毎日機器を弄っているが、どんな音にしたいのか?
その目標が私には 「無い」。
では何を以って改造をしてるのか。
今より良い音。
F特の伸びている音。低音の出る音。高域が無機的でない音。
S/Nのよい音。クリアな音。空気感を出す音。
歪みの無い音。音色の滑らかで刺激を出さない音。
位相特性の良い音。自然な広がりを出す音。
雑誌による機器の評価項目じゃん。
これらを改善するために努めて来た。
このパーツを使えば良くなる。
この回路にしたら良くなる。
こういう調整をしたら良くなる。
すべて「良くなる」であって、こういう音になる、ではない。
そりゃそうだ、私のスピーカーはモニター系。下手な色付けはかえって音が悪くなる。気がする。
最初は柔らかい音を目指した。30代までかな。
タノンイのような弦が鳴れば、と思ったときも有った。だが、それではクラシックしか聴けなくなる。どうも声の色付けが気になる。声はどこまでも「純粋」に歌ってほしい。
その後、広がりのある音を目指した。40代くらいかな。声の純度と音場は比例するように思う。
今は、特に色付けの無い音を目指している。
ブラッシュアップ。
クラシックは良く成るがジャズはイマイチ、なんてのは望まない。
横の広がりは欲しいが、スピーカーケーブルの片チャンの±入れ替えなんてのは望まない。
ここ4~5年は回路に付いて勉強してきた。
今までは回路をコピーしてきたが、その回路の意味などもなんとなく見えてきた。
この回路は好み、この回路は納得いかない・・・などなど。
そうやって一応のバランスにはなったと思う。
広がりの無い音は許せなかったが、それは位相ずれ?と思ったらある程度は大丈夫になった。
それよりも音色だ。不自然な音色は受け付けなくなった。
トランジスタアンプの音はほぼ合わない。あのヒリヒリした肌触り。
きつい音は良い。が歪の乗ってる音は頂けない。
無意識に選別してるような気がする。
それでいまの電力伝送の音に行きついた。
空気感、S/Nなどは電圧伝送にかなわない。
しかしこのまっとうな音色。これが聞けるので、広がりは許せる。
低音が無い方が中域がきれいに聴こえる。
でもそれは間違った音の出し方。
まずは、偏りのない、普通の音を出そう。
個性のない音、それじゃつまんない、とも思ったが飽きる。
と、今の最高の音には来てると思う。
以前はつまらないと思った、アバドやバーンスタインの火の鳥組曲。
なるほど彼の方たちの演奏スタイルが見える気がする。
流れるような、でも楽譜に忠実に、や、縦のリズムで生き生きと、などと思える演奏に思える。
聴かなくなったアルバムが蘇る。
近代のデジタル向けスピーカーと前近代の真空管アンプ。
それらのマッチングが良いわけない。
なのに追求してしまう。
かなりのへそ曲がり?かもしれない。
でも他の著名スピーカーは受け付けないのでこれで良いと思う。
さて、次は何をしようか。