ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

読書ノート 矢野絢也著 「黒い手帳-創価学会日本占領計画の全記録」 講談社

2010年02月26日 | 書評
創価学会の公明党支配とその政治目的の全貌 第2回

 日蓮(にちれん)(1222年3月30日 - 1282年11月21日)は、鎌倉時代の仏教の僧。法華経の題目を重んじる諸宗派が宗祖とする。死後に皇室から日蓮大菩薩(後光厳天皇、1358年)と立正大師(大正天皇、1922年)の諡号を追贈された。1222年安房国長狭郡東条郷片海(現在の千葉県鴨川市)の小湊で誕生した。1240年に比叡山へ遊学。また高野山でも勉学に勤しむ。仏経典を読破し研鑽した結果、妙法蓮華経(法華経)こそが釈迦の本懐であり、法華経をないがしろにする当時の仏教界の矛盾を悟るに至ったという。1260年に立正安国論を著わし、前執権で幕府最高実力者の北条時頼に送る。この書は、地震・洪水・飢饉・疫病などの災害が起こる原因は、民衆や幕府が主に法然の念仏をはじめとする邪法を信仰することにあるとし、仏教経典を根拠に、正法たる法華経を立てなければ自界叛逆難、他国侵逼難などの災いが起こると説かれている。すなわち法華経の国法化を要求した。1261年幕府によって伊豆国伊東へ流罪となる(伊豆法難)。1271年平左衛門尉頼綱により、幕府や諸宗を批判したとして佐渡流罪の名目で捕らえられ3年の流罪となる。赦免後、蒙古来襲の預言を幕府に求められる。1282年病を得て、常陸の国に療養に出かけるが、池上本門寺にて入寂する。

 次に日蓮正宗のことをまとめておこう。日蓮正宗(にちれんしょうしゅう)は、日蓮を宗祖とし、日興を派祖とする仏教の宗派の1つ。日蓮系の諸宗派のなかでは、日蓮本仏論、本迹勝劣などを教義とする富士門流(日興門流)に分類され、大石寺(総本山)、下条妙蓮寺(本山)の二本山が所属する。宗祖の入滅後、六弟子の1人であった日興が七年間、久遠寺に居住した後、地頭南条時光の招きにより総本山大石寺(たいせきじ)を建てて「御開山」すなわち事実上の開祖となり、その教義的方向性を決定づけた。日蓮正宗と正式に名乗るのは明治最初の頃で、それまでは日蓮宗興門派・日蓮本門宗という富士門流八本山による連合宗派も作っていた。1900年(明治33年)に日蓮宗富士派と公称し、1912年(明治45年)に日蓮正宗と改称し現在に至る。教義の基本は、正しい本尊(本門戒壇之大御本尊)を信じて自行化他に題目を修行しさえするならば、どんな者でも必ず一生のうちに成仏できる、ということである。また、仏教各宗派によってさまざまな戒律が説かれているが、日蓮正宗における戒とは「三大秘法の受持」の意である。よって信徒個人レベルにおける戒律の実践は、「一切の謗法を捨てること(=日蓮正宗以外の本尊を拝まないこと)」、「勤行唱題および弘教活動(=広宣流布)を実践すること」で十分だという。
(つづく)

読書ノート 五十嵐敬喜・小川昭雄著 「道路をどうするか」 岩波新書

2010年02月26日 | 書評
道路利権集団による日本国食いつぶしを阻止する 第15回 最終回

6)利権の壁を乗越えるには (2)

 猪瀬直樹氏も指摘したように、道路公団はずぶずぶの高コスト体質であった。それは税金を使って、鉄のトライアングルが甘い蜜を吸い上げるためである。官僚側は天下りをして優雅な老後をおくるため、道路族は政治資金と票を得るため、建設業と鉄鋼業は談合によって高い見積もりで受注し利潤を高めるためである。欧米に較べて日本の高速道路の建設費用は10倍から30倍は高いことがわかった。ロンドンの高速道路は1キロ当り12億8000万円であるが、日本の首都高の圏央道では1キロ当り174億円もかかった。衆議院予算会議でも「日本の高速道路はキロ当たり50億円の事業費が必要だ」という証言があった。これはアメリカの30倍にあたる。鉄のトライアングルは建設費が高い方が全員が潤うからで、財源は税金なので誰も気にすることなく湯水のように使えるからだ。そして天下りと談合は一体化している。業界が勝手に談合しているのではなく、建設業の天下り役員が官僚から情報を得てリストに従って、談合を繰り返しているのである。官僚が談合をしているのである。2008年鉄鋼製橋梁工事を巡って内田道路公団元理事長に有罪の判決が出たが、業界49社のうち42社の200人の国土交通省OBが天下りをしていた。うち18社は役員待遇の天下りであった。発注元の国土交通省からお土産付き(一定の受注量を約束)で天下りを受け入れ、彼らを受注の窓口にして業界企業は受注を繰り返していた。国家予算の成り立ちを見るとその国の民主主義が見えてくるというが、アメリカは議会が予算を作り、イギリスは政府が予算を作り、日本は官僚が予算を作るのである。これらの実体を国民に知らせて議論を起こす役目のあった日本のメデァは、官僚の垂れ流し情報を貰うだけで独自の取材をしなかった。これは怠慢というより裏切り行為である。2009年夏は自民党政権の腐敗から、いまや政権交代という千載一遇のチャンスがやってきた。いまこそマニフェストを作って、政党公約を実行しうる政党に変わる時である。

月次 自作漢詩 「墨東観梅」

2010年02月26日 | 漢詩・自由詩
墨巷黄昏欲暮鴉     墨巷黄昏 暮鴉ならんと欲し

葦原萬樹影横斜     葦原の萬樹 影横斜なり

三囲社上東南月     三囲の社上に 東南の月
  
亀戸疎枝一両花     亀戸の疎枝に 一両の花

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(韻:六麻 七言絶句仄起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)

CD 今日の一枚 シューベルト 「ピアノ三重奏曲集」

2010年02月26日 | 音楽
シューベルト 「ピアノ三重奏曲集」 (CD2枚組)
①「ピアノ三重奏曲 嬰ロ長調」 作品99 D.898
②「アダージョ 嬰ホ長調」 作品148 D.897
③「ピアノ三重奏曲 嬰ホ長調」 作品100 D.929
④「ピアノ三重奏曲 ひとつの動機」D.28
ボザールトリオ
DDD 1984 PHILIPS

ボザールトリオの演奏は、柔らかくかつ暗くなく謳うような、大変上質な演奏だと思う。