遊び人親子の日記

親子で綴る気まぐれ日記です。

ぼんぼん彩句

2024年05月15日 11時33分33秒 | 読書

          ぼんぼん彩句     宮部みゆき(著)2023年4月発行

  長年に渡り常に人気の作家さん、いつも人気すぎて図書館では借りにくいのです。

  が、今回、10年ぶりくらいかな〜、チョッと趣向が変わってそう、と興味が湧き、

  読んでみることに。やはり間違いない!ですね、とても面白かったです。

  俳句を始めた著者が、句会のメンバー達の句をもとに想像を巡らし短編を紡いでいく

  ・・・12篇の短編集。

  そのアイデアもユニークだし、それぞれの短編がまた個性的で、、、さすが。

  それにしても、この句から、そんなストーリーに展開するのか〜、、、と

  不思議で、感心してしまうことしきりでした。

  推理小説っぽいもの、ゾゾっとするもの、ほっこりするもの、、、多彩なラインナップ。

  いずれも予期せぬ話に膨らんでいくし、短編だし、移動の時のお供にピッタリじゃないかな。

  チョッと俳句を嗜んでみようかなあ、なんて気が起きたり、面白かったです。

      わがまま母

 以下、母の健忘症対策として「カドブン」より転記させてもらいます。

著者コメント

まったく触れたことがなかった17 音の俳句の世界に、私は魅せられてしまいました。
「凡凡」な眼差しと、身近な暮らしのなかに彩りを見出す俳諧の心を大切に、 創作を続けていきたいと思っております。

   宮部みゆき

内容紹介


1.枯れ向日葵呼んで振り向く奴がいる
寿退社後に、婚約者に裏切られ婚約を破棄されたアツコは、ある時、乗ったことのない路線バスで初めて終点まで乗車してみた。その終点には小さな丘と公園が広がっていたのだが。孤独な女性のやり場のない想いを綴った物語 。

2.鋏利し庭の鶏頭刎ね尽くす
16歳で亡くなった女友達のことをいまだに忘れられない夫と夫の実家の人々。いつまでも、なくなった友達に固執する家族から逃げるように離婚を決意した知花は、最後に仕返しをしようとある行動に出た。奇妙な家族の執拗な想いと行動を描いたホラー的な物語。

3.プレゼントコートマフラームートンブーツ
ぬいぐるみ作りが大好きなアタル君は、その日、学級閉鎖でひとりでマンションに帰ってきていた。そこに見たこともない女性が突然現れて、アタル君に詰めよってきたのだが。子供の視点で綴られたかわいらしいお話。

4.散ることは実るためなり桃の花
昭子が都心のデパートに出かけたのは、好きな海外絵本作家の原画展を見に行くためだった。そのデパートで偶然、娘婿が全く知らない女性と仲睦まじくデートしているところを見かけてしまい。夫のことを気遣って、少しずつおかしくなってゆく娘を描いた物語。

5.異国より訪れし婿墓洗う
娘が国際結婚をして、外国人の婿の父親となった克典は、娘夫婦との今後のことも考えて、 開発されたばかりの万能薬・ミラクルシードの使用をあきらめ、鬼籍に入ってしまったのだった 。 本作唯一の近未来 SF 。

6.月隠るついさっきまで人だった
美人の姉についに恋人ができたようだ。はじめは楽しそうにしていた姉も、しばらくするとなぜか暗い表情を見せるようになっていった。あるとき、姉と彼氏に偶然街中で出会い、そこで初めて彼氏を紹介されたのだが。付き合ったとたんにストーカーと化した男を描いたサスペンス。

7.窓際のゴーヤカーテン実は二つ
強い西日を遮光するために植えたゴーヤが、真冬になっても枯れなかった。しかも実まで着けたまま。原因はわからなかったが、ある時、夫の哲司がついにその実をもいで。仲睦まじい夫婦が体験する不思議なお話。

8.山降りる旅駅ごとに花ひらき
一族の中では特に目立つところもなく地味に暮らしていた春恵は、派手な性格で派手な顔立ちの母や妹からいつもいじめに近い扱いを受けていた。祖父が亡くなり、その形見分けの会に出席するため、思い出の旅館に向かうと。遺産を巡る家族の中での諍いを描いた物語。

9.薄闇や苔むす墓石に蜥蜴の子
夏休みのある日、初めて入った裏山で出会った小さな蜥蜴。その蜥蜴に導かれるようにして、ケンイチは土の中から虫メガネを発見した。名前が書いてあったその虫メガネを交番に届けたことから、事件は始まった。男子小学生の小さな冒険を描いたサスペンス。

10.薔薇落つる丑三つの刻誰ぞいぬ
ケイタという悪と付き合ってしまったミエコは、ケイタと別れようと連絡を絶っていたが、 ある時、ケイタらに待ち伏せされ、拉致られて廃病院で一晩過ごすことになってしまい。 優しいエネルギーの集合体に心癒されるホラー小説。

11.冬晴れの遠出の先の野辺送り
兄を自殺同然の事故で無くした私は、昔ながらの徒歩での野辺送りの途中で見知らぬ中学生と出会った。その中学生は、なぜか兄の野毛送りに同行してくれたのだが。日本の原風景を描いた里山の物語。

12.同じ飯同じ菜を食ふ春日和
一人娘の知花が一歳半の時に初めて見つけた、美しい菜の花畑が見渡せる展望台。数年に一度は必ず訪れるその場所は、僕ら家族のひそやかな楽しみであり、故郷のような存在でもあった。しかし、その展望台も年月と共に劣化が進み、ついに。秘密の展望台とともに歩む家族の歴史を描いた物語。

 

コメント
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