旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

戦後最悪の逆風(改憲勢力3分の2議席)に立ち向かう、鳥越俊太郎氏の野党共闘都知事選

2016-07-15 10:52:50 | 政治経済

 

 6月25日の投稿で、参議院選挙で安倍自公政権を中心とする改憲勢力が、憲法改訂の発議要件である3分の2議席を占めることに対する不安を書いた。そして、当時の新聞各紙の予想通り、改憲勢力は3分の2を占めた。これは戦後初めてのことである。
 すでに書いたように、自民党は憲法改訂を党是としてきたが、日本国民はその発議要件たる3分の2議席だけは与えてこなかったのである。世界に冠たる平和条項第9条を始め、基本的人権など国民主権を高らかに謳った憲法を守り続けたい国民の意思の反映であったと信じる
 ところが今回、9条2項(戦力不保持と交戦権の否認)の削除や基本的人権の制限を改訂内容に掲げる安倍信三政権という戦後最悪の政権に、日本国民は3分の2議席を与えたのである。この判断は、「軽率にもEU離脱に投票してしまった」英国人の判断に劣らぬ間違いではなかったのか? いや、これこそが、いまや日本国民の民意となりつつあるのだろうか?

 参院選の終わりと同時に東京都知事選が始まった。当初は、相変わらず与党内の権力争いの中での人選だけが関心を呼んでいたが、一人の男が全く異なる判断基準を持ってこの都知事選に立ち向かった。鳥越氏は、税金の使い方や、福祉、労働、環境など「住んでよし」東京の建設を目指す方針を当然として掲げるも、彼をこの選挙に立候補させた動機は、参院選挙が3分の2議席を安倍政権に与えたこの逆風に立ち向かうことにあった。
 彼は、参院選の開票速報を見る中で、この風潮に立ちはだかる何らかの意思表示を、身を持ってなす必要を感じたと言う。76歳は決して若くない。また、すでに克服したと思うが、満身に癌を患った身である。しかしこの余生を投げうってでも、この流れを変える意思を示す必要を感じたのである。
 その背後には、ジャーナリストとして長く政界を見続けてきた鋭い勘も働いていただろう。参院選で一定の成果を見せた野党共闘の前進ともども、鳥越氏の勝利で都政を都民の手に取り戻し、逆風に一矢報いることを願ってやまない。


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