角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

わが身への感謝。

2013年02月22日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡四百円〕
こちらも可愛らしさが表現できたと思います。中高年のおばさまには少しでも赤が入ると喜んでくださる方が多く、「今日の草履」もそんなおばさまがお選びになる気がしますね。

昨今どこにでも売っている五本指ソックスは、旅で着用している人も多いです。試し履き草履にお勧めするまでもなく足を入れられる方は、そんな五本指ソックス愛用者にとても多いですね。足の踏ん張りといい、足指の感覚といい、五本指ソックスはどなたにでもお勧めできます。

地元にお住まいのお母さんが、ふらりと草履コーナーに立ち寄られました。はじめてお会いするお母さんは角館草履を見て、『遠くから見たらお雛様かと思ったった~』とその配色を評価してくださいました。
そんなお母さんも五本指ソックスの愛用者なんですね。

何年か前から履きだしたものの、最初のうちは足の指に上手く入れられなかったそうです。これは誰しも感じる一種の「抵抗」なんですが、それがイヤで五本指ソックスをやめたという人もいました。そこを乗り越えるとこの靴下の良さが分かるんですけどね。

お母さんはこの靴下を履くようになってから、ご自分の体に「労い」を覚えるようになったといいます。
『足をよっく見ねば、この靴下は履かれねもの。顔だば時々磨くこともするたって、足はあんまり見たごどねがったものな。したば、何十年もこの体どご支えてくれた足サ、なんだが感謝しねばだめだと思ってなぁ』。

「自分の体に感謝する」。人生半世紀を迎えた私も、もうそろそろそういう考えに至らなければならないんでしょうね。
コメント
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