霧の龍飛岬を下りると下界は晴れていた。美しい津軽西海岸を南下する。
「十三湖」でトイレ・買い物休憩。十三湖と言うので、てっきり湖が13あるのだろうと思っていたら、実は湖の周囲に13の集落があったことからつけられた名前という。だから湖は一つで、特に風情はない。もっと南の白神山地に接する「十二湖」は小さいがそれぞれ固有の色や美しさを持った湖が、まさに12湖あったが。
それよりも十三湖は真水と海水の入り混じる湖で「しじみ」の名所。立ち並ぶ出店はシジミ汁を初めとしたシジミ料理の花盛り。食べるのは我慢して、次の千畳敷海岸での「海鮮料理昼食」にかける、そしてこの海鮮料理は美味しかった。快晴の下の千畳敷海岸の開放感といい、結構な昼食でした。
そしていよいよ、待望の「五能線」・・・
しかし、これは期待する方が無理であったのかもしれない。五能線と言うと「夕陽の沈む日本海」とか「一杯やりながら波打ち際を走る風情を味わう」とかが頭を過ぎるので、真昼間の普通列車で、「深浦――大間越間」の約40分ぐらいを走るだけでは堪能したことにはならない。
やはり五能線は、「しらがみ号」の指定席に陣取り、飲食をとりながら、文字通り五所川原から能代まで乗らなければダメだ、と思った。安いツアーにあれもください、これもくださいは無理だろう。それが分かっただけでも収穫があったと言うものだ。
大間越から再びバスに乗り込み、長躯、秋田県を越えて岩手県の江刺水沢駅へ、そこからは、新幹線のグリーン車にゆっくり身をゆだねて旅は終わり。