既報の通り、本日で3月議会は終了。
諸々、話はありましたが、私にとって最大の関心事は、国の水準を上回る給与を支給されている職員の昇給を止める議案の行方。
↓
【ご参照】
「同等の職位でも国家公務員より高い給与水準にある職員を賃上げするなら、実力行使にでる!」と宣言してきた私。本日の総務常任委員会で宣言通り、行動しました!!@2025年3月のブログ
こちらについては議長裁決までもつれた結果、賛成21・反対20の賛成多数で可決されました!
もうね、むちゃくちゃシビレれましたよ...
ご協力頂いた各会派所属議員と無所属議員の皆様に心から御礼申し上げます!!
そして以下が本会議場で述べた、入魂の討論。
ちょいと長いですが、是非ご覧ください!
■■■■■
会派・ぜんしんは議案325号「西宮市一般職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例制定の件」について修正案に賛成、修正案を除く原案にも賛成します。
なお修正案は、市が提案した職員給料を増額改定する内容のうち、国家公務員の水準を上回る一般行政職については増額改定せず、現在の金額に抑えるものです。
以下、賛成理由を申し述べます。
きわめて厳しい財政状況の中、市は市民生活に直結する様々なサービスについて、国や他市の水準と比較して手厚いものを削減する姿勢で臨んでいます。
一方で、市職員の給料については、国や近隣他市と比較して高い水準にあるものについても「人事院勧告の内容を反映する!」という理由で増額改定しようとしています。
しかしながら、そもそも閣議決定された「公務員の給与改定に関する取扱いについて」には「地域における国家公務員または民間の給与水準を上回っている地方公共団体にあっては、その適正化を図るため、必要な措置を講ずるよう要請する」と明記されています。
こうした背景を踏まえ、私共は昨年提出された同趣旨の給料改定議案に反対しました。
また昨年12月議会における一般質問で、私は「市が前回の人事院勧告と同じ姿勢で改定に臨むなら、今後、様々な議案や市政課題に対する私共会派の主張や行動に重大な影響を与えることを、この場で指摘しておきます」と宣言しました。
にもかかわらず、今回、市が提出した議案は、同等の職位でも国家公務員より高い給与水準にある職員を含め、全ての職員の給料を上げる内容のものでした。
社会全体が賃上げ基調にある中、私どもとしても、勧告の趣旨を踏まえた昇給の必要性は認識しています。
しかしながら、この内容には到底、賛同できません。
市は、今回の内容について「若年層に手厚く」という人事院勧告の趣旨を踏まえたと説明しています。
けれども同一級における給料の上昇率を、若手が多い1級・2級・3級の職員で比較すると、1級の上昇率が国で最大14.1%なのに対して、西宮市は12.0%と西宮市が2.1%低くなっています。
2級の上昇率は国が最大10.6%なのに対して西宮市は9.3%と1.3%、3級では国が最大8.5%なのに対して、西宮市は6.3%と2.2%低くなっています。
いずれの級においても、西宮市の上昇率は相対的に低くなっているのです。
人事院勧告による給料の上昇率の総枠が概ね3%と定められている中、市は国よりも高い水準にある中高齢層の職員の給料も手厚く上げようとしています。
そのため「若年層に手厚く」という人事院勧告の趣旨からは違和感のある、こうした結果になっているのです。
そして、こうした姿勢が、本市の給料表が抱える積年の課題である、一部の級において号が著しく多く、昇格しなくても給料が上がり続ける。
その結果、課長より係長の年配職員の給料が高い、あるいは係長より役職についていない年配職員の給料の方が高いという、職位と給与の逆転現象が多々起きている現状につながっています。
これでは頑張っている職員のモチベーションは低下しますし、働かない・働こうとしない職員のこのままでいいのだ!という雰囲気をより強く醸成させてしまいます。
こうした課題を長年、会派として指摘し、市に必要な対応を求めてきましたが、適切な対応がなされることなく、現在の財政危機に至ってしまった。
我が会派は、こうなるに至った過去の経過と、現在の状況を、きわめて遺憾に思っています。
私は、先日の総務常任委員会で修正案の提出者として質疑に応じました。
委員会では、当該修正議案が可決された場合の、今後の職員団体との関係や交渉への影響を懸念する旨の質疑がありました。
もちろん、そうした影響は否定できません。
しかしながら総務省の資料によって、西宮市職員の平均給与月額は3年連続で日本一高いことが示され、新聞や経済紙でも取り上げられています。
財政危機の中、職員の平均給与は日本一高い。
市民生活に直結する様々なサービスも削減しようとしている。
にもかかわらず、国よりも高い水準にある職員も含めて、全ての職員の給料を上げる。
これは職員団体との関係よりはるかに重要で重大な、市民の市政への信頼感を棄損させることにはならないのでしょうか。
私は、そのことをこそ、強く、強く危惧します。
2006年に北海道夕張市が、多額の借金の重圧で自己再建を断念するという、いわゆる「夕張ショック」が起こり、日本中の自治体関係者に衝撃が走りました。
その際、世間をにぎわせたのが、夕張市破綻のニュースが流れた数日後の「夕張市職員に前年を上回るボーナスが支給される」という報道でした。
夕張市役所にしてみれば、予算に則って、粛々と賞与を支給するだけのことだったのでしょう。
ですが当時、一年生議員だった私は、このことに強烈な違和感を覚え、今も強く印象に残っています。
繰り返しになりますが、市は、市民生活に直結する様々なサービスについて、国や他市の水準と比較して手厚いものを削減する姿勢で臨んでいます。
一方で全職員の給料を上げて、いわゆるボーナスも満額支給する考えのようです。
しかしながら、我が会派は、この姿勢に極めて強い違和感を持っています。
今の西宮市は、本来であれば、我々が提案し続けてきた給料表の抜本的見直しは勿論、ボーナスや手当を含む給与のカットさえ検討するべき段階にあるのではないでしょうか。
現在のところ、本市は財政破綻した当時の夕張市ほど厳しい状況におかれてはいません。
けれども私には、現在の西宮市に、当時の夕張市役所に見られたであろう危機感のなさや、ただただ前例を踏襲していけばよいという意識が蔓延しているように思えてなりません。
市の、こうした姿勢と意識が議案325号の修正案提出につながった。
そして100年という長い西宮市政の歴史の中で初めて、当初予算の否決という事態に陥ろうとしている。
このことを、市長以下、市の経営層は強く、深く認識するべきです。
以上、会派・ぜんしんの賛成討論とします。
■■■■■
夕張市に関する記述は、おそらく10数年ぶりに事務所の本棚から取り出した、この本を読み返しつつ、振り返りました。
このままでは西宮市は、本当に破綻しかねない。
そのくらいの瀬戸際にいるという感覚を、役所全体や職員一人一人はもちろん、議会も強く持つべきだと思っています。
↓
なお想定されていた通り、当初予算は反対多数で否決。
また現在の議員定数41を40に削減する議案は賛成多数で可決されました。
こちらについても後日、詳しく報告させて頂くつもりですが、まずは同じ会派のたかの議員と牧議員のブログをご覧頂ければと思います。
↓
【たかの議員のブログ】当初予算案に反対!市政史上初の否決!! | 西宮市議会議員・たかのしん公式ブログ
【牧議員のブログ】西宮市議会議員 牧みゆきのブログ
なお本会議終了後の議会運営委員会で、
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●26日に再度、議会が招集されること
→当該議会において、修正予算が示される&審査が行われ、賛否が問われること
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が公式にアナウンスされましたので、その点、付言しておきます。
引き続き、よりよい市政を実現するため、私が信じる方向と方法で行動してまいります。
それでは今日のブログは、これにて失礼いたします。
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こちらこそ、ご覧と応援いただき、ありがとうございました。
お陰様で、よい結果を得ることができました。
引き続き、励み、努めてまいります。
>公務員様
私は自分が無能だとは思いませんし、頂いている報酬以上の成果を残していると自負しています。
以下など、ご覧頂ければ幸いです。
↓
https://y-shibuya.sakura.ne.jp/result.html
なお西宮市議会議員は現在、自主的に5%の報酬カットを行っています。
ご存知ないようであれば、こちらもご認識頂ければ幸いです。
>市民応援団様
まさに、苦渋の決断でした。
一方で、こうした行動をとったからこそ…と思える展開が、その後、出てきており、私共の行動は間違っていなかったと感じています。
引き続き、努めてまいります。
嬉しいお言葉を頂戴し、ありがとうございました!