桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

神泉苑

2012-05-28 | Weblog





京都、二条城南に位置して神泉苑と言う名跡がある。俺は、神泉苑を知らなくて、その昔、空海が雨乞いをしたところ、池から龍が現れて天に立ち昇って雨が降った伝説のある場所らしい。
その神泉苑で集会後の懇親会。池に浮かべた舟が食事場所になっていて、初めての体験だった。
写真は、神泉苑と料理。

裁判員制度集会

2012-05-28 | Weblog
昨日は、京都の立命館朱雀キャンバスで裁判員制度に付いて考える集会だった。映画監督の周防正行さんと俺が、質問者の弁護士に答える形で冤罪の問題と裁判員制度に付いての話をした。
周防監督とは、今までに1、2度、お会いしたが、話をしたことはなかった。初めてお話を伺い、向き合ったが、物静かな学研タイプの方だった。穏やかに人の話を聞く中で、相手を観察されているのを感じた。
集会は、160名を超える方が参加し、熱心に聞いてくれたし、質問も多くて、時間をオーバーして終わった。
裁判員制度は3年になって、制度の問題点を改正する時期に来たことから、こういう集会は増えるだろうが、ぜひ、より良い裁判員制度にするために、多くの人に考えて貰いたいと思った。

終結

2012-05-27 | Weblog
昨日、東京守る会の解散総会とパーティーだった。
1時からの総会は、80近い席が一杯になり、皆さんの思いを感じて嬉しかった。
これで最後!と思うと、やはり寂しさを感じて、挨拶のときは胸が一杯になってしまった。勝利で終結出来た喜びと感謝の中で、新しい戦いに決意も深めたが、何時も通りの騒ぎも起こり、最後はウンザリして帰宅した。

怒りの夜

2012-05-26 | Weblog
昨夜は、愛知の名張事件支援者と食事した。
負けると人は集まらなくて、12人だったが、お粗末な決定を怒り、必ず最高裁で勝とうと言う思いを確認した。
菅家さんと一緒ならば、定番はカラオケだ。でも、昨夜は、「今日は行く気分ではない」と言ったが、行って発散しよう!となった。しかし、飲んでも、唄っても怒りの消えない夜だった。

社主が社主ならば

2012-05-26 | Weblog
名張事件決定に対するけさの読売は、社主が社主ならば、記事もまた読売らしいと呆れさせる内容だ。
再審開始を阻んだ決定だから、その決定に沿った記事になるのだろうが、全く本質を書いていない。
多分、読売だけを読む人は、これで名張事件は終わったと思うのだろうが、終わってはいない。
地元、中日新聞の記事は、さすがだった。
名張事件の証拠構造を社説に説き、あやふやな証拠ばかりで有罪とした過去の判断を含めて、今回の取り消し決定を「昨日の高裁決定は、検察の主張していないことまで裁判官が推論し、有罪とする根拠を補強している。これでは、まるで疑わしきは罰するになっていないか」と批判し、裁判員の時代であって「今回の決定、時代の要請に逆行している」と鋭く指摘している。そればかりではない。その社説は、「私たちメディアも反省すべきことがある。自白偏重の捜査取材に寄りかかった当時の犯罪報道だ。奥西死刑囚を犯人視して報じたという事実は消せない」と自己批判も書いているのだ。
この謙虚さこそ、我々の信じられるメディアだろうが、読売記事には、その欠片もない。
読売のような記事は、冤罪作りを助長する犯罪行為だ。厳しい反省を求めたいが、あの社主の独裁が続くのだから仕方ないのかも。

呆れ果てた決定

2012-05-25 | Weblog

名張事件で再審開始決定の取り消しがなされた。
今、弁護団が説明しているが、弁護団に無罪立証を求めている上、弁護側も検察側も主張しない理由でなされたと言う。
不当決定の垂れ幕が出されたとき、マスコミを含めて息を飲み、鎮まり返った。前回の不当決定よりも沈黙は深く、期待した思いが裏切られた衝撃が溢れていた。
科学的事実を無視し、裁判官が勝手な推論で事実を認めるようでは裁判所は、何のために存在するのか!となる。
絶対に許されない。
検察に加えて、この裁判所も変えなければならない!

1周年の夜

2012-05-25 | Weblog
昨夜は、2度目の映画挨拶だった。
一昨夜も昨夜も、有り難いことに120名を超える人が観に来てくれて、客席は埋まっていた。
約10分ほどの短い時間での挨拶だから、物足りないと言えば物足りない挨拶だが、先日と同じように下の喫茶店に残ってくれた皆さんの質問に答える形での会話時間は、充分に思いを話すことが出来た。
その後、来てくれていた中澤さん夫婦と、食事をしながら乾杯して1周年の夜は終わった。

いただけない

2012-05-24 | Weblog
今日は、各紙に、昨日で三者協議が終了した東電OL殺人事件と名張事件の記事が掲載された。
東電を書いた記事に「新たな鑑定結果には請求人に一部有利な結果がある」と書かれたものがあった。
一部?
アホか!と言いたかった。ゴビンダさんを有罪にするために、検察は被害者に付着したゴビンダさんと違う体液と体毛の存在を隠していたのではないか。
なぜ、この不当な行為を最初に書かないのだろう。初めから、この42点の物証が裁判に出されていれば、果たしてゴビンダさんは有罪にされたのか。厳しく検証する必要がある。
しかも、ゴビンダさんに有利な結果は一部ではない。「ゴビンダさんのかも知れないが、鑑定出来ない」と言うアヤフやな結果を、検察は鬼の首を取れたごとくに語るだけなのに、その事実を見抜かないのか、見抜けないのかは知らないが、検察の主張に添ってしか書かない記事には怒りを感じる。
今日の読売は、かなり名張事件の決定で詳しく書いてくれた。しかも、奥西さんに好意的だった。
ただし、これにも書かれないことがあった。
奥西さんは1審で無罪になった。ある時期から村人が一斉に、奥西さんが有罪になる方向に証言を変えた。これを捜査官による作為的な変更と見抜いた裁判官は無罪とした。
ところが、2審では、「現場から発見された毒の入れられた葡萄酒の王冠にある歯形と奥西さんの付けた歯形が一致した」として逆転有罪で死刑にしたのだが、この「歯形鑑定」は、実は偽造された物だった。
松倉なる鑑定人は、奥西さんに実験で付けさせた歯形と王冠の歯形は一致しなかったことから、その倍率を変えて一致するかのようにでっち上げたのだ。
今日の読売記事には、この部分が欠けている。
松倉はでっち上げ鑑定をした張本人だが、いかに松倉が悪党だったとしても科学者の端くれだ、自分1人の意志で偽造する訳はない。「鑑定結果は一致しない」と聞いた検察が、村人の証言を変えて犯人になるようにしたと同じに、「なみなみならぬ働きかけ」を鑑定人に行った結果の偽造行為であろうことは、今さら俺が指摘するまでもなく自明のことだろう。
それはともかく、鑑定結果の偽造によって逆転有罪になった事実は、この名張事件を見るときに欠かしてはならない視点だとおもう。読売記事は、奥西さんに好意的で有り難かったが、いただけないねぇ。

1周年

2012-05-24 | Weblog
無罪になって1年になった。遥か昔のことのように、余り記憶のない部分があるけれども、神田裁判長の言葉を聞いたときに身体が軽くなった感覚は、しっかりと覚えている。
無罪になって俺の心身は変化したが、検察は、全く変わっていない。
昨日は、東電OL殺人事件で最後の三者協議があり、近いうちに決定となったし、明日の名張決定もあって、両方が新聞に記事があったけども、相変わらずのことを語るだけの検察だ。
法治国家日本だ。こいつらが、こういう態度がとれないような法律を作るしかない。
あれから1年が過ぎて、俺が検察を変えるしかないと思う気持ちは、ますます高くなるばかりだ。

国賠

2012-05-23 | Weblog
昨日は、弁護団会議を挟んで国賠弁護団会議だった。集まりは少なくて、その先生方で今後を話し合ったが、来月、正式に呼び掛けて集まり、体制を確立させること、提訴予定日を決めて準備を進めることを決めた。
布川弁護団は、今、記録集の作成が終盤で、これが終わらないと国賠会議も本格化しない感じだが、提訴予定日は10月10日と決められたので、次回からは一気に進むだろう。