角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

記憶を留めるミニ草履。

2012年06月03日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡四百円〕
暑さを感じる頃になると、こうした青系が選ばれ易くなります。生活に四季や節句を取り入れるいかにも日本人らしい選択と思いながら、どうやら私自身がそういう配色を好んで編むことも一因のようです。
「今日の草履」などはそんな典型例、涼しさとお洒落を同時に愉しんでいただけるでしょう。

今日の角館は爽やかを通り越して暑かったです。散策のお客様も、『こんなに暑いとは思わなかった…』。聞くところによれば、関東より東北が暑かったそうですね。
暑いにしても寒いにしても、また雨にしても雪にしても、このところの気候は「ほどほど」を知りません。さてこの夏、北東北の暑さはどうなるでしょうか。

ブログではしばらく震災の話題から離れていましたが、実演席ではこの話題のない日が少ないくらいです。ミニ草履を展示しているバスケットに募金云々を記述しているせいもあって、特に被災地からお越しの方はいろんな話題を提供してくれます。

震災のあと三回ほど角館をお訪ねというおばさまは、宮城県にお住まいです。ご自身に大きな被害がなかったことから、東北内を巡ってできる限りの消費活動をされているとのこと。『角館にも観光客が戻ったみたいですね』の言葉に、いかに東北を気にかけておられるか分かりました。
おばさまはミニ草履をお買い上げくださり、募金が100円増えました。

仙台市からお越しのお若い女性ふたり旅。試し履きする自身の足元を上から写真に撮る、なかなか面白い光景を見せてくれました。確かに考えてみれば、やりそうな感じですよね。楽しそうな笑顔が印象的なお二人でした。

おふたりもそれぞれにミニ草履をお買い上げくださり、『みなさんの暖かい心に支えられましたぁ』。
うちのおひとりは、地震の揺れでそれなりの被害があったそうです。旅に出られるくらいですから、まず落ち着きは取り戻しているのでしょう。おふたりのおかげで、募金が200円増えました。

2012年のミニ草履募金は、5月末日現在で10,300円となっています。どんな大事故や大災害であっても、ときが経つにつれ記憶から薄れていくのは無理もないでしょう。だからこそ日常のミニ草履が、記憶を留めてくれると思うわけです。
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