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スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

叡王戦&限定と命題

2025-05-10 11:37:00 | 将棋
 4日に名古屋で指された第10期叡王戦五番勝負第三局。
 伊藤匠叡王の先手で相掛り。先手の攻めを後手の斎藤慎太郎八段がいかにして受け止めるかという将棋で,中盤がとても長くなりました。
                       
 ここで後手は☖7五歩と打って成香に働きかけました。これが緩手だったようです。
 先手は放置して☗3五香と攻め合いました。☖1四飛に対して☗3一角。次の☗6四角が厳しいので☖4二桂と受けました。
 そこまで進めて☗8五成香と逃げました。後手はそこで☖4五銀と出たのですが構わず☗6四角☖同飛に☗7五成香と使って先手が優勢になりました。
                       
 上図は成香に働きかけるなら☖8四桂がよくそれなら☖7六桂が王手になりますからすぐの☗3五香はありませんでした。また☖4五銀と出ておくのも有力で,これは実戦のような攻め筋がありませんからまだ難しかったようです。
 伊藤叡王が勝って2勝1敗。第四局は26日に指される予定です。

 厳密にいうと,一般にAはBではないという命題が真verumであるとしても,それだけでAがBによって限定されていることになりません。したがって,無限infinitumであるものは有限finitumではないという命題が真であるというだけで,無限であるものが有限であるものによって限定されているということにはならないのです。これは限定determinatioと命題の関係がどのようなものであるかということと関係するのですが,ここではその部分の探究も省略して,この関係の結論だけ示します。もしAはBではないという命題が真であり,かつBはAではないという命題も真であるなら,AはBによって限定され,かつBもAによって限定されることになります。分かりやすい例でいえば,ウマはネコではないという命題は真であり,かつネコはウマではないという命題も真です。したがってウマとネコは互いに互いを限定し合うことになります。よってウマは有限でありかつネコも有限であるということになります。そしてこれは逆に考えることができるのであり,ウマはネコであるという命題は偽falsitasで,ネコはウマであるという命題も偽ですから,一般にAはBであるという命題が偽で,BはAであるという命題も偽であるなら,AとBは互いに互いを限定し合うので,AもBも有限であると結論されます。
 これに対して,AはBであるという命題が真であり,BはAであるという命題が偽であるという場合は,上述のことが該当しません。この場合はAはBによって限定されることになりますが,BはAによっては限定されないことになります。これも実例でいえば,ウマは動物であるという命題は真ですが,動物はウマであるという命題は偽です。この場合,ウマは動物によって限定されますが,動物はウマによっては限定されているといえません。よってこの命題だけで解する限りは,ウマは有限であると結論することができますが,動物が有限であるということは直ちに結論できるわけではありません。命題だけで事物が有限であるか無限であるかを判断しようとするならさらに別の命題が必要とされます。たとえば動物は植物であるが偽で,植物は動物であるも偽なので,動物も植物も有限であるという具合です。

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