ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

日本相撲協会理事会 貴乃花理事に当選 改革の第1歩

2010年02月01日 | 時事問題
朝日新聞 2010年2月1日14時20分
貴乃花親方が当選 相撲協会理事選挙
 任期(2年)満了に伴う日本相撲協会の理事選挙は1日、東京・国技館で8年ぶりの投票があり、即日開票の結果、初めて立候補した元横綱の貴乃花親方(37)が当選した。理事定員10人に対して、現職8人と新顔3人の11人が立候補していた。大島親方(元大関旭国)が落選した。
 大相撲の52部屋は高田川部屋を除いて五つの一門に分かれ、それぞれの理事候補者を調整して無投票で終わるのが通例。しかし、貴乃花親方は二所ノ関一門の候補者調整に応じず、一門を離脱して立候補。各一門の締め付けが厳しく、二所一門を事実上破門された貴乃花親方派の6親方しか支持を公言していなかったが、改革への思いが強い貴乃花親方へ期待する票が伝統の一門の枠を超え集まった。投票は単記無記名で行われた。

シーラカンスの相撲協会理事会は自民党の派閥推薦による内閣人事と同じであった。これで多少は風通しのいい議論ができるのかな。

日本をダメにしたのは 団塊の世代か?

2010年02月01日 | 時事問題
日本の世代間格差を歴史的に見ると、我々の親の時代は戦争で大変な苦労をし、我々の子供の世代はバブル崩壊後の就職氷河期から非正規労働者化という大変な労働市場で未婚世代となる苦労を背負わされた。ところで我々の世代は1960年から始まる高度経済成長の時代に就職し今の中国のような賃金上昇の波に乗った。その間、公害問題、石油ショック問題などあったが、製造業中心の産業社会は「世界一」とうのぼれていただけの花見景気だったのだろうか。我々の子供の世代からは「日本をだめにした傲慢な世代」とだけ記憶されるかもしれない。石油を食いつぶし、700兆円の国家負債を残し、社会へはマイナスの遺産を残すだけのどうしようもない世代だったのだろうか???

税と福祉の国民共通番号制 11年度法案化

2010年02月01日 | 時事問題
朝日新聞 2010年2月1日3時3分
税と社会保障の共通番号法案、2011年提出 菅財務相
 菅直人副総理兼財務相は31日、朝日新聞の単独インタビューに応じた。税と社会保障の共通番号の導入について「今年中ぐらいに大体の方向性が見えてくる。来年の国会にでも(法案を)出せる形にできればいい」と述べた。2011年の通常国会に関連法案を提出し、実現させる考えだ。 「税や福祉の分野には、公平性や透明性が必要だというのは当然の話だ」と指摘したうえで、「納税者番号と社会保障の番号はほとんどの先進国は何十年も前に導入している」と強調した。

これで年金記録不明問題や税と福祉の連動などテクニカルには見通しが俄然良くなる。メディアはプライバシーの侵害とか騒ぐだろうが、この程度の情報のどこがプライバシーなのか。

読書ノート 佐々木毅著 「政治の精神」 岩波新書

2010年02月01日 | 書評
政治を支える精神を、政治家、国民、政党の軸から読み解く 第9回

第2章 政治をする精神 (1)

 政治家の定義も難しいが、「直接間接に政治的統合に関る主体」で、平たく言えば「政治家は権力のより大きな分配に預かろうとして、権力を追い求める人々」ということになろうか。政治家は権力の維持獲得を目指して継続的な競争関係に身をおく事を選択した存在である。不特定多数の人々と普段に接触することを厭わず、広範な人々に身を曝すことを覚悟しなければならない。個人的には政治家としての維持管理には神経と金を使うが、権力維持のコストを軽減するためにも政党などという集団が必要で、個々の政治家では到底実現できない大きな影響力を行使することが出来る。自民党一党優位時代には集団内の派閥という権力競争の方が、他政党との競争より激しいのである。権力とはそれほどに魅力があり個人的快楽を与えてくれる魔物なのである。ホッブスは「死んで止むところの、権力への絶え間ない欲望」が人間の傾向であるという。
(つづく)


読書ノート 山口二郎著 「政権交代論」 岩波新書

2010年02月01日 | 書評
健全な民主政治には、政権交代が常に必要だ 第11回

アメリカ・イギリスの政権交代 (3)

 アメリカは1981年レーガン大統領いらい新自由主義全盛期を迎え、ソ連邦・東欧社会主義国崩壊もあって、グローバル資本主義経済体制を絶対視してきた。ところが21世紀にはいって金融資本主義の問題点が噴出し2008年世界金融危機をまねいて、オバマ大統領の新自由主義からのチェンジが始まった。新自由主義を作ってきたのは、格差拡大(強者の自由)を信念とする伝統的な右派、経済界のビジネスリーダーと中産階級異常の市民、キリスト教原理主義者運動、新保守主義(ネオコン)といわれる知識人であった。1980年以来規制緩和、市場開放、民営化、減税政策をパッケージとして先進国に広がった。9.11から始まるブッシュⅡ大統領の戦争政策、小さな政府政策で国内社会は疲弊した。戦争と貧困・不平等をもたらした。それに取って代わったのが民主党のオバマ大統領である。オバマ大統領の行動はこれからであるが、金融機関の救済とGMの救済と前途多難である。グローバルニューディールという課題に国民の期待は集まっている。
(つづく)