国際空手道 修徳会 北海道本部 札幌道場稽古日記

北広島市輪厚地区で空手の稽古をしています。練習の内容や、イベント、雑多な情報などを画像で紹介します。

本の紹介

2006-12-29 17:41:36 | Weblog
政府が推し進めたさまざまな規制緩和により、ここ数年で労働環境は激変した。その一つに労働者派遣法で規制されていた職種が拡大、派遣期間も延長された。この緩和によって企業は安価な労働力を長期間安定的に確保することができ、莫大な利益を上げる事になる。しかし、適正な利益配分が行われいない事は、いざなぎ景気を超えた実感がないことが裏付けている。管理職の前に位置する社員の時間外手当を実質的に廃止する、ホワイトカラー・エグゼンプションは経団連が推進したもの。一方的な企業の論理がまかり通った。労働局の担当官の実に6割以上が制度の導入に反対している。護送船団方式といわれ、国民全てが中流の意識を持っていた。バブル崩壊後、国債の発行残高がマスコミを中心として大きく取り上げられた。さらに米国からさまざまな規制緩和が強制された。政府寄りのアナリストはグローバルスタンダード、国際基準に乗らなければ国際市場から締め出されると警告を発した。また、一億総中流は社会主義とも揶揄した。所得格差が広がる米国は国家全体の利益の95%を国民の5%の高所得者が握っているという。さらに格差は広がっている。ソ連崩壊後「社会主義は大いなる実験だった」と経済学者は語ったが、資本主義が天衣無縫である確証もないはずだ。その証拠にニューディール政策に見る、公共投資政策を採っている国はもうない。安倍政権は再チャレンジにより何度でも這い上がって挑戦できるシステムを誇らしげに掲げるが、そのための自己投資はどこから湧いてくるのか。映画「3丁目の夕日」で涙する観客の話を以前書いた。単なる郷愁でないことはその時代を知らない若い観客が多かった事でも分かるだろう。普通の人間がごく普通の暮らしができる、これが美しい国ではないのか。