ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

企業と結託したNPO  企業が補助金を得るための便法か

2010年02月22日 | 時事問題
朝日新聞 2010年2月22日3時30分
自民職員と大成建設、補助金狙いNPO 省庁に働きかけ
 自民党本部の幹部職員が大手ゼネコン大成建設とともに特定非営利活動法人(NPO法人)を設立し、同社の事業を後押しする施策を創設するよう農林水産省など各省庁に働きかけていたことが朝日新聞の調べで分かった。省庁は要請に応え、一部の事業には補助金も出ている。
 大成建設や参与によると、同社と青森県内の建設業者が約5年前、間伐材から作った木炭を土壌改良に使い、農作物などを環境に優しい商品として売り出す――という事業を始めた。不況で下請け業者の仕事が減っており、雇用創出のねらいもあったという。

政府系NGO(非政府系機構)という言葉もあるくらい、NGO,NPOは堕落しているのか(まじめにがんばっている組織もありますが)。自衛隊も行けない危険な紛争地帯に、人を派遣する支援部隊NGOはまさに政府の先兵となっている。現地で殺害された人も出た。おなじように利益を追求してはいけないNPOが企業が補助金を得るための手先になっている。この国の腐敗は救いがたい。ゆめご子息ご息女を怪しげなNGO,NPOに出してはいけません。ボランティア以外は信用してはいけません。

読書ノート 矢野絢也著 「黒い手帳ー裁判全記録」 講談社

2010年02月22日 | 書評
創価学会と公明党による、元公明党委員長矢野絢也氏の日記奪取事件 第9回

2)改竄されたICレコーダー録音記録と地裁・高裁判決 (2)

 東京地裁では矢野氏が愛想よく受け答えしている場面を納得しての行為とみなし、脅迫による手帖奪取は無かったとみなした。これは矢野氏がまだ創価学会員であったことや、池田名誉会長への信頼を回復し修復しようとする気持ちがあったことによるもので、その複雑な心境に付け入って脅かして手帳を奪い取る創価学会のやり方にたいする矢野氏の愛想のよさは「恐怖心」の裏返しであるとことを見抜けなかったのである。手帖を持ち去りこれを返却しない理由を告訴側(3人の公明党元議員)は「矢野氏が以降、公明党やその関係者に迷惑をかけることがないよう、本手帖を利用できない状態におくため」という。たとえ矢野氏が合意の上で管理を公明党側に任せたとしても、矢野氏の私物である手帖(日記)を矢野氏が返却を求めても帰さないという理由は成り立たない。これが言論妨害の意図を明白に述べたものである。これに対して高裁では、事件に至る背景や経緯を十分に考慮して、「まえもって創価学会本部での脅迫と家族への危害を暗示させる背景を知悉して、矢野氏を訪問して手帖の引渡しを求め、丁寧な言葉使いの裏には要求を拒否すればどうなるかは矢野氏にとって自明なほどわかって居る事を匂わせ、手帳の提出させたことを認めることが出来る」と脅迫的奪取であるとした。そして手帖の所有権は原告側(公明党3議員)にあるのではなく、たとえ無償寄託契約でも控訴人らに占有する権利は無いとした。手帳は矢野氏に返却しなければなない。直ちに控訴人らは高裁判決を不服として控訴したが、高裁判決は仮処分で執行できる。公明党側は2009年6月段階でまだ手帖を返却していない。矢野氏は仮処分執行申請を裁判所に提出したそうだ。
(つづく)

読書ノート 五十嵐敬喜・小川昭雄著 「道路をどうするか」 岩波新書

2010年02月22日 | 書評
道路利権集団による日本国食いつぶしを阻止する 第11回

5)小泉改革の無残な失敗 (1) 

 この章では、小泉首相以下自民党内閣による「道路特定財源の一般財源化」の不履行と、「道路四公団民営化」の偽装改革について考える。小泉首相は2001年7月の参議院選挙で「一般財源化」を協調し、その後しばらくうやむやにされていたが、2005年12月「道路特定財源の見直しに関する基本方針」を決定した。しかし2006年度予算で一般財源化されたのは自動車重量税の一部472億円に過ぎなかった。阿部内閣も2006年12月に「道路特定財源の見直しに関する具体策」という閣議決定をしたが、内容的には後退していた。暫定税率が現状維持で、あまった特定財源のみを一般財源化するという趣旨では、官僚は全額使いきろうとするだけである。2007年11月には「道路の中期計画」を定め、5ヵ年計画を10ヵ年計画に延長し、事業総額を65兆円とするという破格の計画がぶち上げられた。毎年の約6兆円の特定財源10年分で約60兆円を全部使い切る挑発的な道路族の計画であった。さらに当年度に使い切れなかった予算は翌年度の予算に組み入れることができるという無茶苦茶な永久繰越使用権を主張するものだ。続く福田首相は2008年3月「道路特別財源は2008年度税制改正時に廃止し、2009年度から一般財源化する」と表明した。ところが5月のガソリン国会において「道路特別財源延長法案」を再可決して、福田首相の公約は破られた。それでも福田首相は5月13日「道路特定財源に関する基本方針」を閣議決定した。道路特定財源制度は2009年度から一般財源化する、中期計画は5年とするという国会通過法案とは違う決定をするなど全く混乱を呈して9月に辞任した。こうして小泉・阿部に続いて福田首相にも騙された。また麻生首相は一般財源化には黙ったままである。公約を無残にも違反し続けた歴代首相の力の無さと道路利権集団の力関係には、政権の根本を変えなければなかなか実現しないものだという感慨を強くする。
(つづく)


月次 自作漢詩 「花前酒」

2010年02月22日 | 漢詩・自由詩
萬樹凌寒春一枝     萬樹寒を凌いで 春一枝

香聞流水最清奇     香聞流水 最も清奇なり

騒人先酌花前酒     騒人先ず酌む 花前の酒 
 
薄暮難成月下詩     薄暮成り難し 月下の詩

●●○○○●◎
○○○●●○◎
○○●●○○●
●●○○●●◎
(韻:四支 七言絶句仄起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)

CD 今日の一枚 シューベルト 「ピアノと弦楽のための室内音楽全集-1」

2010年02月22日 | 音楽
シューベルト 「ピアノと弦楽のための室内音楽全集-1」
アリオントリオ+クラウディオ・ヴェレス(ヴィオラ)、アンドラーシュ・シンシア(ダブルバス)
①「弦楽五重奏曲 鱒」 D.667
②「ヴァイオリンとピアノ二重奏」D.574
③「ピアノ三重奏のためのソナタ」D.28
DDD 1989 BIS

シューベルトといわずロマン派の五重奏はチェロ2本とかダブルバスを使う低音へ傾いた、重々しい雰囲気と暗い様相を示すものである。シューベルトの最も有名な「鱒」を収録する。