ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

JALリストラ始まる 給与ダウン ボーナス無し 人員削減

2010年02月19日 | 時事問題
朝日新聞 2010年2月19日3時4分
給与5%減・ボーナス・定昇凍結…日航、組合に提案
 会社更生手続き中の日本航空は17日、従業員の賃金の5%引き下げやボーナス、定期昇給の凍結を盛り込んだ賃下げ提案を労働組合に示した。4月からの実施を目指しており、2010年度には約310億円の人件費削減効果を見込む。
 早期退職制度などによる人員削減案も近くまとめる計画だ。企業再生支援機構と日航の再建計画では、12年度までにグループの人員を09年度の5万1千人から3万6千人に減らす。

JAL従業員の冬の時代が始まりました。当面は生活は苦しくなるでしょうが、暫くは忍の一字でがんばってください。

読書ノート 矢野絢也著 「黒い手帳ー裁判全記録」 講談社

2010年02月19日 | 書評
創価学会と公明党による、元公明党委員長矢野絢也氏の日記奪取事件 第6回

1)手帖奪取事件 公明党と創価学会「政教分離」問題 (3)

 1993年から1994年に文藝春秋に書いた「手記」とは、1984年の自民党二階堂氏をめぐる政変に始まり、竹下登・田中角栄・金丸信らの権力闘争、中曽根内閣から竹下政権誕生までの政局の流れを公明党と矢野氏の眼でメモしたものである。創価学会と公明党にとって、池田名誉会長の参考人国会招致は絶対あってはならず、証人喚問阻止は公明党の絶対使命であった。今まで池田氏の招致の動きは、1970年の言論出版妨害問題、1994年細川内閣佐川急便事件で池田氏の証人喚問問題が起きた。元は証人喚問は全会一致の慣例であったのが崩れ、多数決になったため公明党は池田氏を守るため常に多数派つまり与党化にいる必要が生まれた。池田氏を守るという宗教団体の呪文が、政党としての公明党のスタンスをつねに与党であるように変えたのである。矢野氏は社公民路線を押してきた政治家であり、自公政権与党路線は矢野しを不要としたのだ。竹入義勝元公明党委員長の党内批判に続いて矢野氏を批判する準備が始められていたのだ。すべてはこの流れの中の出来事であった。元公明党議員の福本潤一氏によると、創価学会内では1990年後半から2000年ごろには矢野対策プロジェクトが出来ていたという。非難と迫害の渦(創価学会と公明党内のコップの中)で追い詰められた矢野氏は、2008年5月創価学会を脱会し、創価学会の幹部7名をを相手取って民事訴訟を起こした。訴訟の人権侵害問題とは、①評論家活動を妨害する職業選択に自由の侵害、②自宅を売却して数億の資産寄付を迫る強要、③創価学会の機関紙「清興新聞」での誹謗中傷記事の名誉毀損、④矢野しへの尾行監視という人権侵害、⑤手帖持ち去りと家捜しはプライバシー侵害である。
(つづく)

読書ノート 五十嵐敬喜・小川昭雄著 「道路をどうするか」 岩波新書

2010年02月19日 | 書評
道路利権集団による日本国食いつぶしを阻止する 第8回

3) 無駄な道路建設

 公共事業は無駄が多いとされるが、その最たるものはやはり道路である。高速道路の赤字の山を見てゆこう。道路四公団民営化推進委員会が明らかにした2002年度までの黒字路線は、東名高速道(利益/コスト比)+2077%、中央自動車道+11627%、東北縦貫自動車道+1477%の3路線だけで、東名高速など5路線は債務を完済している。赤字は北海道縦貫自動車道-399%、東海北陸自動車道-325%、四国縦貫自動車道-323%など挙げてゆけば切りがないのでやめるが、42路線のうち26路線で料金収入が経費を下回り、借入金を返済できずに赤字が累積している。日本道路公団の累積赤字は28兆円、首都高速は5兆円、阪神高速は4兆円、四国連絡橋は4兆円ということで4つの公団の累積赤字の合計は約40兆円に達していた。どうしてこのような赤字路線が次々と建設される仕組みが出来上がったのだろうか。その根源は田中角栄氏の議員立法で1952年にできた「道路整備特別措置法」にある。この法律の意義は「高速道路を借金で作り、利用者から利用料を取って借金の返済に充て、借金が返済できれば無料開放するという償還主義で道路を作る」制度である。ところが無料開放された高速道路はどこにもない。大黒字でとっくに返済がすんでいる東名高速道が無料になったとは聞かない。全体が累積赤字で苦しんでいるから無料開放が「絵に描いた餅」になっている。1956年日本道路公団が設立された。政府は公団に対して「長期・短期の資金の貸付をし、または道路債権の引受をし、元金および利子の支払いを保証する」のである。そして1959年に首都高道路公団、1962年に首都高速道路公団、1970年には四国連絡橋公団ができ、1970年には「地方道路公社法」も成立した。1966年「国土開発幹線自動車道路建設法」(国幹道法)が六つの高速道路をまとめた基本計画を定める基になった。計画立案権は首相から建設大臣(実質は建設官僚)に移って道路官僚が大きな権限を持ち、基本計画から整備計画を定め、審議機関と閣議決定だけで予定路線を決めることが出来る。イエスマンを集めた審議会とサイン会に過ぎない閣議で済むということで、事務次官会議が閣議提出案件をきめているので、道路行政は実質は官僚内閣制となっている。そして高規格自動車国道は高速自動車道路と一般国道自動車専用道路の2本立てになっており、一般国道を高速道路とする一般国道自動車専用道路は道路局長が基本計画を立てるので審議会の手間も省けるのである。その他、高速道路には「合併施行方式」といって、国と公団の共同建設事業(実質的には平均負担率は国が69%)で有料高速道路建設が出来る。これに道路特定財源から4兆3595億円の税金が投入されている。その他に「高速道路に並行する一般国道自動車専用道路」や、「地域高規格道路」など国が実質的に関与する高速道路建設事業などがあり、官僚の悪知恵ここに極まれりという感がする。
(つづく)

月次 自作漢詩 「江邊春雨」

2010年02月19日 | 漢詩・自由詩
陰雲万里木蕭蕭     陰雲万里 木は蕭蕭

春雨濛濛雪未消     春雨濛濛 雪未だ消えず

柳暗曲窓常寂寂     柳暗の曲窓 常に寂寂と
  
江南幽閣亦寥寥     江南の幽閣 亦た寥寥たり

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(韻:二蕭 七言絶句平起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)

CD 今日の一枚 シューベルト 「弦楽四重奏曲全集ー7」

2010年02月19日 | 音楽
シューベルト 「弦楽四重奏曲全集ー7」
①「弦楽四重奏曲 」D.94
②「弦楽四重奏曲」D.173
③「弦楽四重奏曲 断章」D.703
ライプツッヒ弦楽四重奏団
DDD 1995 MDG

シューベルトという人は同時代に活躍した天才ベートーヴェンと比較されて、とかく損な立場に置かれる不運な人である。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲に何を足すことが出来たか不明である。とにかくこれでシューベルトの弦楽四重奏曲全集を終了する。