晴れ、ときどき映画三昧

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「カリートの道」(93・米)70点

2020-05-08 17:32:14 | (米国) 1980~99 


 ・ 2度目のタッグを組んだデ・パルマ×A・パチーノの米国版ヤクザ映画。

 エドウィン・トレスの同名小説の続編「それから」をもとに、ブライアン・デ・パルマ監督と「スカーフェイス」(83)以来2度目のコンビを組んだアル・パチーノ主演で映画化。

 NY麻薬ビジネスで名を馳せたチャ-リーことカリート・ブリガンテの40代を描いたサスペンス・アクション。

 麻薬犯罪から足を洗おうと決意し、恋人ゲイル(ペネロープ・アン・ミラー)とバハマで暮らすことを夢見るカリートは、捜査当局からマークされ、新興マフィア・ベニー(ジョン・グレイザモ)とのイザコザに巻き込まれるなど命の危険にさらされる・・・。

 息絶え絶えのカリートがバハマで暮らす夢を見ながら過去を回想するシーンから始まるこのドラマは、義理と人情に縛られながら足を洗おうとする日本のヤクザ映画によくあるパターン。

 デ・パルマ得意のハンディカム長回しとクレーンショットを多用した終盤ハイライトが見どころだ。クライマックスの地下鉄での逃亡と「アンタッチャブル」(87)でも魅せたNYグランドセントラル駅のエスカレータでの銃撃戦はデ・パルマの真骨頂。

 50代になったA・パチーノは前年の「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」で新境地を魅せ、ギラギラした面も程良く抜け渋味が出てきた。自分の衰えを密かに感じながらも、恩義を感じた相手の頼みを断れず深みに嵌まっていくオトコの葛藤を哀愁たっぷりに演じている。

 コカインに溺れるクレイジーな弁護士で怪演したのはショーン・ペン。自毛を抜いたパンチ・パーマの風貌はカメレオン俳優の面目躍如。

 中盤で中だるみも感じるが、ラストがより一層際立つための伏線で必要だったのかも・・・。

 ジョー・コッカーが歌う主題歌<You Are So Beautiful>がラブ・シーンとエンディングで流れ感傷を誘い、心に染み入ってくる。

 「アンタッチャブル」(87)と「ミッション・イン・ポシブル」(96)という大作の狭間でデ・パルマ本領発揮の144分を楽しんだ。

 
 

 

 


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