できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

いろいろ言いたいことがあるのですが(4)

2011-08-09 08:19:03 | いま・むかし

先週土曜日、8月6日が広島の、そして今日8月9日が長崎の原爆投下の日ですね。

ツイッターを見ていると、7月末から広島の原爆の日にあわせて、箕面市から広島へ「ピースサイクリング」にでかけた子どもたちがいるとか。もう戻ってきた頃かと思いますが、それにしても、すごいがんばりですねぇ。自転車でどのくらいの距離、走ったのでしょうかね? また、子どもたちだけでなく、つきそいのおとなたちもいろいろとご苦労があったことかと思います。おつかれさまでした。

そういえば先月、(社)子ども情報研究センターの子育ち連携部会で、かつての大阪市内の解放子ども会の取り組みについて、元青館職員の方から聞く機会を持ちました(というか、このところ、この部会では連続してこの取り組みを続けているわけですが)。そこでも、1990年代の「平和行進」の取り組みについて話を伺うとともに、実際の行進の様子を収録したビデオを見せていただきました。このとき見たのは、8月5日に呉市あたりから広島市内(たしか原爆ドーム前)あたりに向けて、子どもたち(主に中学生)たちが平和の大切さなどを訴えながら行進し、翌日の広島の記念式典に参加して帰る、というプロセスを撮ったビデオですが。

大阪市内や大阪府内の各地区での子ども会活動のなかで、さまざまな体験を通して、子どもとおとながともに戦争と平和について考える学習活動が、こうして何らかの形で継続されていること。そのことは、とても貴重なことではないのかと思います。もちろん、各地区の実情によってはこうした活動が下火になっているところ、あるいは、途絶えてもう長いというところもあるでしょう。ですが、今一度、こうした活動の重要性を認識して、いつもいうように「できることを、できる人が、できるかたちで」継続して(あるいは復活させて)ほしいと思います。

なにしろ今、新しい学習指導要領にもとづく各自治体の教科書採択の動きのなかで、大阪府内でも次のようなことが起きています。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/110727/edc11072716000004-n1.htm (東大阪市、育鵬社の教科書採択)

今後、戦争と平和について学校で学ぶことに不十分な点や偏りがあったり、さまざまな面で課題が残るとするならば、学校外での自主的な学習機会を通じて、その足りない面を補ったり、偏りを改善したり、課題を解消するという取り組みがあってもいいのではないか。少なくとも、私はそのように思います。

と同時に、大阪の人権教育の関係者は、このような各地区の子ども会活動で進められてきた戦争や平和について考える営みを、今、どのように評価するのでしょうか。少なくとも私は、「どのような形になるにせよ、まずは今後も継続すべき重要な営みである」と位置付けるのですが、いかがでしょうか? もっとも、そもそも今の大阪の人権教育の関係者の間で、これまでも、今も、各地区での子ども会活動の重要性に気付いている方がどの程度いるのか。そこからして、私には「ほんとうにそれでいいの?」と思うことが多々あるわけですが。

ひとまず、今日のところはこのあたりで終えておきます。

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