桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

鮫の脳は鮫の脳

2017-07-20 | Weblog
今日の毎日新聞。首相時代のボンクラ振りを鮫の脳と評された森喜朗さんがインタビューに応えた記事があった。
オリンピック組織委員会の会長として、あれこれの問題に絡む報道もあり、大した話をしていまい、とは思ったが、ここまで方向違いなことを話しているとは思わなかった。
「これまでの新聞は、まあまあ冷静・中立的で証拠のないものを推測で書くことはなかった。時代が変わり、ツイッターやブログで国民が意見を出すし、週刊誌、ワイドショーが芸能ニュースと同じに政治を扱う。主観的、断片的なニュースが連日流れて世論を動かす。加計学園、森友学園の問題もそうだ。安倍が悪い、安倍が悪いとメディアがやれば、国民がそう思うのは当たり前だ」だって。
加計、森友問題は、決して主観的、断片的な事実が報道された訳ではない。安倍首相が「心友」と自認した加計学園理事長のために政治を私して利益供与したことは、数々の事実で明らかにされている。
多分、森喜朗にとっては、安倍晋三さんが行った利益供与など、自民党政治家の当然の行為としか思えないのだろう。だから、まるで国民や世論が誤ったマスコミに誤導されたとしか理解しないのだろう。
こんな男が森派と呼ばれた最大派閥を率いて政治をリードして来たのだから、自民党がくだらない政治家集団になるのは当然だ。
1部の人たちの利益しか生んでいないアベノミクスを称え、日露問題での前進は安倍首相ゆえと持ち上げて「ロシアは経済状況も上下して苦しいのに国民の多くは大統領を信頼している。日本の国民も冷静になって欲しい」と語るのには、この男は、余程の鈍感だし、本当にバカなのかも知れないと思えわされた。
ロシア大統領のプーチンは強権を用いて反対派を弾圧しているし、大統領対抗者が暗殺されたりしているのを知らないのだろうか。
「ロシア経済状況は上下して苦しい」とある理解だけは、さすがに利には聡い元首相だ、正しい。日本は上はアベノミクスでウハウハだが、下の国民は賃金の低下が続くばかり。思わず正直に言葉が出たのだろう。
安倍首相が自派出身だから、総てを庇い立てるしかないのだろうが、「首相にとって次の内閣改造は大事だ。党内の不満をどう解消するかに重きを置かないと」と語る辺りは、ゆえに短命森喜朗政権だった過去に、何も学んでいないと判った。
もはや国民は安倍晋三さんの嘘が疎ましくて、その政治にウンザリしたのだ。内閣改造や自民党人事などには、何も期待していない。
そのことは改造後の世論を診れば判るだろう。
森さんも語るように「政治家全体が未熟」な自民党などが、なぜに長く政治を担って来たのだろうか。
多分、自民党のように行うのが政治、これが政治、こんなものが政治、と思って来たのが日本だ、思わされて来たのが日本だ。
政治は、今の日本のために行うものではない。明日の日本を祖国としたり、この日本を愛して住む世界各国の人たちのためにも行うべきものだ。目先の利益、自分たちの利益しか考えないような人が政治に携わってはならないのだ。
明日を担う若手たちにこそ、多くの税金を使って夢や希望を育てるべきだし、若手を育てると同じ意味で、今の社会を作って来た年寄りたちを支えるために税金を使うべきなのだ。そして明日の世界を維持する命を守ることにも、豊かに税金を使うことこそ、政治の最大の任務だろう。
もう自民党政治はいらない。こんな森さんのような誤った頭脳のご老体が権威を振るう政治は終わらせたいなぁ。