晴れ、ときどき映画三昧

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「泥棒成金」(55・米) 80点

2013-07-16 06:46:51 | 外国映画 1946~59
 ・G・ケリーの際立った美しさを惹きだしたヒッチコック。


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 デイヴィッド・ドッジの原作をジョン・マイケル・ヘイスが脚色、ヒッチコックが監督。ケーリー・グラントとグレース・ケリーを起用して、サスペンス・タッチのお洒落なラブ・ストーリーに仕立て上げている。

 <猫>と呼ばれる宝石泥棒のジョン・ロビー(C・グラント)は引退して、南仏・リヴィエラで悠々自適な生活を楽しんでいたが、パリ警視ルビックから類似の事件で疑われているのを知りニースへ逃亡する。ニースには旧友ベルタニが料理店を経営しているが、警察の追及を逃れるためさらにカンヌへ。ここでアメリカの石油王の成金・スティヴン母娘に出会う。

 ヒッチコックは<G・ケリーが出演ならどんなストーリーでもいい>と言った曰くつきの作品で、彼独特のサスペンス色はかなり薄味のためヒッチ・マニアには正直言って物足りない。その分彼が拘ったのはヒロインの美しさを惹きだすこと。これは、衣装のイーデス・ヘッド苦心の成果によるものだろう。ジョンと初めてすれ違うレストランではブルーのドレス、海岸でのドライブではピンク地に白のワンピース、海岸ではモノクロのシックな水着、そしてパーティでは白いイヴニング・ドレス。<クール・ビューティ>と呼ばれた彼女のファッションに目を奪われる。

 撮影は名コンビ、ロバート・パークスで南仏の美しい風景は観光したような気分に浸ることができる。また、花火を背景にしたラブ・シーンはこの映画のハイライトでもある。

 G・ケリーはこのロケがキッカケでモナコ王妃となり、後に52歳という若さでこのロケ地近くで交通事故死する。彼女を語るには切っても切れない作品となってしまった。


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