晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
マイペースで備忘録はまだまだ続きます。

『コン・エアー』 75点

2011-09-03 13:34:54 | (米国) 1980~99 




コン・エアー


1997年/アメリカ






B級にこれだけ金を懸けるハリウッド





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shinakamさん


男性






総合★★★★☆
75



ストーリー

★★★☆☆
70点




キャスト

★★★★☆
80点




演出

★★★★☆
75点




ビジュアル

★★★★☆
80点




音楽

★★★★☆
75点





「ザ・ロック」の成功で気を良くしたジェリー・マッカイヤーが再びニコラス・ケイジを起用して製作したハリウッド・エンターテインメント。スコット・ローゼンバーグの脚本がスケールが大きく映画化は無理ではと思わせたがCGをそれ程使わず実写でノンストップ・ムービーを作り上げたハリウッドの底力を実感した。
「コン・エアー」とは連邦保安局空輸隊のことで医療緊急事態の出動や凶悪犯の護送に使われ本作では後者。妻に絡んだ酔客を殺害したキャメロン・ポー。8年後仮釈放で出所するがコン・エアーで護送されることになり、名うての凶悪犯と同乗するハメになる。なかでも天才凶悪犯<猛毒のサイラス>、元黒人ゲリラ部隊隊員<ダイヤモンド・ドッグ>は別格で、ハイジャックして南アフリカへ逃亡を目論む。
ポーに扮したN・ケイジは長髪に鍛え抜いた身体でアクションをこなし、定番のボコボコにされるシーンもなくS・スタローンなみのヒーローぶりを見せている。若い連邦保安官・ラーキンを演じたジョン・キューザックが主演でも成立するところだが、個性豊かな凶悪犯を描くことに熱心なあまり地上での活躍が中途半端になってしまった。ハイジャックのリーダー・サイラスを演じたのはジョン・マルコビッチ。ブルース・ウィルスの代役だったそうだが、相変わらずいい味を出していた。個性揃いの犯人達だが、なかでも37人を惨殺した凶悪犯に扮したスティーヴ・ブシェミがレクター博士のパロディよろしく不気味な存在で描かれ楽しませてくれた。
終盤は歯止めが効かないほどエンターテインメント満載で不自然なシーンも多かったが、ケチをつける意味もないほどの派手な展開は「スピード」と双璧。この年のラジー賞を受賞したが、ここまで徹底したB級作品には敬意を表したい。