角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

草履職人の定年。

2013年02月16日 | 実演日記




今日の草履は、金の草履24cm土踏まず付き〔六阡円〕
昨日の「今日の草履」と色違いで、こちらも一色で編み上げました。「金の草履」はこの他に23cmを1足作り、計3足の限定販売となります。個性的なカラーですし、値段も少々高めですから、一般の草履のようには売れないでしょう。ひとつのバラエティですね。

今日の角館は、まさに真冬の吹雪模様となりました。最高気温で氷点下3℃くらいでしょうか。少しばかり春の兆しを感じたところでしたから、尚のこと寒さを感じます。
広い米蔵スペースを暖めきれないストーブに、外から入って見えるお客様が真っ先に近寄っていました。

横手市のかまくら行事が始まったこともあって、この天候の割にはご来客数が多かったです。角館草履に関心をお寄せのお客様も多く、この時季にしてはずいぶん多い7足のお買い上げがありました。
50回目の記念すべき誕生日に、図らずもプレゼントをいただいた心境ですね。

50歳を迎えたことを契機に、70歳まで草履職人を務めることに決めました。最近カミさんとの話題に出てくるようになったのは、これからの将来設計です。サラリーマンや公務員と違う私たちは、退職金がありませんし年金も多くありません。その代わり、体さえ元気であればいつまでも収入を得ることが可能です。

わが身わが家の将来を図面にしてみると、70歳がいいところじゃないですかね。その後は趣味的な活動に切り替えて、カミさんと旅でもしながら余生を送られれば申し分ないでしょう。そんな旅人と日々出会っていますよ。

トップページにある画は、私の背中にいつも飾ってあります。それを見たお客様から、『実際のほうが若いですね』とよく言われます。私がいつもお返しする言葉は、『あと20年は続けますから、そのとき“昔は若かったですね”と言われるよりいいでしょ』。

70歳の誕生日に草履職人を辞めるとき、ちょうどこの画の雰囲気になっているのが目標でしょうか。
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