できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

2011冊目:岡田憲治『静かに「政治」の話を続けよう』

2014-10-07 22:52:18 | 本と雑誌
2011冊目はこの本。
岡田憲治『静かに「政治」を続けよう』(亜紀書房、2011年)

政治学者の岡田さんの本を読むのは、これで3冊目。
岡田さんの本は今のところ3冊とも、政治を語ることばのことを一貫して問題にしています。
要するに、政治について「おとな」の言葉づかいのできる人がいないこと。
たとえばヒステリックに誰かを非難したり、威勢がいいだけで中身がない言葉で政治を語ることや、そういう言葉づかいをしてしまう政治に対する知性のあり方を、岡田さんは問題にしているのではないか、と、この本や他の2冊を読んで思いました。

静かに「政治」の話を続けよう

2010冊目:蟻塚亮二『沖縄戦と心の傷 トラウマ診療の現場から』

2014-10-04 08:40:39 | 本と雑誌
2010冊目はこの本。
蟻塚亮二『沖縄戦と心の傷 トラウマ診療の現場から』(大月書店、2014年)

この本が書かれたのが、今年だというのが驚き。
あれだけの壮絶な地上戦がたたかわれた沖縄において、生存された方々に何らかの心的な被害が生じていないほうが、よく考えればおかしいはず。
そしてその心的な被害がその後の生のなかで、いろんな場面で生じてきてもおかしくない。
にもかかわらず、日本の精神科医療はこれまで、この沖縄戦の問題にまともに向き合ってこなかった・・・ということを、この本は指摘しています。

沖縄戦と心の傷: トラウマ診療の現場から

2009冊目:岡田憲治『言葉が足りないとサルになる』

2014-10-04 08:36:10 | 本と雑誌
2009冊目はこの本。
岡田憲治『言葉が足りないとサルになる 現代ニッポンと言語力』(亜紀書房、2010年)

政治学者の立場から、今の日本社会における人々の使う「ことば」のあり方を検討した本。
自分の考えを論理的に「表現」する力が、「政治」について考えることの土台。
そのように言いたいのだろうな、と思った。
人文学部生に「政治」と「表現」について考えさせるには、うってつけの本だと思う。

言葉が足りないとサルになる