ブログ 「ごまめの歯軋り」

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舛添氏 自民党の再生か新党旗揚げか

2010年02月18日 | 時事問題
朝日新聞 2010年2月18日1時5分
舛添新党の足場に? 新勉強会に中堅・若手約30人出席
 自民党の舛添要一前厚生労働相らが17日、郵政民営化推進など小泉構造改革路線を旗印にした「経済戦略研究会」を立ち上げた。会合には、同党の中堅・若手約30人の議員が出席。今後、舛添氏の総裁選出馬や新党結成の足場となるかが焦点だ。
 研究会は「経済成長こそ、社会保障充実、格差縮小への基本」「官から民への流れを推進」などの七つの基本事項を確認。参院選のマニフェストをにらんだ政策提言をまとめる。 副会長には、塩崎恭久元官房長官と菅義偉元総務相が就任。中川秀直元幹事長や茂木敏充元金融相、河野太郎元法務副大臣、山本一太元外務副大臣らも参加した。

民主党の「生活優先 社会福祉国家強化」に対して、舛添氏の「経済優先」という構図は二大政党時代の対抗軸になりうるか? いずれにせよ反省のない自民党を潰して新保守党結成への動きが開始された。

読書ノート 矢野絢也著 「黒い手帳ー裁判全記録」 講談社

2010年02月18日 | 書評
創価学会と公明党による、元公明党委員長矢野絢也氏の日記奪取事件 第5回

1)手帖奪取事件 公明党と創価学会「政教分離」問題 (2)

 手帖の最近の分は自宅にあり、過去の分はある行政書士のところで保管されていた。3人は1週間後に受け取りに来ることを約束して帰った。ところが1時間もしたころ、3人がふたたび矢野氏の家を再訪問した。3人がいうには公明党本部に帰って報告すると、藤井代表と大久保書記長の二人に怒られ,今自宅にある分だけでも持って帰らないと子供の使いではないかといわれたそうだ。矢野氏は約束違反を反故にするつもりかと怒ったが、3人は強引になだめすかし威して、近3年分の手帖を封筒に入れ封印して持ち帰った。そしてさらに学会の西口副会長の指示で「矢野氏の事務所を見てこい」といわれたそうだが、押し問答の末矢野氏は家の中を案内した。そして2日後の5月17日公明党OBの3人が矢野氏の自宅にやってきて、ダンボールに手帳を梱包し封印した。矢野氏の奥さんにもその封印に立ち合わせるという用意周到なことである。顧問弁護士の指示があったのだろう。黒柳氏は更に家捜しを要求したので、110番をしようと矢野氏が電話を取ると、黒柳氏はその手を取った。これで矢野氏は身の危険を覚えたので家捜しに同意したという。その時3名は矢野氏の資産状況について矢継ぎ早に質問してきた。どうやら家捜しは財務(寄付)を前提とした資産調査も兼ねていたようだ。1階から3階までの家宅調べをした三人は次に応接室で、創価学会に対する矢野氏の「けじめ」のつけ方としての資産の寄付を要求しだした。4月20日戸田記念国際会館に西田学会副会長と藤原副会長によばれて謝罪文を書かされた矢野氏は、後日百万円を創価学会本部第1庶務室長で池田名誉会長の側近長谷川重雄氏に「けじめ」として渡している。こんどは「罪滅ぼし」に数億円の寄付を家を売り払ってでもやれというのである。 学会への忠誠を金で示せということだ。
(つづく)

読書ノート 五十嵐敬喜・小川昭雄著 「道路をどうするか」 岩波新書

2010年02月18日 | 書評
道路利権集団による日本国食いつぶしを阻止する 第7回

2) 道路優先の国土開発

 道路建設をその上位計画である「国土総合開発法」に基づく「全国総合開発計画」(全総)の中で見て行こう。全総は約10年の長期計画で、これまで1全総から5全総まであり、小泉内閣の時から「国土形成計画」(全国計画)と呼ぶようになった。日本の法律の条文は外国に較べて驚くくらい短い。それは記述しない事によって実施する行政機関(官僚)の裁量幅を広くし、かつ解釈を都合のいいように幅を持たせるためである。これによって日本の官僚が異常な権力を手にする源泉になる。官僚用語として昔から「法は三条でよい」という。そして第7条において、国土総合開発計画は国土審議会が調査審議して国土交通大臣に勧告することで、大臣が計画を作製するというきわめて簡単な手続きでよい。国土審議会の委員は国土交通省が選任する御用機関であるので、最終的には計画にお墨付きを与える事は自明である。そして「全国総合開発計画」は閣議で決定され、国会でチェックされることはない。チェックされるのは予算編成のみである。

 この計画は官僚のアドバルーンであり、嘘は出来るだけ大きい方がよいという方式の作文であるので、各年度の予算がこの通りにゆくわけはない。全総がスローガン倒れに終っているのに対して、公共工事のなかでも道路だけは着実に拡大してきた。これだけ道路を作っても、利権集団はまだ足らないという。日本中の国土をコンクリートで固め、アスファルトで化粧してもまだ満足しない。そこで各国の高速道路の密度比較を可住面積あたりの延長長さmで表すと、アメリカが16.5m、ドイツが52.3mに対して日本は91mである。全道路ではアメリカが2km、ドイツが1kmであるに対して、日本は15kmである。日本は一桁道路が多いのだ。道路は交通の利便性からみて全面的に歓迎すべき事柄かというと、最近は弊害ばかりが目立つようになった。その最大の問題は旧市街地のドーナツ現象とシャッター商店街である。そして高速道路は地方の過疎化を促進した。四国への架橋が三本になったことで、人が四国に集まったかというと逆に四国から人が流出してしまった。これを「ストロー現象」という。官僚の作文では「都市と地方の格差解消」というのは嘘っぱちで、道路のために格差拡大となったのである。
(つづく)

月次 自作漢詩 「花未綻」

2010年02月18日 | 漢詩・自由詩
江東山紫淡煙遮     江東の山紫 淡煙遮り

日暮留寒冷気加     日暮寒を留めて 冷気加わる

春雨斜斜花未綻     春雨は斜斜 花未だ綻ろばずも
  
前庭樹下動萌芽     前庭の樹下に 萌芽動く

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(韻:六麻 七言絶句平起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)