そういえば「みどりの日」という国民の祝日があるが、これはゴールデン・ウィークに埋没して緑を愛でる日になっていないのがさびしい。


七月を迎えて

2013-07-01 16:07:39 | 時局雑感

 

 今日から七月…、今年も後半に入る。
 今月は重要な行事が多い。12日は「名古屋純米酒フェスティバル」だ。2年に1回の名古屋開催だが、参加者が少ないようで今後のあり方が問われることになるかもしれない。
 続く13、14日は娘の主宰する『ミャゴラトーリ』のオペラ公演「セヴィリアの理髪師」だ。日本語セリフでつなぐ原語公演オペラの第三弾、何としても成功させてやりたい。「座・高円寺」は250人の定員だから、二日で500人の方々に来ていただきたい。最後の追い込みに大わらわだ。
 下旬には会社(マザーズシステム4・ジャパン)の株主総会だ。新陣容での新たな出発点に立つ総会で、これも重要だ。私は今回で取締役を降りさせてもらおうと思っているが、うまく新体制を誕生させることができるか…?
 その前に、『山びこの会』の「安達太良・岳温泉の旅」がある。目の治療の結果では行くのを止すつもりであったが、レーザー治療の結果で未だ見えるので参加することになった。
 さて、その目であるが17日(水)が再検査だ。その結果どのような診断が下るのか知らないが、この年になって視力が前のように回復することもないだろうし、今の見える範囲に諸行動を合わせていくしかあるまい。
 気が付いたと思うが、このブログの字も今月からフォントを上げた。字が大きくなっただけ文章を短くして行けばいいのであろう


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