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司馬遼太郎は「坂の上の雲」を10年の歳月をかけて完成させた。あとがきで様々な義理を欠いてしまったと述懐している。作品に対する作家の執念を感じた。ちばてつやも「あしたのジョー」を描き続けた5年5ヶ月は悶絶と苦悩の連続だったようだ。途中で画のタッチが明らかに違ってきた。少年マガジンで読んでいた小生は最初奇異に感じたものだが、それは力石の減量苦にあたってそれまでの描写がどうしても不釣合いのためとった方法、ちば本来の技法とはかけ離れたもので相当苦労したようだ。梶原一騎の原作にはないキャラクターと演出はちばてつやの独創で、原作にはない重要な伏線としてラストに向けて収斂されていく。それはちばの幼児期の原風景だったことだと今回知った。ラストシーンは子どもの読者に配慮して、生物的に燃え尽きたのか、精神的に燃え尽きたのかどちらにでも取れるように描いたとのこと。さて、強烈なインパクトを残して終わった最終回から約40年、なんと今回実写版が作られるとのこと。ジョーは山下智久さん、丹下段平役に香川照之さん。役者云々ではなく勘弁して欲しい。石橋正次の二の舞。
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