旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

オペラは楽しんでもらえたか?(つづき)

2009-06-28 18:06:33 | 文化(音楽、絵画、映画)

 オペラを普及する・・・オペラファンをたくさんつくる・・・、とはどんなことか?
 一体、オペラを聴いて満足するというのはどんな状態をいうのか?

 オペラというのは歌による劇であるので、その物語の中味が伝わらなければならない。ところがほとんどのオペラは、それが生まれたイタリア語で書かれているので、イタリア語が分からなければ意味が分からない。もちろん、意味が分からなくても素晴らしいメロディが多いので、曲だけでいい気分になることはある。それにしても意味が分かればもっとよいに決まっている。
 だから、歌い手の力と共に解説と進行の妙が全体の雰囲気を左右する。それにより聞く人の満足度は違ってくるのであろう。そして、何とも楽しく、もう一度聞きたい、となればファンは増えオペラは普及していくのであろう。

 その点からすれば、今回の「ミャゴラトーリ第1回公演」は成功したようだ。私の昔の仲間K夫人は、
「こんな楽しいことはなかった。2時間をこんなにいい気分にしてくれるのなら3千円は安い! もっと高くてもいい」
と言ってくれた。
 また他の同僚は、「出演者の真面目な態度が素晴らしい! 何ともすがすがしい気分だ」と何度も言ってくれた。そして多くの人が、「第2回公演はいつか?」と聞いてくれた。
 ささやかな公演であったが、オペラファンは確実に増えたのではないか。このようなことがオペラの普及活動と言うのであろう。何も一流歌手や大劇場でなくても、真面目に、手を抜かず、客席と一体となって演奏をすれば、みんな“いい気分”になっていただける。そして「また聴きたい」と思ってくれる

その意味では、娘の意図は生きたのであろう。
                   


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2 コメント

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Unknown ()
2009-06-29 18:23:28
オペラの普及・・・この極東の島国でそれをやるのはなかなか難しいことです。別にオペラなんて一生観なくてもいいと思う人もたくさんいると思うから。
でも私はそれをやってみたい!!私がこーーーんなに好きなオペラを、誤解なく受け止めてもらって、そしてあわよくば「意外と面白いんだね」と言ってもらいたい!!「そうでしょ??」といろんな方と共感したい、、と常に思っています。
それからもう一つ、大変な努力をして声に磨きをかけている「本物の」歌い手さんたちに、良質の舞台を用意してあげたい!歌い手は、細々とした打ち合わせや、予算のことや、会場のことを気にすることなく、本番に打ち込んで欲しい。そしてもっともっと素晴らしい声をお客さんに届けて欲しい!!

そんな思いでこれからもがんばります。

この場を借りて・・協力してくれて本当にありがとう。感謝します。
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素晴らしい歌手たちに幸あれ (tabinoplasma)
2009-06-29 22:12:06
「まえしん頑張れ」にはじまったこのシリーズの終わりに(つまり「オペラは楽しんでもらえたか」のつづきのつづきに、出演者たちに触れたいと思っていた。
彼ら彼女らが、ソプラノ、メゾソプラノ、テノール、バリトン、バス、というオペラに欠かせない各パートを、それぞれに鍛えてきた技量を精一杯発揮して勤め上げたことを、何よりも賞賛したいと思ったからだ。5パートの誰一人不安なく満足に歌ってくれたことが、聞く人たちを楽しい気分に誘い込んだのだと思う。なんと言ってもオペラは「歌い手」だ。
このような歌手たちに、常に歌える場を提供すべく力を注ぎたいと念じている。
(「つづきのつづき」はこのコメントに代える)
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