晴れ、ときどき映画三昧

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「ゾディアック」(07・米) 70点

2015-03-12 08:19:22 | (米国) 2000~09 

 ・ 殺人犯に執り付かれた男達の苦悩ぶりが見所。

            
 「セヴン」のデヴィット・フィンチャーが実在の未解決殺人事件をもとに映画化。犯人ゾディアックは「ダーティ・ハリー」の犯人スコルピオのモデルとしても有名。

 この事件をキッカケに、SFの新聞社で風刺漫画を描いていたロバート・グレイスミス(ジェイク・ギレンホール)や、記者ポール(ロバート・ダウニー・Jr)、刑事デイヴ・トスキー(マーク・ラファロ)達の人生が狂ってしまうサマがとても興味深い。2時間37分という長さを感じさせないシナリオの面白さだ。

 映画の中では犯人らしき人間はいるが、確定できないもどかしさが付いて回るところがリアルさを増している。事実を踏まえた未解決事件なので当たり前のことではあるのだが、本作はもう一歩踏み込んでいて最後まで観客を惹き込んでしまう。

 犯人に執り付かれた人々の苦悩を描きながら、原作者R・グレイスミス同様D・フィンチャー自身が最も嵌まってしまったのかもしれない。