心のはたらき

ヨーガスートラ第一章

「ヨーガとは心のはたらきを止滅することである」

心のはたらきを止める。
心のはたらきを滅する。

仏教で言う悟りの境地みたいなものでしょうか。

ヨーガスートラにはそのための方法が、
段階を追って示されています。

気が遠くなるほど難しい。。。



ただ思うのです。


心のはたらきがどんなもか、
意識するだけでも随分違うんじゃないかな。
楽になれるんじゃないかなと。



ヨガを始める前、
心のはたらきなど全く意識していませんでした。

だから…
悲しい時。
悔しい時。
憤っている時。
嬉しい時。
緊張している時。
不安な時。

その状態の中にどっぷりつかっていました。
心に振り回されっぱなしでした。


でもヨガをするようになってから、
体や心について考えるようになりました。
そして体も心も本当の自分ではないことを知りました。


心から距離をおいて眺める。


心に振り回されそうになった時、
実践しています。


たとえば、
何か嫌なことがあって憤りの心が起こったとします。


「あーまた始まった～私の心。
　動揺してる。動揺してる。
　嫌なことに意識が行きっぱなし。。。
　胸の辺りが硬くなって、
　心臓がどきどきしてるよ。
　胃の辺りも硬い…
　体に良くない。良くない」



アーサナをする時と同じように、
心や体を観察するのです。

少し高いところから眺めるイメージ。



心に振り回されている時、
呼吸はとても浅いか止めているかも。
胸が少し動くだけの胸式呼吸。



「はーーーっ」と大きく息を吐きます。
お腹を動かしながら、複式呼吸に切り替えます。



さらに観察を続けます。


こんな時、私は川沿いウォークへ出かけます。
大空を見上げながら歩きます。
木や草やカモさんに話しかけながら歩きます。


木も草もカモさんも、
いつもどおり落ち着いています。


一人だけ騒いでいる私の心。


なんだかな～



だんだん考えるのが嫌になってきます。

「みんなと同じように落ち着きたい。
　こんな気持ちのいい場所で、
　嫌なことを考えてるなんて。。。」


「考えたくないよ～」


でも考えるのをやめようとすればすれほど、
そのことに意識が向いて考えてしまいます。



そこで意識的に頭の中がぼーっとさせます。
眉間に向いている視点を、
左右のこめかみのあたりに向けるのが効果的。

川の流れや、
大空を流れる雲や、
川沿いにあふれる青々した草をぼーっと眺めるのも◎


そして、自分も自然の一部であることを思い出します


本当は私も木や草やカモさんと同じ。


頭をゆるめます。
さらにぼんやり～
周囲に溶け込んでいく感覚～



「あれ～私何を考えてたのかな～？」


OK～～～
もう大丈夫


心の呪縛から開放されました。


呼吸はいつもどおり。体も軽く。


「本当は何でもなかったんだ」
気づきます。


心がつくり出した幻想に振り回されていた私。
すべて心の仕業。



自分と心は別のもの


この事実が理解できれば、
一時的に心に振り回されたとしても、
自分を取り戻して落ち着くことができます。



ヨガをすると、
体がリラックスして楽になれますよね。


心も同じ。
リラックスしたいな～
楽でいたいな～
そんな風に思います