グローバル危機克服の条件 第12回
2) グローバル経済危機と政権交代 (1)
2008年9月から始まったアメリカの金融危機については、水野和夫著 「金融大崩壊」を、サブプライムローン問題については春山昇華著 「サブプライム問題とは何か」、春山昇華著 「サブプライム後に何が起きているのか」を参考していただきい。まさにアメリカのサブプライムローン問題は日本のバブルと同じ性質の住宅バブルであった。住宅価格は上がり続けるという神話の上に立つ金融手法であった。ローン貸付金が証券化され、トリプルAの格付けを得て、欧州の貸付信託など世界中に紛れ込ませた(リスクの分散)ことが、世界金融危機を招いたのである。その過程で様々な金融工学的手法を発明したところがいかにもアメリカ人の頭のいいところかもしれないが、世界中がそれで迷惑を被った。金融危機は証券や銀行や信用保証会社の倒産だけにとどまらず、信用不安から需要が縮小し自動車産業のGMとクライスラーの倒産に及んだ。アメリカの自動車需要の縮小はアメリカに進出している日本の自動車産業の赤字転落となった。それは日本全体の実物経済の落ち込みとなり、実質経済成長率は2008年度の四半期ごとで、マイナス2.8%、5.1%、12.8%となり、2009年1-3月ではマイナス12.4%となり、4-6月にはプラス2.3%に転じたが、欧米に較べても日本の低落ぶりは深刻であった。
(つづく)
2) グローバル経済危機と政権交代 (1)
2008年9月から始まったアメリカの金融危機については、水野和夫著 「金融大崩壊」を、サブプライムローン問題については春山昇華著 「サブプライム問題とは何か」、春山昇華著 「サブプライム後に何が起きているのか」を参考していただきい。まさにアメリカのサブプライムローン問題は日本のバブルと同じ性質の住宅バブルであった。住宅価格は上がり続けるという神話の上に立つ金融手法であった。ローン貸付金が証券化され、トリプルAの格付けを得て、欧州の貸付信託など世界中に紛れ込ませた(リスクの分散)ことが、世界金融危機を招いたのである。その過程で様々な金融工学的手法を発明したところがいかにもアメリカ人の頭のいいところかもしれないが、世界中がそれで迷惑を被った。金融危機は証券や銀行や信用保証会社の倒産だけにとどまらず、信用不安から需要が縮小し自動車産業のGMとクライスラーの倒産に及んだ。アメリカの自動車需要の縮小はアメリカに進出している日本の自動車産業の赤字転落となった。それは日本全体の実物経済の落ち込みとなり、実質経済成長率は2008年度の四半期ごとで、マイナス2.8%、5.1%、12.8%となり、2009年1-3月ではマイナス12.4%となり、4-6月にはプラス2.3%に転じたが、欧米に較べても日本の低落ぶりは深刻であった。
(つづく)