旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

哲人の国の行方

2011-11-06 11:40:38 | 政治経済

 

 ギリシャの経済財政危機と国民投票が話題となった。国民投票は残念なこと(?)に回避されたが。
 破綻寸前のギリシャを、サルコジさんやメルケルさんが苦悩の末諸国を取りまとめて救済することになったが、それをすんなり受け入れないところが面白い。テレビに現れる国民も、「困ったことだ。どうしていいか分からない」という意見が多く混迷しているようだが、それをまとめるパパンドレウ首相も、自ら判断しきれず、、迷える国民に国民投票を呼び掛けることになったようだ。支援の条件として突きつけられた厳しい緊縮財政は、祖父、父と三代続いた首相という大政治家にしても重すぎて、その判断は国民に委ねるしかなかったのかもしれない。
 
 ギリシャという国は、2400年前にソクラテス、プラトン、アリストテレスという哲人が現れ、その3人が、それ以降に続く2400年の国民の頭脳を使ってしまったのではないか? 頭脳を使われてしまった国民は、三哲人などの生み出したギリシャ文明の遺産に依拠し、主として観光で生きてきたが、いい気になって使い尽くして気が付いてみれば借金の山であった。それをどう処理していいかわからず、その決定方法を、三哲人などにより2千数百年前に生み出された人類最初の政治形態たる直接民主主義(国民投票)に求めたところが面白い。この歴史的実験が未実施に終わったのは何とも残念でならない(野次馬的で申し訳ないが)。
 
 ギリシャ文明に続くローマ文明で栄華を誇ったイタリアも、何だか怪しくなった。こちらは何処に帰るのだろうか?


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