晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
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『テキサスの五人の仲間』 90点

2011-09-23 12:54:50 | 外国映画 1960~79

テキサスの五人の仲間

1966年/アメリカ

シリアスな展開なのに、何故か軽妙

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shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 90

ストーリー ★★★★☆90点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆85点

ビジュアル ★★★★☆85点

音楽 ★★★★☆80点

TVドラマ出身のフィルダー・クックが製作・監督した隠れた西部劇の傑作。
「ハスラー」のシドニー・キャロルによるポーカーゲームを題材にした脚本は、シリアスなのに何故か軽妙な展開に引き込まれ文句なしに面白い。
ダッジ・シティで5人のギャンブラーによる年に一度大金を賭けたポーカー・ゲームの開催日。会場のホテルは野次馬たちが興味深々で大騒ぎの中、旅の途中1泊することになった3人家族。夫のメレディスがポーカー狂いで飛び入り参加、農場を買うために10年掛かりで貯めた有り金を失うピンチに陥る。
ポーカーと聞いただけで目の色が変わる夫にヘンリー・フォンダ、凛とした賢夫人にポール・ニューマンの奥さんジョアン・ウッドワード。2人ともオスカー俳優でH・フォンダは<実直なアメリカの良心>J・ウッドワードは<貞淑な妻>のイメージが焼き付いている。このイメージが巧く作用してこのドラマをグイグイ引き込んで行く。
なにしろ「一生に一度あるかないかの良い手」の最中に心臓発作で倒れたメレディス。なんと続きを妻のメリーに託しドクター(バージェス・メレディス)の家へ担架で運ばれてしまう。
メリーを相手にするギャンブラーたちが個性的。牧場主のヘンリー(ジェイソン・ロバーズ)は娘の結婚式、弁護士ハバーショウ(ケヴィン・マッカーシー)は牛泥棒弁護の裁判で抜け出したし、迎えに行ったベン(チャールス・ビックフォード)は商売道具の葬儀用馬車で疾走。牛の仲買いをするジェス(ジョン・カレン)も奥さんと3年も会っていない。胴元ドラモント(ロバート・ミドルトン)を加えた5人は一癖も二癖もありそうな人ばかり。ポーカーのルールも知らないメリーは賭け金の工面まで迫られる絶体絶命に...。カードを手に銀行頭取バリンジャー(ポール・フォード)へ金を借りに行く。
これ以上はネタバレになるので書きようがないが<絶妙な邦題>にヒントがありそう。
95分の小品ながら2人の演技とJ・ロバーツ、C・ビックフォード、B・メレディスなど粒ぞろいで個性的な名脇役達の絶妙なキャスティングを心行くまで堪能することができた。