道民が企業を「さん」付けで呼ぶのは敬称ではなく愛着のため。当然地場の企業に限られたもの。丸井さんとは言うが、三越さんとは言わない。企業の寿命が50年といわれたのはバブル前。最近では30年とも。消費者ニーズの変化に即応できない企業は淘汰されていく。札幌の一等地、大通公園に面した一角に広大な更地がある。北海道拓殖銀行本店跡地。グランドゼロとも言われる。旧ビルが解体され2010年には、地上19階地下3階の北洋銀行新本店ビルが竣工し道内経済の中心地になる。そういえば拓銀も北洋も「さん」を付けられ親しまれていた。そこに胡坐をかき、企業努力を怠れば30年も存続できない。拓銀の終焉に立ち会った経営陣は分かっているはずだ。